第百話 バトル! シングル決勝戦――カイVSリーフ!
――なんと一回戦を突破してしまった僕。最初は優勝なんか無理と怖じ気づいていたものの、いつの間にかどんどん勝ち抜けを決めていき……?
★
『――長らく続いたバトル大会もついにシングルバトルの決勝戦のみとなった。決勝戦出場者は前へ!』
「あ、あれ……? 僕、いつの間にか決勝戦まで来ちゃったの……?」
僕は、大歓声をバックグラウンドにしてフィールドの前に立っている。そう、決勝戦へのフィールドだ。思わずそんなことを呟いた僕だけど、その声はこの状況に対する驚愕と疑いで一杯だったに違いない。
まさか僕自身ですらもここまで行けると思っていなかったのに、こうなることを誰が想像できただろうか。
さすがに決勝戦ともなると、解れきっていた緊張が再び僕の全身を支配してしまうようだ。一回戦が始まったときと同じように手足を同時に出してしまい、人形のような動きでフィールドに立つ。観客の中から笑い声が聞こえた。
一瞬名前を叫ばれたような気がした。気のせい……かな。きっと緊張で幻聴がしたんだ。僕は頭をユルユルと振り、目の前に集中することにする。
「――あなたが、決勝の相手ね」
と、僕から数メートル離れた相手側からそう声をかけられた。黄緑の体に触角、首元には鮮やかなピンク色の花を咲かせている――メガニウムというポケモンだ。その鮮やかな首元の花に、“癒しのオーブ”というアイテムを装備している。彼女(口調からして女性)は草タイプのはずだけど、その瞳に宿った闘士は炎タイプを彷彿とさせる。
「あなたには悪いけど、私は優勝商品のために負けられないからっ!」
「え、あ、はぁ……」
この大会の優勝商品って、みんなが欲しくなるような豪華なものなのかな……?
僕は曖昧に答えるしかなかった。そんな中、真ん中に立った審判のシャナさんは、両者の顔を見合わせる。
『――カイ選手とリーフ選手、準備は良いだろうか?』
「「はいっ!」」
僕とメガニウム――リーフさんが同時に鋭い返答をする。
『それでは、シングルバトル決勝戦――』
一瞬、シャナさんが僕を見て意味深に口角を吊り上げた。
――勝てよ、カイ。
彼の目がそう語っていた。僕は密かに激励をくれるシャナさんを嬉しく思って、小さく頷き返した。出来るだけ頑張ります!
そしてシャナさんは、振り上げたその手を勢いよく降ろした!
『――バトル、開始ッ!』
★
「“葉っぱカッター”!」
「“電光石火”!」
試合開始早々、先手必勝とばかりにリーフさんが技を繰り出した。だけど、僕はそれを予想してなかった訳じゃない。ほぼ同じタイミングで“電光石火”を発動していた。
リーフさんの“葉っぱカッター”は、今までに見た技とは比べ物にならない威力だ。葉っぱの数、その切れ味。バトルに未熟な僕が見てもそれがわかる辺り、このヒトの強さは恐ろしい。当たったら痛そうだ。
軽く数百の葉っぱが僕に迫る。だが相手はまだ小手調べの段階らしく、それをステップでかわしながら、僕はなんとかリーフさんの前に躍り出ることができた。
「“はっけい”!」
手のひらに力を込めた渾身の一撃! ……のはずだったんだけど……。
「ふっ……まだまだ甘いわね!」
効いてないっ!?
ちょ、ちょっと待って!いくらメガニウムがタフだからって、少しも痛がっていないって……! そんなの反則だぁ!!
「“カウンター”!」
「うわぁっ!?」
バシィンッ!
何かに弾かれたように、僕の体に衝撃が走る。
“カウンター”!
物理的な攻撃を、受け止めたあとに倍返しにする技だ。痛い……。
「うっ……!」
「今度はこっちから行くわよっ! ――“メタルブレード”!」
リーフさんは、“葉っぱカッター”を“アイアンテール”のように硬化させた、いわば鉄の葉――“メタルブレード”を両手に持って、迫ってきた!
僕は“はっけい”を打つために相手側に近づきすぎていたから、後退するには時間が足りない!
「くっ……!」
僕は上に跳躍しながら相手と距離を取ることでその技をやり過ごした。だが、僕が地面に着地した後も、リーフさんは余裕な表情を崩さない。前足に持った鉄の葉をさらに僕に振りかざす!
「うわっ」
バランスを崩したが、間一髪避けられた。僕は慌てて立ち上がり体制を建て直す。だが……。
――ドンッ!
「ぐわっ!?」
いきなり後ろから、固く鋭いものに殴られたかのような衝撃を受けた。衝撃に耐えられずにうつ伏せに倒れ込んだ僕に、リーフさんは得意気になって言う。
「戦闘でもゲームも相手より一歩先を読み切った方が勝てるのよ。“メタルブレード”!」
どうやら、あの葉っぱは切りつけるだけでなく投げることもあるようだ。くっ、予想外だった……! 僕が唇を噛んでいるのをよそに、リーフさんはさらに数発の鉄の葉を投げつける。遠距離技を持っていない僕には避ける以外に道が残されていない!
「わっ! あ、あぶない……!」
彼女の猛攻に、僕が防戦一方になっているのは目に見えて明らかだった。
すると、しばらく技を放っていたリーフさんは、怪訝そうな顔をしながら攻撃の手を緩めた。
「あなた、リオルでしょ? 波紋ポケモンなんて言われてるくらいだから波導を使えば簡単に避けれる筈だけど……」
あぁ、なるほど……。
「あいにくっ、僕はそんなに便利なリオルじゃないみたいです……!」
僕は上がった息を整えながらそう答えた。そうだよね……波導が読めればね……。
「そう……。でもだからって手加減はしないから! 全力で行くわよ!」
彼女の止まっていた攻撃の手が再び動いた。やっぱり、相手は僕に隙を与えないのが絶対的に有利だと気づいたらしい。
僕は動き回るしか避ける手段がなかった。跳躍しながら着地をする度に、フィールドの『ギシィ』と軋む音が強く響く。その音にリーフさんは強く眉を潜めた。
「ちょ、ちょっと審判!?」
『どうかしたか?』
リーフの上擦った叫びに、シャナさんは何でもないと言う風に反応する。
「このフィールド、かなりギシギシ鳴ってるけど大丈夫なの!?」
『問題ない。突貫工事だったが、俺の技にも耐えた』
「そういう問題ッ!?」
ギシィ!
「うわぁ、また……!」
再び僕が着地した面が音を立てた。それに対し、リーフさんはその音が苦手なのか嫌そうな顔をした。
「この音……勘弁して! “つるのムチ”!」
「うわっ……と!」
リーフさんがつるのムチを叩きつけてきたものだから、僕は反射的にそれをよけ、両手でムチを掴む。すると……。
「なるほど……綱引きって訳ね!」
「え゛……?」
な、なんか嫌な予感が……!
「それっ!!」
「うわぁっ!」
やっぱりぃいいい!!
リーフさんは僕が持ったままのツルを思いっきり引っ張ってこちらに手繰り寄せたのだ! もちろん、種族柄力でも重量でも彼女に負けている僕は、いとも簡単に宙へ放り出されてしまう。
まずい……! 空中じゃあ技を繰り出されたらよけることができない!
その間にリーフさんは、首元から伸びた鮮やかなピンク色の花に力をためる。花は太陽の光を集めたかのように眩しく輝き始めた。
「これで……フィニッシュ!」
「!」
空中で避けることなどできない僕に、光輝く光線が一直線に僕へと迫った!
「“ソーラービーム”!」
あれを食らったら確実に終わる! 仕方がない……! 一か八か、この技で終わらせる!
僕は腕についた白い突起に力を込める。そして、そこから光輝く剣を纏う。
今の僕の力を信じれば……あの“ソーラービーム”だって打ち砕けるはずだ!
僕は渾身の力を込め、右手の剣を“ソーラービーム”へと飛ばした!
「いっけぇええええッ! ――“ソウルブレード”ッ!!」
僕に迫っていた“ソーラービーム”は、僕が放った白い刃によって真っ二つに両断される。だが、それだけで刃の威力は弱まることなく、そのままリーフさんへ一直線に向かう。
「えッ!?」
まさか、“ソーラービーム”が両断、しかも僕の技が相殺されずにこちらに迫ってくるとは相手方も予想外だったらしい。
だが、そのあとの対応は今までの相手とひとつ違っていた。
「“守る”っ!」
どんなに重く、また鋭い攻撃だろうと完全防御できる絶対の盾――“守る”の技を、この刹那的な時間で彼女は作り上げた。
僕の切り札である“ソウルブレード”も“守る”の前では傷一つつけられない。白い刃はシールドに弾かれ消滅してしまった。
……だけど、それは予想済みだ。僕の本当の攻撃は……!
「っ――!?」
リーフさんは、“守る”を解除した瞬間に驚きで目を見開いた。それもそうだ、先程まで“つるのムチ”に飛ばされてで空中にいた僕が……リーフさんの目の前にいるからだ!
「はぁああああッ!!」
僕は渾身の力で、左手に残っていたもう一発の刃をリーフさんに叩き込んだ!
「きゃあぁああッ!」
先程の“はっけい”でもびくともしなかったリーフさんが、僕の攻撃を受けて大きく飛ばされた。
これにはリーフさん自身だけでなく、バトルを見ていた観客も驚愕でざわめいていた。
「なぜ、あれほどタフなメガニウムがリオルの攻撃に飛ばされた?」
「あんなにダメージを受けるような攻撃だったかしら?」
ざわめきの内容は大体こういったものだった。
『今の攻撃が――』
と、ここで、観客のざわめきが気になったのか、シャナさんが注釈を入れる。
『――リーフ選手に大きなダメージを与えたのは……カイ選手の“嫌な音”で防御が下がっていたためだ』
「“嫌な音”ですって!?」
僕の攻撃から立ち直ったリーフさんが信じられない、といった口調で返した。そして「いつの間にそんな技が出ていたの?」と続けて言う。
『カイ選手の“嫌な音”は、フィールドに着地する瞬間に鳴らされていた。あんたも気が気じゃなかったろう? “ギシギシ”と鳴るフィールドで戦うのは』
「えっ? あれが“嫌な音”……?」
どうやら、シャナさんはしっかりと気づいてくれていたみたいだった。
そう、僕はフィールドを使って“嫌な音”を鳴らし、リーフさんの集中を少しでも“不安”にさせることで防御力を下げていた。
いつ壊れるかわからないフィールドでは、集中してバトルなどできなかっただろう。
“嫌な音”で防御力を下げ、“ソウルブレード”の二発のうちの片方を確実に当てる……これが僕の立てた、リーフさんを倒す作戦だった。
「“戦闘でもゲームも相手より一歩先を読み切った方が勝てるのよ”……あなたは確かさっきそう言っていましたね……」
「!」
このときだけは僕の方が一枚上手だったようで、この作戦は見事成功裡のうちに終わった。……はずだった。
だが、一つだけ誤算があった。
『では、バトルを再開する!』
――さっきの“ソウルブレード”でリーフさんを沈めるはずだったのに、彼女がまだ倒れていないことだ。
「はぁっ……はぁ……!」
「スタミナ切れってところ? なら今度はこっちから!」
そういった瞬間、彼女の全身から強い緑色のオーラが発せられた。これは……ただのオーラじゃない。まずい、彼女から今までと比べ物にならない危険を感じる……!これは……。
「“深緑”……!?」
メガニウムの特性――“深緑”。体力が限界に近く削られると、自らのタイプである草タイプの技の威力が格段に上がる特性だ。
だけど、今目の前で発動した“深緑”は……ただのそれじゃない……!
「ただの“深緑”じゃない。私のはダメージを受ける度に技の威力が上がるの」
「ダメージを受ける度に……!?」
そ、そんなこと聞いたことがない!僕が驚いた顔をしていると、リーフさんは不敵に笑いかけてくる。
「まだちょっと早いけど……決めさせてもらうわ!」
僕がした今までの攻撃は、逆にリーフさんの攻撃力をあげていたということ!?
僕が途方にくれている間に、リーフさんは自身の左手に緑色の球を生成する。あれは……“エナジーボール”!
だが、彼女はこれで終わらせるつもりはなかった。生成した“エナジーボール”に、“リーフストーム”という技に使う木の葉を大量に凝縮させたのだ。普通の球よりも一回りも二回りも大きなそれの中で、木の葉の嵐が渦巻いている。それを見た僕は、本能で身構えていた。
危険だ、この技は普通じゃないっ!避けなきゃ……!
僕が必死にそう考えても、数回のダメージと技を使うために動き回ったのとで体が言うことを聞いてくれない!
「これで決める!――“エナジーストーム”ッ!」
リーフさんは、“エナジーボール”と“リーフストーム”の合わせ技――“エナジーストーム”を僕に放った!
「くっ……! 体が……動かない……!」
これまでか……!
“エナジーストーム”が僕に当たる瞬間、全身を伝う衝撃と共に視界が真っ白に染まった――。
★
観客や審判のシャナ、そしてリーフは、“エナジーストーム”で一瞬視界が遮られていた。先程まで割れんばかりの歓声をあげていた観客も、今は水を打ったように静かに、バトルの様子を見守っていた。
まさか、お祭りのバトルでこんなに高レベルな試合を見られるなど、誰も想像していなかった。
視界が晴れたとき、先程まで立っていた対戦相手であるカイは、ぐったりとフィールドの上にうつぶせていた。シャナは数秒間の間そんなカイを見守っていたが、彼がピクリとも動かないのがわかると、静かに手をリーフの方に挙げ……?
『カイ選手、戦闘ふの――』
「カイーーーーーッ!!」
その瞬間、審判の判定に被さるかのように、フィールド上に甲高い叫び声が轟いた。
『す、スバル……?』
そう、声の主は紛れもなくはぐれていたスバルのものだった。シャナは、マイクが入っていることも忘れてその名を呼ぶ。
「まだだよッ! まだやれるよカイッ! 起きてッ! 戦ってよぉッ!!」
周りの目など気にする様子は微塵もない。スバルは最後の一声とばかりに、深呼吸をして渾身の叫び声を上げた。
「――もっと私にっ……かっこいいところ見せてよーーーッ!!」
★
誰……?
誰かが僕の名を呼んでいる気がする……。
『まだだよッ! まだやれるよカイッ!』
もう無理だよ……もう手も足も、どこも動かないんだ……!
『起きてッ! 戦ってよぉッ!』
この声は……まさか、スバル……?
君なの?
君が僕の姿を見ていてくれるの……?
ピクッ。彼女の叫びで、僕の手に少しだけ力が入った気がした。
まだやれる……? 僕は、今まで弱い自分しか君に見せたことがなかったけど、今なら成長した僕を見てくれるのかな……?
『――もっと私にっ……かっこいいところ見せてよーーーッ!!』
かっこいいところ……!
今の僕って……かっこいい?こんなにボロボロになっても、君はそう言ってくれるの……?
「っ……くっ!」
――なら、もうちょっとだけ……!
僕は腕に力を込めた。渾身の力で肘を曲げ、頭をあげる。
――君にかっこいいところを見せたいな……!
動かなくなったはずの足に力を入れる。ガクガクと震えながらも、僕はやっとのことで立ち上がった。
「僕はっ……僕はまだやれますッ!」
「た……立ち上がった……!」
僕がありったけの力で叫んで立ち上がったのを見たリーフさんは、驚きを通り越して言葉が出ないようだった。やっとのことでそう呟くのが僕の耳にぼんやりと聞こえた。
『――カイ選手が戦闘可能なことを認める。試合続行!』
シャナさんがそう指示したのを皮切りに、静まり返っていた歓声が再び沸き立った。リーフさんを応援する者、僕を応援する者……様々な声が入り交じっている。
「“つるのムチ”!」
「はぁっ……!」
体が思うように動かない。本来なら、こうやって立っていること自体奇跡なはずだ。だけど……。
今の僕には、迫ってくる“つるのムチ”がやけにゆっくりに感じた。どこによければいいのか、わざわざ考えなくとも何故かすぐに答えが導き出される。
僕は“つるのムチ”を掻い潜り、リーフさんの懐に入り込む。
「っ! 早いっ!?」
「“はっけい”」
「ぐっ!?」
リーフさんが“カウンター”をする間もなく僕は技をヒットさせ、後退した。彼女は痛みから呻き声をあげながらも、今度は尻尾を硬化させ横なぶりに打ち付けようとした。“アイアンテール”だ。食らったら僕は一溜まりもないだろう。
だが、今度もまた僕は自然とその技を避けることができた。まるで、その技を以前にも受けたことがあるかのように。
「何が起きてるの!?」
豹変したと言われても仕方がないぐらいの僕の敏捷ぶりにリーフさんが叫んだ。僕にも訳がわからない。考えなくても体が“次はこっち”、“今度はそっち”と勝手に動いてくれる。
僕は、自分の動きに妙な既視感と懐かしさを覚えた。僕自身、こんなバトルは生まれてはじめてのはずなのに。この動きは以前にも……。
まるで、誰かの記憶を借りたみたいに……。
まさか、これは君の記憶なの……?
「……ルアン……?」
「くっ! こうなったら一か八か……!」
はっ!
リーフさんの声で僕は我に返る。
彼女は周囲に小さな岩をいくつも作り出していた。あの技はどこかで見たことがある。
確か……“原子の力”という技だ。いくつかの岩を投げつけ、追加効果ですべての能力が一段階上がる技。
だけど、リーフさんが作り出している“原子の力”は、通常のそれより岩の大きさが小さい。
「――“原始の舞”!!」
そう叫んだ彼女は、その岩を僕に向かって投げつけた。だが、やはりその弾速も威力もそこまで大きくはない。僕はなんなくそれを避けることができた。
「もう一発!」
「!」
再び“原始の舞”が発動された。再び僕は跳躍で避ける。しかし、着地した瞬間……!
「こっちよ!」
「え……!?」
先程まで僕の眼前にいたリーフさんが、僕の背後に回っている! そしてその周囲の岩が、先程よりも一回り大きくなって僕に迫る! いつのまに!?
「“原始の舞”!」
「うわあっ!」
速いッ!
先程とは比べ物にならない速さだ! 避けようとした僕の体に容赦なく岩が当たった。
どうして! どうしてさっきより……!?
「“原始の舞”は、攻撃力を代償にする代わりに全能力を高確率で上げる技なの……まだ未完成だけどね」
「なっ……!」
なら……さっきよりも岩の威力と速度が上がったのは、リーフさんの能力が上がっていたから……!? 僕が下げた防御力も、もう今は上がっているということ!?
「“リーフストーム”!!」
僕は、迫ってくる木の葉の嵐を前に、なす術なく立ち尽くしていた。
――やっぱり……この人は強いなぁ……。
そう思いながら、“リーフストーム”を受けた僕の意識はぷっつりと途切れた――。