最終話 祈り
私達はソル達から来た道から玄関に向かおうとする。レバーを降ろした部屋を出ると後ろから殺気が感じられた。
「今まで以上の殺気発してんな。そうとう必死なんだろうな。まぁ俺達は逃げ切るからな」
ソルはバリケードを張りベッドを動かし、
「ここから下に行けます!最後にベッドで穴を隠すので先に行って下さい。」
「俺も手伝うぞ!シル、ミドリ先に行け!」
「うん!早く来てね!」
私は先に穴から飛び降りた。下は風呂場らしく湯槽には水が溜まっていて少なからずクッションになった。すぐ浴槽から出て、ミドリが降りてくる。浴室から出るとすぐソルとルイが出てきた。
「早く出るぞ!」
ルイがそう叫ぶと私達は玄関を目指し走り続ける。
階段を降りると私が鍵でドアロックを外し外に出た。
館を出た私達は街まで走った。私に残されたのはお姉ちゃんが館で書いていた内容と館から脱出してさらに絆を深めた親友ソル、ミドリ、ルイだった。あの後私達は成人し、4匹で暮らし始めた。私はふとお姉ちゃんを思い出すと日記帳を読む、そしてあの時の記憶が蘇るそして皆と話し、それを忘れようと宴会をやる。その繰り返しだ。あの館は未だあの街外れにポツンと佇んでいる。私達は毎日見張りをすることにした。私達のようにあの惨劇に遭うことのないように…今日もまた私達はあの館の監視へと向かう。