第一章
たった一人の家族
この物語は、いずれ来る苦難を乗り越え...

一人のポケモンが、仲間達と絆を深め......

世界を掛けた戦いを巡る11年間の物語.........







EPISODE4 ーたった一人の家族ー







〜草の大陸はじめの村〜




フローディア「“冷凍ビーム”!“火炎放射(かえんほうしゃ)”!」


ベタノの手下達「うわあぁぁ!!」


村のポケモン達「おォォォ!!フローディア様がやったぞ(わ)!」

ベタノは笑みを浮かべながら、フローディアにこう話した


ベタノ「ガハハハ!“フローディア”!
お前のスキルPは、ロコンの進化系である
“炎タイプ”と“氷タイプ”の技が両方使えるようだな!」


フローディア「察しの通りです、私は
炎タイプと氷タイプの二つの技が使えます!」


ベタノ「ガハハハ!だが、お前の“炎タイプ”を変える事は出来ないようだな!」


村のポケモン達「何だ何だ(何、何なの)(焦)」


フローディア「何が言いたいのですか?」


ベタノ「ガハハ!俺の幹部達よ!前へ!」

ベタノの前に、クズモー(レベル35)(毒・水)、ドクロック(レベル38)(毒・格)、ニドキング(レベル37)(毒・地)
が現れた!!


ベタノ「クズモ(クズモー)!やれ!」


クズモ「ハッ!」

クズモーはフローディアの前に立ち向かう...


村のポケモン達「そうはさせるか(させない)!」


村のポケモン達がフローディアを守るように囲む!


フローディア「皆さん!!駄目です!いけない!!!」


キング(ニドキング)「フハハ!こやつらは私にお任せくださいベタノ様!“破壊光線(はかいこうせん)”!」

ビィィィィィ!!!

強烈な光線が、村のポケモン達を襲う!!


村のポケモン達「うわあぁぁ!(きゃあぁぁ!)」


フローディア「皆さん!!」

クズモが背後をとる...


クズモ「余所見(よそみ)はいけませんよ?ごめんなさいねフローディアさん。“アクアテール”
!」

荒れ狂う荒波の如くクズモの尻尾が、フローディアに直撃する!


フローディア「痛い!」

フローディアはその場で倒れる...


クズモ「少しの間ですが、あなた達にはここで気絶しておいてもらいますよ」


ベタノ「ガハハ!良くやった!クズモ!キング!」


クズモ「ありがたきお言葉、感謝致します」

キング「いいってことよい!ベタノ様!」

ドック(ドクロック)(.........俺の出番無し!?)




〜ライラン・アマナサイド〜


アマナ「もう直ぐはじめの村に着くよ!」

ライラン「あぁ!」

アマナ「ライラン!ワタシはさっきの戦いの後に食べたからいいけど、キミにもオレンの実と念の為に特別な種をあげる!」

アマナはそう言いオレンの実と謎の種をライランに渡す

ライラン「オレンの実?特別な種?」

アマナ「オレンの実は体力を回復させる事が出来て、後......その種はよくわかんないや」

ライラン「っておい(汗)大丈夫なのかこの種?」

アマナ「オレンの実はワタシと兄さんで“オレンの森”へ行った時に拾ったもの!
その種は、兄さんから直接もらった物だから
効果はわかんないけど、効き目はあるはずよ♪」

ライラン「そうか...アマナのお兄さんから直接もらった物なら心配なさそうだな!」

アマナ「あっ!見えてきたよ!!」



〜はじめの村入り口〜



ライラン「何だよ“これ”!?」

アマナ「酷(ひど)い......」


ライラン達の目の前には...
そこら中に倒れていて
今も苦しんでるポケモン達や......
枯れ果てた木々...乾いた地面...壊れ掛けた建物が目に映った......


ライラン「お、オイ!あんた!大丈夫か?」

アマナ「だだだ、大丈夫ですか!?」


村のポケモン「う、うぅ...あなた達も“ヘドロ団”の仲間なの...?」

ライラン「違う!」

アマナ「ワタシ達は、この村で悪事を働くお尋ね者 “ベタノ” を倒して、村のポケモン達を助けにきたの!」

村のポケモン達「そぅ...。私達より、フローディア様を!フローディア様を守って...」

バタン...!

そのポケモンはその場で倒れた...

ライラン・アマナ「「!?」」

アマナ「ライラン!ワタシこの人と他の住人を病院につれてくから、ライランはヘドロ団を!」

ライラン「あぁ!!わかった!でもヘドロ団の基地はどこにあるんだ?」

?「それは私が案内する!」

ライラン・アマナ「「??」」


ライラン「だ、誰だ!?」

アマナ「よ、妖精(ようせい)さん?」


ロコ「私はロコ!母フローディアの娘であって、長女!
早く急がないと私のお母さん、村のポケモン達が危ない!」

白いロコンはそう言い、ライランを引っ張って駆け出す!


アマナ(えぇ......(呆然))



〜ライラン・ロコサイド〜


ライラン「うぉぉ!?フローディアがお前の母なのはわかったけど、何で村の住人はフローディア様って呼んでるんだ?」

ロコは少し黙り込んでから、話し出した

ロコ「......私のお母さん、フローディアは元々この村の村長だったの...」

ライラン「村長!?」

ロコ「ある日
いつも通り村の皆んなが楽しく平穏に暮らしていたら...“彼奴ら”がやって来た...」

ライラン「その“彼奴ら”ってのが“ヘドロ団”?」


ロコ「そうよ」

二匹は話しながら林の茂みを迅速(じんそく)に駆ける...


ライラン「その後、何があったんだ?」

ロコ「私のいた村は、瞬く間にヘドロ団に占拠されて、逆らう者達には容赦せず、彼奴らは......彼奴らは.........」

ロコの目から、涙が落ちる...

ロコ「彼奴らは、この村に疫病をもたらし
私達の家族を奪っていった!」

ライラン「疫病だと!?」

ロコ「そうよ、元々この村には今は少ないけど
多くのポケモン達が暮らしていた
そこには私の家族もいた...
私には父、母、長男、私、次女、三女の6人家族だった...
だけど、彼奴らの疫病のせいで......
私の父、長男、三女の命を奪っていった...」

ロコの目からは涙が止まらない...

ライラン「辛い話をさせてしまったな...ごめん...」

ロコ「ううん...いいの......だって、私の家族は戻ってこないんだから.........」

ライランはロコの腕を取り、足を止める!


ライラン「おい!それは違うだろ!亡くなった命は確かに戻ってこない!だけど、ロコ!お前に残ってるのは何だ!!」

ロコ「私に残ってるもの...?それは......」


ライラン「お前に残ってるのは、母、妹、残った住人、そして“お前自身”だろ!!」


ロコ「!」

ロコの“何か”が心から吹っ切れた
内に潜めてた闇が、光で闇を打ち消した
そんな“感覚”を感じた

ロコ「ありがとうライラン!そう、そうよ!
まだ私には“家族が残ってる”じゃない!!」

ライラン「よし、わかったなら急ぐぞ!!」

ロコ「うん!」



〜アマナサイド〜


アマナ「うぅ...やっぱり一人で運んでると何だか心細い......」

背中に村のポケモンを背負い、病院を行ったり来たりしている

背の上のポケモン「ごめんなさいね、私達があなたに迷惑かけちゃって...」

アマナ「いいえ、ワタシこそごめんなさい!
その、一人で運んでると心細いなんか言っちゃって...」

背の上のポケモン「いいのよ、だってあなたは私達の為に一生懸命走ってる!私達はあなたに感謝するわ」

アマナ「そ///そんな//////そんな事言われちゃうと、照れちゃうよぅ...///」

アマナは照れながら病院目掛けて駆けている...


?「おい!そこのお前!」

アマナ「ヒィ!?風が喋った?」

?「風じゃねぇよ(汗)、俺の名はハイド(アーボック)
お前見かけない顔だな、背中に住人を乗せて何してやがる?」


アマナ「あっ、これはそのあれで......」

アマナは全速力で病院目掛けて逃げる!!


ハイド「あ!オイ待てお前!!」

アマナ「いやあぁぁ!!来ないでえぇぇ!!」

ハイド「待てーーー!!」



〜ライラン達サイド・ヘドロ団基地〜


ライラン「ここであってるか?」

ロコ「...............お母さん......皆んな.........!」

ロコは茂みから母の元へ走り出す!


ライラン「あっ!ロコ!待て!!危ないぞ!」


ロコ「皆んな!母さん!大丈夫!?」


村のポケモン達「お逃げくださいロコ様...」

フローディア「逃げなさい......ロコ...」

ロコ「皆んな!母さん!」


ベタノ「ガハハハ!やっと見つけたぞ!フローディアの娘!
そこに隠れてる奴も出てこい!」


ライラン(バレた!?)

ライランも茂みから抜け出し姿を現す


ベタノ「お前見ない顔だな?まさか探検家じゃないよな...?」

ライラン(探検家?...まさか、探検家を恐れている?......)

ライランは嘘をつきこう言った

ライラン「あ、あぁ!オレは探検家だ!!」


ベタノ「くそ!アジトがバレたか!オイ!お前ら、やってしまえ!!」

クズモ「ハッ!」

キング「フハハハ!任せてくださいベタノ様!」

ドック(うぅ...俺の出番無かったらどうしよう......)


ロコ(ク、流石(さすが)にマズイわね...)

ライラン(何か強そうだな...だけど、ここで逃げてたまるか!)


フローディア「ロコ......」


村のポケモン達「ロコ様.........」


ロコ「お母さん!私は逃げない!
彼奴らをやっつけて、村の平和を取り戻す!」

ライラン「あぁ!オレも逃げない!
ヘドロ団を倒して、村のポケモン達を守ってみせる!」


クズモ「そうですか...残念です...」

キング「フハハ!ベタノ様に逆らうってか!」

ドック(ヘドロ団やめたい...うぅ......)


ベタノ「行け!お前達!!」


ライラン・ロコ「うぉぉぉぉ!!!」


クズモ・キング・ドック「やってやる!!」



〜アマナサイド〜

アマナ「いやあぁぁ!!誰か助けてえぇxえspqんzn!!!」

ハイド「ま、待てー、ハァハァ...逃げ足早ぇ...」

アマナ「○△〉*あぁぁァ↑↑↑↑!!」

もはや言葉でなくなってる...

その時!


?「“マッドショット”!!」

ズドドドォン!!


ハイド「グハ!」


アマナ「?」

アマナは何が起きたのかわからず後ろを振り向いた、そこには気絶したハイドが倒れていた


?「村の中で動ける俺たちが、あんたの護衛をする!さぁ!病院へ急ぐぞ!!」


アマナ「怪奇現象かと思ってビックリしたぁ...
ありがとうございます!」

村の住人「さぁ、急げ!!」

アマナ「うん!!」




ヘドロ団との戦闘...
アマナ達の救助......
それぞれがそれぞれに動く中...
謎のポケモンがその様子を少し離れた高台から
見下ろす......

?「ライランとアマナ......キミ達は色々な旅の中でポケモンを知り、世界を知る......
いずれ大きな嵐がやってくる時、僕は君達に試練を下す......」

その謎のポケモンは、風と共に姿を消した...








次回「村を掛けた勝負の果てに」乞うご期待!

シンラ ( 2021/01/05(火) 14:49 )