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静かな森の中。木漏れ日がすっと差し込んでいる。雨上がりなのか、水滴のついた木葉がキラキラ光っている。小鳥のさえずりが僅かに聞こえ、映画のワンシーンの様な風景が広がる。 その中にひとつ、動くものがあった。何やら木をがさがさ揺らしている。少し経ち、今度は木に体当たりする。すると、青い木の実が落ちた。その木の実を急いで頬張る。 白く透き通ったような体、その中に漆黒の黒い顔とその側面の鋭い鎌。アブソルだった。 アブソルはいくつか落ちた木の実を加えると、走り去った。
このアブソルの、ちょっとした運命のお話。
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