第三話 VS! ポイズン&フライ
え〜と。この状況はどうしたらいいのかな…。あ、キャモメが飛んでる。だが今は俺の方が高く飛んでいる。
俺は今、空高くへと飛んでいる。今もさらに上へと上がっている。これって落ちたらヤバいんじゃない?
「あの時何踏んだかなぁ…。でも爆発したって事は爆弾だよなぁ…。だけど爆弾が仕掛けられてるなんて聞いてねぇよ…」
そんな独り言を言っていると遠くから何かが飛んで来た。
「うお、兄ちゃん翼がないのに空を飛べるんだねぇ」
「違う違う。爆弾か何か踏んで此処まで吹き飛んで来たんだよ」
飛んで来たのはペリッパーだ。首から掛けている鞄の中には手紙が何通も入っている。郵便配達員なんだろう。
「おお、兄ちゃん運悪いな」
「ああ、こんなに俺運悪いなんて思っていなかったぜ」
「じゃ、俺は配達の続きがあるから。死ぬなよ〜」
それだけ言い残してペリッパーは去っていった。え?去って行った?え?乗せてくれないの?え?じゃあこれってやばくない?
「ああああああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ……………」
そして、俺の体は地上へと一気に落ちていった…
〜〜〜☆〜〜〜
「何の音だったんだろうな、今の」
「さあ。どうせあいつらじゃねぇのか?」
私たちは未だにその場を動けずにいる。ルミアとラウルもずっとその場を動かずに黙々と相手の様子をうかがっているだけだ。
「ああ、もう、何で爆発音なんてしたのよ!せっかくのチャンスが無くなったじゃないの!」
ずっと何も言わなかったルミアがボソッと呟いた。
「…いつまでも此処にいるわけにもいかないから、もう真っ正面からぶつかるしかないかな…」
「え!?」
驚くラウルだったが大声は上げず、ボソッと声を上げた。
「私はそっちの方が楽しそうでいいわ。じゃあ行くわよ!」
「うん!」
「え、ちょっと待ってよ二人共!」
私たちが岩陰から出ると、二匹がこちらに気付いた。
「け、此処まで来るとはな…」
ドガースが言う。その瞬間、ラウルが何かに気付いたように言う。
「そう言えば何でまだこんな所にいるの?もっと逃げられてると思ってたけど…」
「う、うるせぇ!此処から先の逃げ道が無いんだよ!」
………
「馬鹿ねあんたら」
「馬鹿だね」
「こんな馬鹿いたんだ」
上からルミア、私、ラウルの順。それに二匹はいらだった様子で…
「馬鹿馬鹿うるせぇよ!馬鹿って言う方が馬鹿なんだよ!」
「そうだそうだ!」
多分これは周りから見たらただの子供の喧嘩に見えるだろうな…。
「まあいいわ。とにかくあれを返してもらおうかしら」
「は、やだね!毒ガス!」
「な!?」
ドガースはルミアを無視して攻撃を仕掛けてきた。
「ルミア!まもる!」
私は咄嗟にまもるを繰り出した。目の前に緑色の壁ができる。
「あ、ありがと…!」
「ふふ、これくらいの事…
?」
あれ…?何だろ…何か聞こえてくる…
「…………ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあああああああああああああ!!!!!」
その瞬間、天井に穴が開いた。
「ぐふぅ!!」
「うはっ!!」
「がはっ!!」
ドガースとズバット、そして、もう一匹の痛々しい声が響く。…あれ、この声…何処かで聞いた様な…。
「な、何今の…!」
ルミアが呟く。ラウルは呆然とした様子でずっと前を見ている。
砂埃が晴れた時、そこには一匹のピカチュウが居た
〜〜〜☆〜〜〜
いってぇ…。頭が痛いぜ…。そりゃそうか。頭からいったんだもんな…。でも俺よく頭からいって意識があるよな…。ま、今はそんなのどうでもいいや。
「おい、ラウル。これどういう事だ?」
「ぼ、僕に聞かないでよ!」
俺たちは今、ガブリアスとカイリューの二匹に追い詰められている。俺が天井を壊した音に気付いたのかポイズンとフライを倒した直後に天井から現れた。嫌な予感の正体はこいつか。
「お前達、探検隊か?」
探検隊?何だそれ?名前からするに探検する奴らの事でも言うのか?だったら簡単だぜ。
「こんな見たからにヘタレな奴らが探検隊に見えるか?あ、俺は除くぞ?」
「「五月蝿いな!」」
ルミアとラウルに怒鳴られる。俺本当の事をいっただけだぞ?
「確かに。ただのヘタレ共にしか見えない。ああ、お前は除くぞ?」
「おお、分かってもらえたか。じゃあこれで和解にしようぜ」
「ああ」
俺とガブリアスは握手をする。その時に何故かココア、ラウル、ルミアの三匹の視線を感じたけど…まあいいか
「じゃ、俺たちはこれで」
「おう、気を付けて帰れよ〜」
そして、俺たちは来た道を帰って行った…。