act2
「う、うーん…」
俺は目が覚め、立ち上がると見慣れない風景が広がっていた。まるで異世界…明らかに別の世界に自分は居るみたいだ。目の前には階段があり、とりあえず、上って行こうと思う。
――しばらくして――
階段を登りきり、祭壇らしき場所に辿り着いた、祭壇の中央に一匹のポケモンが佇んでいた。俺はそのポケモンの目の前に立つ。すると、そのポケモンは、俺を見て、
「人間よ…今の力を我に示せ!さすれば、汝に力を与えよう。」
そのポケモンはそれだけ告げると、後ろに飛ぶ。俺は戸惑ったが、すぐに切り替え戦闘態勢に入る。
「お手合わせよろしくお願いします。」
俺は、人間の頃に習っていた格闘術の礼をして構え直し、そのポケモンの懐へと飛び込む。しかし、相手は近距離戦に持ち越さないために、水の波動を撃ってくる、どうやら水タイプらしい、でもこっちは有効打がない、というよりもポケモンの技を未だに使えない。
「チッ、くそなかなか近づけないな…まだ本気ってわけでもなさそうだな…」
俺は自分の手を見つめると、ある考えが頭を過ぎる。
(創作技…試してみる価値はあるか…さすがに遠距離は無理っぽいけど)
俺は走り出し、手に力を溜める、相手は変わらず水の波動を撃ち続ける。その一つに力を与える、すると水が体を纏うように集まる。
「やってみるもんだな。これで、水は効かないな、行くぞ!」
俺は再び走り出す。
ようやく懐に飛び込む相手は、至近距離に弱いらしいすかさず、連撃をする。相手は退け、終わりを告げる。俺は構えを直し、
「ありがとうございました」
と合掌する。歩み寄ると、箱を目の前に置く。そのポケモンは、俺を見て、
「我の名を申すのが遅れた、我はスイクン。異世界のガーディアンズの一匹である、人間よ、創作技を完成させ、我を押した事を賞し、新たな力を与えよう。