負けた理由
「ニョロモ!戦闘不能!勝者ユウ!」
ナミノ先生の高らかな宣言。なかなか見れない大勝負に歓声が湧き上がる。
「2人ともいい勝負だったぞ!」
「まさか、レナさんに勝つなんて…」
周りの声が聞こえる中、歓声に包まれる中…戦っていた1人の少女は負けを認め項垂れていた…
ーーーあれから1週間ーーー
あれから1週間がすぎ、昼食の時間。このスクールには学食が存在する。よく俺は、カレーを注文する。ここのカレーが美味いのだ。どうやらガラルという別な地方の料理人が作っていて、リザードン級?という証も持っているらしい。まぁとにかく美味いということだ、俺はカイとよく一緒に食べてる。そこに近寄る1人の少女がいた。
「あっ、お前は!僕をバカにレナ!」
カイはいち早く存在に気づき、ガルルルと威嚇してるような表情を見せた。
「ちょ、そんな顔しないでよ。悪かったわよあんたには、そして、一緒に食べていいかしら?」
「いいよ。座りなよ。」
「えー⁈まぁ、ユウがいいならいいけどよ。それに君が謝るなんて何か怖い」
軽く席を一つ用意し、そう話すと、カイは少しビビりながら話した。
「ありがとう。一つ聞きたいことがあったの、それを聞きに来たのよ。」
「なんだい?何かあったのか?」
俺は軽く聞き返すと、彼女はそっと口を開いた
「先週、なぜ負けたか教えてほしいのよ…こう見えて私、実践授業では1回も負けたことないし、地元でも強かったわ。そして、あの最後の攻撃、ニョロモならかわせたもの。」
渋々とそう話す。負けを知らない少女のはじめての敗北と天才故の気づいた疑問。ユウに問いかけた。
「そんなことか。最初のトライアタック…ニョロモは氷の弾を受けていた。少量だったもんでダメージは少なかったみたいだけど、その時、ニョロモの片足は…凍っていたのさ…それに気づいたから、悟られないようにたいあたりの奇襲作戦の後すぐにトライアタックをもう一度放ったんだ。君のニョロモは、遠距離攻撃はかわそうとする。近距離は迎え撃とうとするから、先に遠距離攻撃したら気づかれると思ったんだ。」
そう、作戦をつらつらと俺は述べた。ニョロモが何故かわせなかったか。そして何故負けたかを…
「つまり私は、ニョロモのちょっとした状態異常に気づかなかった。勝ちばかり意識して、ニョロモのことを見てるようで見てなかったからだわ。ありがとう!すっきりした。あんた、いいトレーナーよ。次は負けないわ。」
納得したようですっきりした表情でニコッと笑い話した。彼女は純粋な少女であった。
「あぁ、次だって俺は負けない」
「僕を忘れないでほしいな!僕のニャースが今度は1番だよ!」
返事してると、カイがプンプンと少し怒らりながら次は自分だと話していた。ちょうどカレーを食べ終わったようで…食器を片付けた。彼女はきっと強くなるだろう。自分の思った以上に…その後、カイやレナがユウの人生に大きな壁として立ちはだかるがそれはまた、別の話。