トキワの森の戦い!VSピジョン!
ニビシティを目指す途中、2番道路の先をゆくと、トキワの森という森にぶつかる。そこにはたくさんのポケモンが存在する…しかし、その分縄張りや群れなども多く、非常に危険なところである。どくばちポケモンのスピアーの巣がある…気をつけなければ…
「やいやい!お前、旅してる奴だろ?」
虫取りカゴを持つ少年、が俺に対して声をかけてきた、どっからどう見ても俺より年齢は低い……
「そ、そうだけど…どうかしたのかい?」
いきなりのタメ語に俺は焦るが聞き返してみる。
「ここ、トキワの森は危険なところがあるって知ってるか?」
「あぁ…知ってるよ。スピアーの巣だろ?」
なんてポケモンスクールでもそんなの学ぶし、冷静に答える。そんな基礎旅に出るやつの基本だろ?と思いながら答える。
「いやぁ、分かってないなにいちゃんは…ここには、スピアーより恐ろしいポケモンがいるのさ…右目に傷があるピジョンに気をつけな、、、奴は獰猛でスピアーですらびびって近づけない存在なのさ…」
「ピジョン?ピジョンってポッポの進化系だろ?そんなことをするポケモンじゃないはずだ…」
「だから、分かってねぇにいちゃんだ…そのピジョンは、昔、トレーナーに良いように使われて…道具のようにいくらでもこき使われ、その後必要なくなったら、ポイっとここに捨てられちまった訳よ…ポッポの時にな…」
そう、虫取り少年の彼の話を冷静に聞いていた…その後詳しく話を聞くと、そのピジョンはポッポの頃にトレーナーに捨てられた…そしてこのトキワの森に捨てられたが…トキワの森では縄張りや群れが沢山ある。捨てられたポッポはどこにも馴染めず、そして目の敵にされ襲われる日々も多かったそうだ……それ故に自ら強くなることを決意し、すごく獰猛なポケモンになってしまったらしい。ポケモンも人も信用せず襲いかかる。そんなポケモンに…実はここ最近、この森ではそのピジョンによる被害が多く。この森が好きなこの虫取り少年は旅に来る人々に毎度このことを伝えているらしい。
「分かったよ。とりあえず気をつけてみるよ」
「そうかい、にいちゃん頭良さそうだし、素直に聞くと思ってたよ」
俺は嘘をついた、俺はそのピジョンに興味を持った…トレーナーに捨てられた、それ故に暴れるポケモン…放っておかなかった…そして虫取り少年よ、予想外にバカなにいちゃんで悪かったと今度あったら伝えておくよ。
その後、ピジョンの被害が多い場所まで、俺は足を運んだ…
「ピジョッ!ピジョー!」
いきなり聞こえた鳴き声と共に今まで、近くを歩いていた虫ポケモン達は、その場を颯爽と離れていく、、、そう、この森の暴れん坊が姿を現す。空中を円状に飛び回り、俺を見ている…
「お前がピジョンか…いい目つきだ…」
そう言うと、ポケットからきのみを取り出した…エサで釣るなんて俺らしくないけどとりあえずは試しだ…
「ピジョッ!」
そのきのみを見て、俺を舐めてるのか?と言うように大きく叫び、まるでジェット機のように急降下し、俺に突っ込んでくる。ポケモンで対抗すればいいだろって?それじゃダメだ…それじゃ、あいつは俺に心を開かない…無理やり捕まえるやり方は正直言って嫌いだ!俺は、俺を狙ってることをわかってたためか、とっさに横に転がり、突っ込んでくるのをかわす。
「危ない危ない…でも…」
襲いかかってくるのをわかっていても、俺はきのみをさし出した…襲いかかってくるだろう怪我もするだろう。もしかしたら旅が続けられなくなるほどの怪我を…だけど、俺のあいつを救う覚悟は、、そんなものを軽く超える。
「襲いかかるならそれでいい…かかってこい!!!」
「ピジョッ!」
こんどはたつまきだ…俺に向かってたつまきを放ってきたこれは危ないか…どうやってかわすべきか…いや、かわさない…ここで逃げてしまうような男ならジムリーダーなんて夢のまた夢だ!逃げない!俺は、、、逃げるのが嫌いだ!俺は真っ直ぐピジョンを見つめ、きのみをさしだすように手を伸ばした…すると…ピジョンはたつまきを飛ばすのをやめたのだ…そして、ゆっくり俺に近づき、手の上のきのみを食べた…ふんっ!しょうがねぇ…ここまで逃げねぇなら従ってやるか…という意思がこのピジョンから伝わってくる……
「なぁ、ピジョン…俺は、ポケモンと通じあえるかどうか…分からないけど、、、せっかくだから聞いてほしい…俺は、お前を捨てたりしないし、大切に使うだろう…だから…俺とこないか?」
実際ポケモンと通じ合えるかなんてよく分からないし、だけど伝わったらいいなぁって、そんな気分で俺は、ピジョンに話した…すると、、、
「ピジョッ…ピッ…」
ピジョンはゆっくりと目を閉じ、いいだろうと言わんばかりに、おでこを差し出してきた。彼なりの仕草なのだろう…
「分かったよ…じゃあ……」
モンスターボールをピジョンのおでこにあてて、モンスターボールの中に入れる。ウィンウィンとモンスターボールは動き最後にガチャっと音を立て、ピジョンを捕まえた…
「ピジョン……ゲット…」
こうして、俺はピジョンを捕まえニビシティへと向かった……ピジョンのことについて、気になったことがあったのでのちに調べてみた……実は、このピジョン…ポケモンと人を信用してなかったが…実は、元々は心は優しい性格だったらしく、、強くなって以降、周りの虫ポケモン達にも餌を分け与えていたらしい…しかしその強さと怖そうな風貌に虫ポケモン達は誤解し、逆に襲いかかってきたらしい…それ故に対応するしかなく…周りのポケモンは近寄らなくなったらしい…そしてトレーナーの被害について…被害にあったトレーナーは、、他のポケモンを傷つけていた者…そして、目の敵と倒そうとしたものなどなどいい印象のあるもの達ではなかった…普通のトレーナーに対しては、鳴き声をあげ、トレーナーの近くまで近寄り、この人間が森に害を与えるものか…ポケモンに害を与えるものなのかと、見定めているだけらしい…それ故に誤解され、また、攻撃される。それ故に返り討ちにしてしまう例も少なくないとか….…ピジョンはさがしていたのだ…俺のように純粋に向き合ってくれる人間を……何故、後から俺が調べたかって?捕まえるまえ、あいつはたつまきをするのをやめたのだ…普通なら別に気にせずうっちまうだろうし、それが当たり前だと俺は思う…だけどやめた…そんないい奴が、、、本当に自分の意思で襲いかかろうとする奴に見えるかい?ただそれだけの一つの疑問だった………