カントー地方制覇編
敗北の印

バチゴォォン!!!!

ポリゴンのギガインパクトとリザードのフレアドライブが双方ぶつかり、大きな衝撃とともに大きな炸裂音がフィールドに響き渡る。

「ポリゴン?!大丈夫か?」

俺はポリゴンを心配するように見る。大きな爆発の末、ポリゴンとリザードは見えなくなる。そして煙が晴れると……
ポリゴンとリザードの姿が……

「リザード!勝つんや!とどめのメガトンキックや!!!」

姿が見えて、、リザードもポリゴンも共に立っている。間髪入れず、リザードに指示を出すタケル…しかし、、、

「リザ、リザードォ…」

リザードは動けず、膝を地面についてしまう。勝負は決したか……と思った時…

「キュ、キュイー……」

ポリゴンにヒビが入り、そのまま倒れる。この激闘、、勝ったのは…俺のポリゴンじゃなく、リザードだった。

「ポリゴン…も、もういい。よくやったよ…」

俺は悲しそうな顔でポリゴンを戻した。勝敗よりもポリゴンが心配であった。

「リザード、ようやったで!ははは!わいの優勝や!」

タケルはリザードを抱きしめに行き、そのまま喜ぶ。

こうして、決勝戦が終了し、閉会式を控え室で待つ…その時、コンコンとドアを叩く音が聞こえた。

「は、はい。」

ドアの音に応え、ドアを開けると、そこにはタケルの姿があった。

「よっ!ユウ!そろそろ閉会式や、一緒に行こうや…」
「そ、そうだね。行こう。」
「なんや、やっぱ悔しいのか?」

少し俯き、彼の話に答えると彼に悔しさが伝わってしまったようだ。

「あぁ、悔しいさ…だがお前が強かったってだけさ。」
「その悔しさ、、、わかるで、わいも昔負けてばかりやった。その度にきさんのように悔しがっとったもんや。やけど、負けた分だけ強くなるもんやで、これからや」
「お前がたくさん負けてきた…そんなことあるのか…?」
「んなもん当たり前や!やけどわいはこんなに強くなったんや!そして、わいとあんなにいい勝負ができたんや…十分強いで…って言っても悔しいもんやろ。」

悲しそうな表情で彼の話を聞く。

「だが、やはり俺は…いい勝負じゃ満足できない。俺は勝ちたい…タケルにもだ。」

ギラギラした目つきでタケルを見た。

「いい目になったやないか…敗北で強くなるってこういうもんやな。わいは、ポケモンリーグまで進む。そこで先に待っとるで」

俺たちは、こうしてポケモンリーグで共に会うことを誓う。そして、クチバポケモン大会はこれにて終了した。

ーーー次の日ーーー

「父さん。旅に出る時のこのお守りどうやって使うんだ?少し、壁に当たって父さんが旅に出るときに辛くなったら使えと言っていたのを思い出してね。」

ディスク型のお守りを旅に出るとき父からもらっていた。だがどんなものなのかと父親に電話をしていた。

「こんな電話をしてくるということは、ユウ、、負けたな?お前」
「あぁ、その通りだよ父さん。負けたんだ」

なんて負けたことを思い出すと苦虫を噛み潰したような表情で電話していた。

「使い方は簡単だ。ポリゴンにそのディスクを持たせて、父さんのパソコンに転送するんだ。そうすれば答えは分かる。」

電話をしながらポリゴンのモンスターボールを出して、ポリゴンに持たせたのち…パソコンに転送。

「ありがとう。準備は終わったからすぐ返すよ。」

父は、そう言って転送されたポリゴンを返した。何が変わったのかとポリゴンをモンスターボールから出してみると、、、ポリゴンの体が光だし、形もみるみる変わっていく。

「キューン!!」

ポリゴンは角ばったあの見た目から変化し、丸いパーツが増え赤色に変色。目もくりっとしたかわいい目つきになり、なんというか角が取れたような見た目になった。

「父さん。ポリゴンの姿が変わったんだけど…」
「それは、ポリゴン2に進化したんだ。ポリゴン2は今までのポリゴンとは桁違いに強い…成長したのさ…しかし、すぐその装置を使っても無駄だったんだ。ポリゴンが様々な経験し、成長しないと持たせて転送してもその姿にはならない。つまり、お前とポリゴンの成長の証だ。」
「ありがとう、父さん。俺、こいつともう一度頑張ってみるよ。」

こうして俺はポリゴン2と共に新たな場所へと進む。次目指すべきはクチバジム!

みゃーす ( 2020/08/21(金) 13:50 )