御代わり、如何ですか?
むかし、あるお寺にウソッキーのおしょうさんとウソハチの小僧がおりました。
ある日、村の人がお寺にぼた餅を届けてくれました。
「小僧には黙っていよう。」
食いしん坊のおしょうさんは、ぼた餅を戸棚に隠しました。
でも、すぐに食べたくて仕方がありません。
そこで、一つだけお皿にとると、押し入れに入って食べることにしました。
ここなら、小僧に見つかることはありません。
ところが、小僧はおしょうさんがぼた餅を貰ったことを知っていたのです。
おしょうさんの姿が見えなくなると、戸棚からぼた餅を一つ、お皿にとりました。
さて、どこで食べよう・・・・・・。
小僧は少し考えてから押し入れを開けました。
そこには、おしょうさんが口いっぱいにぼた餅を頬張って、しゃがんでいます。
しまった、と思った小僧は、こう言いました。
「おしょうさん、おかわりはいかがですか。」
しばらくして、このおしょうさんが、水飴を貰いました。
今度もやっぱり小僧に食べさせたくはありません。
出掛けるとき、小僧に言いました。
「この水飴は毒の水飴じゃ。決して食べてはいけないぞ。」
小僧は、にっこり笑って、
「はい、絶対に食べません。」
と言いました。
けれど、おしょうさんが見えなくなると、早速水飴を全部食べてしまったのです。
それから、おしょうさんが大事にしていた茶碗を庭の石に投げつけ、
ガチャーン!
と、割ってしまいました。
そして、嘘泣きをして待っていました。
やがて、おしょうさんが戻って来ました。
「小僧、どうして泣いているのじゃ。」
すると、小僧は答えました。
「おしょうさんの大事な茶碗を割ってしまいました。
お詫びに毒の水飴を食べて死のうと思ったのですが、どうしてま死ねません。」
おしょうさんは、小僧を許してあげたそうです。
おしまい