EPILOGUE Re;Lighting.
――旅を続けて、もう何年も経った。
おれも、もう最終進化まで遂げたし、あの頃に比べて格段に強くなったと思う。
旅はとても実りのあるものだった。そして、それはいまでもそう。たくさんのポケモンと触れ合って、戦い、様々な感情があることを知った。
おまえにも、見せてやりたいなぁ。
舗装された道を歩いて行く。この道もひどく久しぶりだ。数年ぶりに帰るトレジャータウンは、一体どんな様子だろう――?
「――あ?」
おれの歩く道の向こう側で、誰かがキョロキョロと立っている。なんだ、ありゃ?
おれは目を凝らして見る。
とても小さい体をしているが、両腕が顔の大きさ近くあり、手には何かを持っている。キラキラと金に輝く、リングだ。
「うぅ、みち、まよちゃった」
そして、間違いなく、そう呟いていた。
その年の年齢にしては、言葉足らずの口調で。
まちがいなく。
ぼんやりと、遠くでその姿が見えた。
「お、おい……」
見失う前に、走り出す。
心臓の鼓動が高まる。
――そうだ、おれは……おまえが……!
だんだんと、近づいてくる。
あちらもおれに気づいてこちらを向く。
そして――。
――君がいてくれるだけで――