第一章
村を掛けた勝負の果てに
フローディア(懐かしい海岸の思い出...)

〜回想〜

............ザザァーン...

フローディア「君、どうしたの!?大丈夫!?」

※「.........うぅ......」

その少女はゆっくりと起きた


フローディア「あっ!気がついた!良かった〜!」

フローディア「私はフローディア。よろしくね!...それで、君は?ここら辺じゃ見かけないようだけど.........。名前は何て言うの?」

※「名前?......そう。名前は......」



〜現在〜

フローディア(そう、私が“この子達”と“村の皆さん”を死守しないと...)





EPISODE5ー村を掛けた勝負の果てにー





〜はじめの村・ヘドロ団基地〜



ロコ「“氷の礫”!!」


ーヒュララ!ー


ドック「“不意打ち”!」


ーシュ!ー


ドックがロコの技を避けると、一瞬で間合いを詰め、ロコの腹を思いっきり殴る


ズドッ!!

ロコ「うぐぅ!」

ドック(やっと出番来た!)


ライラン「ロコ!!」


キング「“火炎放射”!!」

ーゴォォォォ!ー


ライラン「うぉ!危ねぇ(焦」

間一髪で躱すが、ライランの背後にクズモが回り込み

クズモ「余所見はいけませんよ?“熱湯”!!」


クズモは熱く煮えたぎる水をライランに向けて放つ!だが!



フローディア(私が彼らの未来を!)


ージュオオォォ!!ー

フローディア「ああぁぁぁぁ!!!」



ライラン・ロコ・村のポケモン達・ヘドロ団
「「「「!!??」」」」


ロコ「お母さん!!」

ライラン「フローディアさん!?」

村のポケモン達「フローディア様!!」

クズモ(先程の私の攻撃で、動けないはずじゃ!?...まさか、身を挺して守った!?)


フローディア「もう......。お願いですから、村の皆さんや、子供達に手を出さないでください!」


ベタノ「ガハハハ!フローディア!!
威勢の良いガキと村の住人を見逃してやれとでも言いたいのか?
それは出来ない話だ、応援を呼ばれたりでもしたら、俺達ヘドロ団は終わりだからな!」


フローディア「そうですか......。もう一度言いますが、村の皆さんと子供達に手を出さないでください。手を出したら痛い目見ますよ?」


ライラン(な、何だ!? フローディアさんの目付きが鋭い!?見ていて威圧される......)



ー!?ー

ライランはある事に気付いた
ロコの母フローディアは、無理をして自分を庇ったばかりに、フローディアの弱点である水タイプの技を受けて、ダメージを負っている事に...


ロコ「お母さん!...どうして」


フローディア「貴方達を見ていて思い出したの。私には昔、共に支え、共に励み、共に戦い、一緒に旅した“友達”がいた。
大切な思い出を思い出させてくれたのは、ライラン君...そしてロコ!貴方達よ!」


キング「お前!まさか!!」



フローディア「私の名前は“トキ・フローディア”!!探検隊“ポケダンズ”の一人!」


ベタノ「ポケダンズって、“あれ”か!?」

クズモ(成程、だから動けるだけの体力が......。しかし、幾ら伝説の探検隊だからと言っても、ダメージは負ってるはず......)

ドック(うぅ......何かやばい?...ベタノ様には悪いけど、逃げちゃおうかな?)

キング「フ、フハハ...笑えねぇ冗談だ......」


村のポケモン達『ヒソヒソ(まさかフローディア様が、“あの”伝説の探検隊だったとは...』

ライラン『ロコ...!』

ライランが小声でロコに問い掛けるが
ロコも初めて知った為か、ライランの呼びかけに気付かない

ロコ(お母さんが伝説の探検隊.........?一体どういう事?)


フローディア「ライラン君!」

ライラン「は、はい!?」

フローディア「ロコと村の皆さんを、安全な場所へ避難させて!」

ロコ「それだと、お母さんが!」

フローディア「私は大丈夫。ロコ、後は頼みましたよ」

村のポケモン達「フローディア様...」


ライラン「......なぁ、フローディアさん...」


フローディア「はい?」

フローディアがライランに振り向く


ライラン「ロコの母さんがどれだけ凄いとか、オレはこの世界へ来たばかりだからよく分からないけど...。そんな傷を負って 四人の相手をする何て無理だ!」


ロコ「!?」

ロコも初めて気付く......
ロコの母、フローディアは
ライランを庇った為、ダメージを背負っている事に


ロコ「そんな...お母さん一人だけ置いて行く何て......出来ない!」


フローディア「ライラン君......。ロコ......。無理なんて言う言葉は、諦めるのと同じ事です。此処で誰かが傷つくのは、私は好きではないです.........。傷つくのは私一人で十分...だから、どうか貴方達と皆さんは遠くへ逃げて!」


ライラン「...約束したはずだ......。オレ達は逃げない!村のポケモンを守り、平和を取り戻すと!」

ロコ「私も逃げない!だから、力を合わせて
村の皆んなの為に戦おう!」


フローディア「ロコ...ライラン君......」


村のポケモン達「私達も守られるだけでなく、村の平和の為に戦う!誰も失わない!...だから、私達も逃げない!」


フローディア「皆さん......そうですね......。私達には此処にはいない、村の家族がいる!私一人が背負っているのではなくて、背負っている物が皆同じですよね......わかりました。共に、村の未来の為に戦いましょう!」


ベタノ「ぐぬぅッ!お、お前ら!やってしまえ!」

クズモ「ハッ!」

キング(仕方ない...ベタノ様の言う事とありゃ...)

ーコソコソ...

ベタノ「お、オイ!ドック!...お前何逃げようとしてんだ!?」


ドック「す、すみません!!」

ドックは一目散に林の茂みへ逃げ去っていった


ライラン「どうやら数は、こっちの方が有利だな?」


ベタノ「く、クソ!やれ!!クズモ!キング!」


キング「“破壊光線”!!」

ビィィィィ!!!


強烈な光線はフローディアに放たれるが、村のポケモンの“守る”で攻撃を防ぐ

フローディア「ありがとうございます!」

村のポケモン「いえいえ、礼には及びませんよ」


クズモがロコの後ろを取る

クズモ「“アクアテール”!」


荒れ狂う荒波の如くクズモの尾がロコに迫るが

ライラン「“アイアンテール”!!」

鋼の如く硬くしたライランの尾が
クズモの尾を食い止める


ロコ「ありがとう!」

ライラン「まだ戦闘中だ!気を抜くな!」

ロコ「うん。わかってる!」



ベタノを村のポケモン達が取り囲む

村のポケモン達「もう逃げられないぞ!」

ベタノ「ガハハハ!...仕方がない...」

村のポケモン達「何だ(何)!?」



ベタノ「スキルP発動!」





〜ドックサイド〜


ドック(はぁ...危ないところだった。危うく捕まるとこだったよ。)


※「ねぇ、キミ?」


ドック「は、はいぃ!?(驚」


※「ワタシ、急速に行かなきゃならない所があるんだけど...。“はじめの村のヘドロ団基地”へは何方(どちら)へ行けば良いの?」


ドック「へっ?あなたまさか入団希望ですか!?や、止めといた方が良いですよ?」


※「う〜ん...。入団希望じゃないんだけど、嫌な予感がして、様子を見に来たのよ」


ドック「?......“ヘドロ団基地”ならこのまま真っ直ぐいった所にある林の茂みを抜けた先にありますよ?」


※「そう?ありがと!(笑顔)」

ドック「え///そ、そんな感謝されることでも...


※「ところでキミ......どっかで見た事があるんだけど......キミ、もしかしてお尋ね者?」

ドック「へ......?.........えぇぇぇぇ!?」





〜アマナサイド・病院内〜



村の医師「人手が足りない!誰か!空いてるものは手伝ってくれ!」


アマナ「は、はい!」

村の医師「君!オボンの実を救急箱から持って来てくれないか?」

アマナ「は、はい!オバンの実ですね?」

村の医師「オバンの実じゃなくてオボンの実!」


アマナ「は、は、は、はい!!」

アマナは救急箱がある場所とは全く別の方向へ走って行く...


村の医師「...........うん(汗) 誰かー!空いてるものはいないかー(焦」






〜フローディア達vsヘドロ団サイド〜


ベタノ「ガハハ!勝手に勝ったと思われては困る!俺のスキルPは“連発”!技を繰り出せば、無限に技が発動する!!
“ダストシュート”!!」


汚染されたゴミを全方向に投げつける


村のポケモンA「まずい!皆んなが危ない!
“守る”!」


ベタノ「いつまでもつか?」


ライラン「対象が一体の技が、連発によって全対象に!?そんなのありかよ(汗」

ロコ「このままじゃ、皆んなやられちゃう!」

村のポケモン達「うぅ、ま、まだまだだぁー!!」

フローディア(まずい、このままでは皆さんや子供達が!)


クズモ「余所見はいけないと言ったはずですよ?」


フローディア(しまった......

ライラン(まずい!)

ライランの体は、動けと言う前に
反射的に動いた

クズモ「“ポイズンテール”!」


ライラン「ガハッ!」


クズモ「フローディアさんを庇いましたか...愚かです」


フローディア「ライラン君!」

ロコ「ライラン!」

村のポケモン達「ライランさん!」





ライラン(.........。............うぅ。......此処は?)

※「.........k...t」

ライランの目に映るのは、見た事もない世界...
その世界は一言で言うならば“絶望”......

※「o...き........t」

ライラン(......オレは...此処を......知っている...!?)

ロコ「起きて!」

ライラン(!?)

ライランの体から何かが光り輝く...


クズモ(何でしょう...?)

キング「今度は何だよ(焦」

ベタノ「何だ?何だ?その光りは?」

フローディア「まさか...!」


ライラン(......何だ?何か、力が漲ってくる......)


ロコ「ライラン?何か凄く光ってるけど、大丈夫なのそれ?(引き気味」

ライラン「あぁ...何だかよく分からないけど、ベタノやクズモを倒せるかもしれない......」

フローディア「それは本当ですか!?」

村のポケモン達「ヘドロ団を倒せるのか(ですか)?」


ライラン「あぁ!何だかよく分からない。だけど、勝てる気がする!」


クズモ「そうですか。勝てる気分で物事を言っても、所詮は戯言に過ぎません。
すみませんが、ベタノ様の手を煩わせたくないので、決着つけさせてもらいますよ?
“保護色”!“ポイズンテール”!」


クズモのタイプが地面タイプに変わり、毒を帯びた尾がライランに襲い掛かる

キング「お、おい!クズモ、待て!」


ロコ「ライラン!」

しかし、ライランはポイズンテールを素手で受け止める

クズモ「!?」

キング「な、素手だと(汗」


ベタノ「チッ。俺の手を煩わせたくないって言っておきながらピンチになってんじゃねぇか!“毒ガス”!!」


村のポケモン達「まずい!フローディア様!ロコ様!ライランさん!毒ガスを吸わないで!」

ライラン(心を落ち着かせ...集中し......一点に絞る...)

ベタノが放った毒ガスが、ライランの体に纏わりつく...


クズモ「ぐ、離してください!」


ライラン「ポイズン・ショット!!」


クズモを掴んでいた手から、クズモの“ポイズンテール”の技の威力+ベタノの“毒ガス”の量が
一気に放出される


クズモ「うわあぁぁ!!!」

クズモは倒れた



キング「く、くそ、ベタノ様!こ奴らは私に任せてお逃げください!」

ベタノ「チッ。仕方がない...絶対に食い止めろよ!」

ベタノはそう言い残して、一人逃れようと走り出す


ーゴゴォォ!ー

キングは地面を踏みならしてボス以外のポケモンを攻撃するが...


ライラン(技が、吸収出来る!?)

キングが放った技は、ライランの謎の能力で無効にされた


村のポケモン達「す、すげぇ〜(凄い)!」

ロコ「ライラン!今のどうやったの!?」

ライラン「ど、どうやったかって、自分も分からないんだ!」

フローディア「気を抜いてはいけません!」

村の皆んな「!!」


キング「仕方がないが、此処から先は、何が何でも通させねぇぞ!“スキルP発動”!!」

村の皆んな「うわぁぁ!何だ(何)!?」

フローディア「ヘドロ団にもう一人スキルPを持つものが...!」


フローディア達の足場から、土が膨れ上がり
村のポケモン達やライラン達を突き上げる
キングのスキルPは“壁”
土や石の形状を変えて、壁にする事が出来る

ライラン「壁......そう言えばさっき“地ならし”の技を吸収したから、もしかすると...!」

ライランは地ならしを吸収した手を伸ばし
土で出来た壁に近づかせる


ライラン「“グラウンド・ショック・ウェーブ”!!」


ズガアアァァァァン!!!

土で出来た壁は、意図も簡単に粉砕された


キング「おいおい!?マジかよ(焦」


ロコ「“氷の礫”!!」

フローディア「“冷凍ビーム”!!」


ーヒュララ!ー

ービュィィィ!ー

キング「ヤベェ...

キングは氷漬けにされて身動きが出来なくなった




〜数分後〜


フローディア「さて...あなたのボスが何処へ逃げたのか教えてもらえるかしら?」


キング「知らねえよい」

ロコ「本当に?」

ジリッとロコが顔を近づける

キング「本当に知らないんだよ!」


フローディア「まさか...!」

フローディアの頭の中に、ベタノが村を襲う光景が浮かび上がる!

ライラン「村のポケモン達を襲いに行ったのか!?」

ロコ「そんな......

村の皆んな「...............」

フローディア「.....................」

キング「フハハ!案外分かってるじゃないか!御明算!ベタノ様は今頃村を襲ってるんじゃねぇかな!!」

フローディア「急ぎましょう皆さん!!」

村の皆んな「はい!」

ライラン「行くぞ!ロコ!」

ロコ「うん!」

※「ねぇ!」


皆んな「???」

※「もしかして、そのベタノって言うポケモンは、この人の事?」

ライラン「!?」

村の皆んな「!?!?」


その黄色い体毛のポケモンは
ベタノとドックを背中に乗っけて
此方に話しかけてきた

ライラン(誰だ......?...何だか底知れない力を感じる......)

フローディア「......ソラ...」

ロコ「お母さん?...どうしたの?」

村の皆んな(まさかあの方は...!?)


フローディアはそのポケモンへ近づく...

※「まさか...トキの村がこんな状態になってるなんて...。遅れてごめんね......」

フローディアはそのポケモンに泣きながら抱き着く!

フローディア「会いたかったよ!ソラ!(泣」









次回「時空の伝説」乞うご期待!

シンラ ( 2021/08/10(火) 03:41 )