一番の男
「さぁ、これからが本当の勝負だ!!!」
ポケモンスクール卒業大会最終戦…お互いの持ってる手を出し尽くした、両者のポケモン一定の距離を取り互いに様子を見ている。ここからが本当の勝負とレッドは俺に対して言い放つ。全くその通りだ、、、ここからがトレーナーとしての真価が試される時だ。
…………
この静かな空間の中どちらが動くか、、、お互いに相手を倒す手があるのか…相手の間合いに入ってもいい、、、ギリギリの距離までポリゴンを近づかせる。相手のフシギダネは、冷静にポリゴンの姿を見つめてる。ポリゴンがゆっくり、射程範囲ギリギリ外までにきた瞬間、、、パシッ!!ポリゴンの目の前で大きな音が鳴る。フシギダネのつるのむちを高速で、ポリゴンの目の前にうったのだ、ギリギリ射程範囲外のため、、、つるのむちは当たらなかった…いや、当てなくても良かったのだ、、、相手のフシギダネはポリゴンにここからが範囲内だ、、、入ってきたら真っ先にやると伝えたかったのだろう…それだけで十分だった…
「ポリゴン!!たいあたり!!」
このままでもなにも起こらない…ならばと、相手の範囲内に直線的に素早く突っ込んでいく、、、
「それじゃ、フシギダネの餌食だよ?フシギダネ!!!つるのむち!」
「ダネフシャ!」
つるのむちが突っ込んでくるポリゴンに対して、ぶち当たる…だが耐える、耐えて耐えて、突っ込んで行く、、、しかしダメージ故に、あと一歩手前で止まってしまったのだ…いや、だけど、それがいい!そこがベスト!
「逃げたら負ける!攻めろ!!!ポリゴントライアタック!!!」
「キュィーン!!」
攻めることに気づいた、相手のフシギダネの弱点…基本に忠実で、、様子を見て戦う、、そんな少し前の自分じゃ、、、考えつかなかっただろう。自ら突っ込んでみるって考えなかっただろう…それが相手の弱点に繋がるとは思わなかっただろう…フシギダネは何故、レッドは何故つるのむちで、あそこまで近寄らせないようにしていたのか…遠距離の攻撃には確かに対応出来てたし、むしろ、遠距離が得意なポリゴン相手に圧倒していた…そう、だが、近距離…ある程度の距離まではまぁ、つるのむちを使用することで対処もできる…だがすぐに攻撃できる超至近距離…これが相手の弱点、つるのむちの防壁は、相手を近寄らせないため、超至近距離が弱いと悟らせないため、俺は、最初、近距離と中距離に対応できるつるのむちを使用された時、遠距離なら行けると思って下がらせてしまった…だが答えは全くの逆、逃げては行けない!!超至近距離へと飛び込んでいく…それが、突破法!!そしてこの超至近距離から放たれるトライアタックこれはかわせまい!三種のエネルギーの弾が超至近距離で爆発しようとする…その瞬間!!
「フシギダネ!!ねむりごな!」
流石にくらってしまうのは仕方ないとレッドは考えた、それでもフシギダネは耐えぬけると信じているのだろう。考えたのはその後のこと、耐えぬいたあと確実にしとめる…それだけ…トライアタックと同時に、フシギダネのつぼみの部分からねむりごなが飛ばされる。その瞬間トライアタックがぶつかり爆発する…
「フッシー!!」
フシギダネが吹っ飛ぶのと同時に、ポリゴンはねむりごなの影響で倒れ、寝てしまう…しかし、飛ばされても立ち上がる…まだやれるとフシギダネは近づいてくる。
「よくやったぞ!フシギダネ!!そのままとどめをさそう!」
場内全てが、フシギダネの勝利を確信したその瞬間
「ふ、ふしゃ…」
ポリゴンの目の前でフシギダネは力が尽きる。だが、確実にフシギダネはまだギリギリだが体力を残していた…その後相手のレッドはいったい何があったのかをすぐに察知した…
「や、やけど効果か……トライアタックは稀に三種の状態異常にさせてしまう技だ…運まで引き寄せてしまうなんて…俺の負けだ…ここまでされちゃ仕方ないよ。」
悔しいけどさとその後一言ポツリと溢したが、それは俺の耳には聞こえなかった…やけど効果というのは、炎系の技をくらうとまれに発動する効果で…物理系の攻撃の威力を半減させる。そして、少しずつだが一定の時間で少しずつダメージを与える効果を持つ…偶然にもそれが発動してしまったようだ……俺はそこまで考えなかった…あの時出せる策は、超至近距離で攻めるという考えだけだった…トライアタックの状態異常効果については知ってたが…いつもどれかになったらいいなと思うくらいだった…偶然が呼んだ奇跡の勝利、俺は素直に喜べなかった…この大会の優勝は決まったが……自分が一番の男とは思えない…運、奇跡、ポリゴン自体の成長、俺自身の力ではない部分が多すぎたからだ…勝てたはずなのに優勝したはずなのに俺は悔しさが抜けなかった……