作者のやる気が消えない内に
「起きろっ!デンジっ!もうすぐ約束の時間になるぞっ!」
「・・・・・・・なに訳の分からない事を・・・・」
朝から大声で怒鳴り散らすオーバの声に耳を塞ぎながら
俺は時計に目をやった。
約束の時間は、午前8時。
今は、6時半・・・・・・・余裕余裕・・・。
「おい!デンジっ!昨日、時計改造してただろっ!?」
「・・・・・・・・うん?・・・したけど何?」
「時間ずれてるぞっ!もうすぐ8時だっ!」
「・・・・・・・・・・!!!」
「ハァ、ハァ・・・・・どうやら間に合ったようだな・・・」
「・・・・・・・・・・お前が早く起こさないから」
「俺様の責任かよっ!!?」
「ヘーイ!ユー達、喧嘩はイケナイ!」
オーバと睨みあっていると、急に肩を叩かれた。
叩いた主は、クチバのジムリーダーであるマチスさんだった。
「おう!マチスさん!お久し振りですっ!」
「・・・・・・・・元気そうで何よりです」
「オーウ!サンキューサンキュー!」
マチスさんは、同じ電気使いのジムリーダーということでとても親近感が沸く。
「オーウ!ソレヨリ、ユー達!ハヤくフネに乗るネ!大体は、集まって来てるヨ!」
マチスさんが指差す先。
そこには、クチバの客船・アクア号――――
ではなく、豪華客船・サントアンヌ号が神々しい雰囲気を放っていた。
「サ、サントアンヌ号じゃないですか!!?どうして、こんな良い船を・・・・・」
「今回は、テレビでホウソウされるカラ、ミバエはヨクないとネ!」
それに、たぶんだが、ポケモン協会の役員も乗っているだろう・・・・・・。
ジムリーダーは、ただでさえ厳重注意を受けている身、
豪華客船を用意したのは、当然の判断かもしれない・・・・・・・。
船に乗ると、部屋まで案内された。
また、オーバと同じ部屋なのが気に食わなかったが・・・・まあ、いいや。
“トントンッ”
二人でスマ○ラの話でもしていると、急に扉からノックの音が聞こえた。
「どうもどうも、失礼します〜」
小柄な男だった。
ニヤニヤと嫌な笑みを浮かべる中年の親父。
全身緑で整えられたスーツを着ていて、濃い緑色のリュックサックを背負っていた。
・・・・・・・・あるポケモンを彷彿とさせる身なり。
「初めましてですね。私はポケモン協会の役員、フシダネ、と申します」
・・・・・・・・・・・・。
「大会のルール説明等について参りました」
「・・・・・・・ルール?」
「えぇ、今回の大会では、バトル以外にも、沢山の要素を含んでおります」
バトルだけじゃないのか・・・・・・・・・・面倒だな。
「今大会ではのルールはこのようになっております。
優勝条件
●ポイントを参加者の中で一番多く集める。
ポイントの集め方
●ポケモンバトルに勝利する=100ポイント
●島中に隠されているジムバッチを集める=ひとつ50ポイント
●但し、ポケモンバトルに負けると-50ポイント
●最初は、全員100ポイント持っている。
大会終了条件
●全ての参加者とのポケモンバトルをする事。
こうした内容になっております。宜しいですね」
全員とバトル出来るのか・・・・・・・・。
・・・・・・・・面白ぇ。
「・・・・・・・・分かった」
「あぁ、大丈夫だ!」
「・・・ありがとうございます。ですが、ひとつ・・・・・」
フシダネは、その嫌な笑みを止め、真剣な表情でこちらを顔を覗きこんだ。
「今大会の真の目的は、ポケモン職に対する意識の強化です。
それをくれぐれもお忘れなく・・・・・・・・」
そんな事は分かっている・・・・・・・・。
「おっと!もうひとつ忘れていました・・・・・。
今大会は、事前に説明致しました参加者の他に、
何人か一般トレーナーを後に呼ぶ予定です。
特別に、ポケモンバトルに勝利すると200ポイント、負けると-100ポイントと
なっておりますゆえ・・・・・・・」
一般トレーナー・・・・・・?
ふん、弱い奴等じゃないと良いが・・・・・・。
フシダネがまた、嫌な笑みを浮かべて、スルスルと部屋を出ていく。
「到着まで、あと2日はかかります。それまでは、ご自由に船の中を・・・。
では、失礼致しました・・・・・・・・・。」
“パタンッ”
「いやぁ〜!楽しみだなぁ!大会♪」
「そうだな・・・・・・」
「それまでどうするよ、デンジ?他の参加者に挨拶しに行くか?」
「いや・・・・・・」
「ん?何かしたい事あんのか・・・・・・?」
「・・・・・・・・・・・スマ○ラを・・・・・」
「もう、いいよっ!!」