九の甲 享年十一歳
××マコ。女性。享年十一歳。
一九××年、静岡県××市にて、××コージ(二十一歳、建設業)及び××メグミ(十六歳、サービス業)の住居に押し入り、使役怪獣を使い二名を暴行、殺害した容疑で逮捕。
かつては明るく優しい性格の少女であったという。
あるとき家族らとの行き違いをきっかけに家出。
その後数年に渡って指定暴力団アール団系組織に所属していたことが判明している。
この間、家族との連絡を一切絶っていた。
たまむし地裁は女性を少年自立矯正施設送致が相当と判断。
女性は公判の最中も始終挑発的な態度を崩さなかった。
判決は次の通り。
「被告人が使役怪獣を使い知人二名を殺害せしめた事案で、本件が衝動的な犯行であることを認めるとしても、被告人に是非を弁別する能力及び行動を抑制する能力が著しく減退し、心神耗弱の状態にあったことを疑わせる事情はなく、殺害への強い決意が認められ、また被害者へ苦痛を与えることを目的とした一連の傷害行為に被告人の残虐性を窺うことができ、殺人罪に相当するとした上で、被告人が年少時、暴力団員としておよそ二年半に渡って活動し、劣悪な生活環境の中で尋常な社会的規範や対人感情を喪失していったものと考えられる点において、充分な更生機会を与える必要性があるなどとして、被告人を矯正教育刑十年に処した事例」
凶器として使用された怪獣は××怪獣愛護センターに収容されたのち殺処分された。
××女子学院への入所から約半年後、女性は突然意味不明な奇声を発しながら作業訓練で使うカッターナイフを振り回して周囲を威嚇しはじめた。
興奮して説得に応じず、自らを傷付けかねない危険な状態であったため、職員らは止むを得ず女性を取り押さえ個室に軟禁した。
翌朝、様子をうかがいに来た職員が個室内にて意識不明の女性を発見。
××病院に搬送され死亡が確認された。
死因は静脈血栓塞栓症。長時間拘束されたためのショック死と考えられる。