第6話 幻想
2匹は2階の南西方向の階段脇にある部屋を鍵で開けた。中は薄暗い。
「電球が切れているのでしょうか?見えづらいですね気を付けて進みましょう。」
私は頷くと壁に手をつき周りを触りだした。
すると…カチッと音がしたすると近くで何かが動く音がした。
「ソル何か動いたよ」
私は何処にいるか分からないソルに言った。奥からソルが
「本棚が動いたみたいです。その裏にドアがありました。少し探してみます。」
と返事が返ってきた。
1分もせずに懐中電灯を持って戻ってきた。
「奥の部屋に5個位ありましたのでシルの分も持ってきました。」
ソルが私に懐中電灯を渡すと私は足を踏み出してスイッチを探し押すと部屋に明かりが灯った。ソルは
「電球は問題ないでしたね。まさかオフにしてあったとは…意外でした。」
「あっ!」
私は奥のドアの逆方向の机へ走った。机の上にはパールが置かれていた。パールはソルが持ち私は引き出しをみた。すると2番目の引き出しに
「あった…」
私は姉の館について書かれた紙片を持ち読み始めた。
『私はあの時死んだはずだった。なのに身体が存在している。何故?これは推測だが私の身体はあの幽霊に憑かれているのだと思う。身体と私の意識はそのまま支配されている。きっとこの館に誰かきたら私の意識は閉じ込められてしまうだろう…もしシルが来たとしたらきっと…だから来て欲しくはない。話が反れるが私はこの館から出ることは出来ない。出ようとすると幽霊が私が出ると意識と身体が失うと言った。仕方がない今は伝えることを書き終えるまでは失う訳には行かない。うっ!?誰かこの館に向かって来ている。支配されてしまう前にこれだけを書き残す和室からち…地下…へ……』
私は内容が理解出来なかった。ソルも読んでいたらしく結論を口に出した。
「シルのお姉さんは死んでしまっている…しかし館の真相について書き終える前に僕達が来てしまったという事ですね…それにしても和室から地下に行けることでしょうか?」
「じゃあ早速行ってみようよ!」
ソルは賛成して2匹は1階の和室へと向かった。