エピローグ
「あー、あー……」
「(緊張してるの? ゲンガー)」
「そんなこたねえよ!ただ…… けじめはしっかりつけねえとな」
「今までの行いの総清算ってヤツ?」
「それは気合が入るだわさー」
「お前らうるさいぞ! ぐぬぬ……!!」
「−−みんな。 集まってもらって悪いな、ケケッ。
……知らないヤツもいるかもしれないからもう一度。
……キュウコン伝説に出てくる人間は……
このオレさま、ゲンガーだ!!」
「ええっ!?」
「やっぱりゲンガーがそうだったの!?」
「た、たしかにきょうだいは違ったけど……」
「……別に、許してもらおうとは思ってねーケドな。
おいそこ、ポケモンズ。 ……悪いと思ってんだぜ?
オレ様が誰かに謝るなんて悔しくてトリハダ立ちそうだがな」
「でも、そんなの黙ってたらわからないのに……」
「どうして今更、そんなことを言おうと思ったの?」
「おれさまなりのけじめさ。
俺は…… たくさんのポケモンたちにイジワルしてきた。
この場を借りて、謝らせてもらう。
……悪かったな!」
「……ケッ。許されるための演技に見えるか? だったら」
「別に? 俺ら、何とも思ってないからなあ」
「な!?」
「……確かに、昨日みたいなことがあってびっくりもしたけど……」
「だってゲンガー、最近全然悪くなかったし」
「むしろ、良くなってるからな」
「むむむ……お前ら、オレ様の全力の演説を踏みにじりやがって……!」
そして、ちょっと悪態を吐いた後。
「…… 許してくれてありがとうな」
走り去った! 逃げた!
ツンデレゲンガーに一同笑ったのだった。
「……く、くそ、まさかこんなことになるとは……」
「リーダー」
「……! お、おまえら……」
「これで、イジワルズは解散だね」
「…… そうだな。 お前ら、今まで」
「そして、再結成さ!」
「!? ケケッ、何を言ってるんだ!?
い…… イジワルはしないんだぞ?」
「べーつーにー。 リーダーに毒されたのがここにいるからねん♪」
「…… お前ら……」
「だから、リーダーに新しい名前をつけてもらわないとな」
「新しい名前? ……ああ、次のチーム名か」
−−遠くから、きょうだいやミドリ、それにサーナイトたちが駆け寄ってきた。
みんなに囲まれながら、ゲンガーは目をつぶって腕を組んだ。
さわさわ揺れる草。皆の優しい笑顔。
顔を上げて目を見開いたゲンガーは、ゆっくりと目を見開いた。
すると、サーナイトと目があって、お互い何を言うのでもなく笑い合う。
……今日も、奇跡のように新しい一日が巡っていく。
そして、毎日が幸せのように続いていくのだ。
ゲンガーは明るい顔で口を開いた。
「新しいチーム名は……」
広い青空。笑い合っているポケモンたち。
そして今日も、彼らは共に生きていくのだった。
END