#70 awakeniofpotential-潜在能力の覚醒
正直、最初何があったかよくわからなかった。こうなることは予想出来ていた筈なのに、気が付いたら私はケンジと地に伏せていた。
猛烈な爆風と衝撃波。この爆発がこの場所に及ばず危険性を、爆発で撒き散らされる毒の危険性を、この後どうなるのかを、想像する術も無い。止める間もない。私は今、何も出来ない無力な人形。
私が今何を考えているのか、私自身もわからない。今何をして、何をしようとしていたのか、何をしようとしたのか、もう何もわからない。何も知らない。
ただただ頭に流れる言葉が、何かを責めていた。何かを苛み、嘲り、悲しみ、憂いていた。不思議と鮮明に聞こえる言葉が、『本当』かどうかなんて知らないし、知りたくもなかった。けれど、それは私を虜にさせた。
『こうなったのは、誰のせいだ?』
『深く考えなくても分かるはずだ。お前が今、何故こうなったのか、その原因を』
『お前の言葉を聞いていたのなら、お前はこうはならなかった』
『だが私を覚醒させてくれたのにはな、嗚呼、感謝しているよ』
淡々と流れ行き、言葉が何を言っているのか上手く聞き取れない。私はこれからどうなってしまうの。何故私はこうなってしまったの。
嗚呼、誰か答えをくれないか。
『お前はもう、気付いているはずだ』
『あいつのせいだ』 『あいつのせいだ』 『あいつのせいだ』 『あいつのせいだ』 『あいつのせいだ』 『あいつのせいだ』 『あいつのせいだ』『あいつのせいだ』『あいつのせいだ』『あいつのせいだ』 『あいつのせいだ』 『あいつのせいだ』『あいつのせいだ』 『あいつのせいだ』『あいつのせいだ』 『あいつのせいだ』 『あいつのせいだ』 『あいつのせいだ』 『あいつのせいだ』 『あいつのせいだ』
『____“あいつ”の、せいだろう』
理解出来なくても、一つの言葉が駆け巡る。私が何故、こんなことを考えているのかわからない。わからない、わからない。真実を、くレ。
『考えなくてもいい。もう、全部、全部____』
『壊せ』
『壊してくれ』
何故、何故こうなった。何故、何故私は此処にいる。何故、何故、何故、何故、何故、何故、
『もう皆、壊れてしまえばいいのに』
目が、燃えている。