プロローグ
雨と風が吹き荒れる中、三人の者達がいた。その内二人は二匹といった方が合っているが
「ぐあっ…!厳しいな…!」
「も、もう無理だ…!」
「あ、諦めないでよ!」
だが一人はもう諦めかけている。
「!! おい!○○○!!あぶな…」
「は…?」
その瞬間、雷が落ちて、一人の少年に直撃した
「ぐわぁぁぁ!!!」
「くっそぉぉぉ!!」
「きゃぁぁぁ!!」
〜〜〜☆〜〜〜
ここはとあるギルド。そのギルドの前で三匹のポケモンが佇んでいた。そのギルドにはプクリンの顔をモデルにしたテントが張られており、そのテントの目の前には見張り穴といわれる穴があり、そこだけ落ちないように木で作られた格子が張ってある。ちなみに、見張り穴とはその名のとおり見張りをする為の穴だ。
「ラウル。早くいきなさいよ。」
「わ、分かってるよ!心の準備くらいさせてよ、ルミア」
「でも結局いつも失敗してるけど…」
「ココアまで…」
急かすルミアと呼ばれたロコンに、ラウルと呼ばれたリオル。そして、ココアと呼ばれたイーブイの三匹だ。この三匹の会話を聞くと、何度もここを訪れている事が分かる。
「ほら、早く!」
ルミアはさらに急かす。…いや、ラウルがただ遅いだけなんだろう
「う、うん」
ラウルは恐る恐る見張り穴の上に足をおく。その瞬間…
「ポケモン発見!ポケモン発見!」
「誰の足形?誰の足形?」
「足形はリオル!足形はリオル!」
「わわっ!!」
突然見張り穴の下から声がする。何度も来ているとはいえ、さすがに驚いたのかラウルは見張り穴から飛び退く。ルミアとココアは既に慣れたのか大丈夫のようだ。
「…今日は宝物を持ってきたんだけど…」
ラウルは首から下げている袋を握る。
「あんたねぇ…。」
ルミアは呆れた顔をする。ココアは苦笑いをしているだけだ。
「し、仕方ないじゃん!こ、怖いんだから…」
もうルミアはため息しか出ないらしい。ほんとあんたは…とボソッと呟いた
「ま、また頑張ろ?」
ココアがフォローにまわる
「…うん」
「…はぁ。…じゃあいつも通り海岸に寄り道してから帰るとしましょうか」
そして、ラウルとルミア、ココアの三匹はギルドとは正反対の方へと…海岸へと歩いて行った。
三匹が去った後、二匹のポケモンが茂みから出てきた。
「おい、聞いたかフライ」
「ああ、もちろんだぜ」
「さっきの奴らの中にいたあのリオル、何か面白そうな物持っていたよな」
「ありゃきっとお宝だぜ」
「狙うか」
「おう」
そしてその二匹は目を合わせて頷いた後、三匹の後を追うのだった