第四章
トウ島
セキ島から船に乗って、トウ島に向かっている途中、船の中では作戦会議が行われていた
「そしたらこうなるだろ?ここでぎんがブースターになったら追撃できるだろ?」
「でも、きんはともかく、レンが難しいんじゃない?」
「うーん、難しいな。」
星夜は頭を抱えている
(一旦まとめよう?)
ぎんが出したアイデアに、全員が納得する
「そうだな。えっと、レンの『ひのこ』の後にきんが『かえんほうしゃ』して、そこにブースターになったぎんが『フレアドライブ』する」
星夜が言った後、間髪入れずに未希が続く
「そこで問題なのが、きんとレンの技の威力の違いね。レンはまだバトルの経験が少ないから、きんの技に飲み込まれて、技が消えちゃうのね」
未希が言うと、レンがシュンと落ち込んだ顔をした
「気にすんなよ、レン。これから強くなるんだからな。未希の言うことで落ち込んでたらやってられないぞ?」
星夜は落ち込んだ顔をしているレンを励ました
レンは顔を上げて星夜に何か言った
(星夜はいつも怒られてるもんね、だって。レンの言うとおりだね、少しは気にしたら?)
ぎんの言葉の後、星夜は少し考えた
「…良いんだよ、気にしたら負けなんだ!」
「何それ…。私セイに勝とうと思ってないよ?」
開き直った途端、未希の言葉が飛んできた
レンと、何か話していたきんも会話に加わった
(未希、星夜の言葉こそ気にしちゃダメだよ)
「そうかもね!いいところに気がついたね、きん」
「気づかなくても良いことだよ、それ…」
星夜は今度こそ、言われたことを気にしている
(もう少しでトウ島に着きそうだよ)
スカイが未希達に伝えた
「ホントだ!島が見えてきたね」
「じゃあそろそろ準備しないとね」
未希の言葉の直後、船の横をすごい勢いで、何かが二つ通りすぎた
「なんだ今の…。ポケモン?ぎん、見えた?」
(多分ポケモンかな?青と赤が見えたような気がする)
「通った時、ビューンッ!って聞こえたね」
そして星夜達は下船の準備を始めた


「ふぅ、トウ島についたね」
未希は船から降り、スカイを頭の上に乗せたまま、海を眺めながら言った
「ここにヤツら、いるんだよな」
星夜がボソッと言った
「セイ、いつの間にか☆PEACE☆をやっつけることが当たり前になったんだね」
未希が星夜に返した
島を出てからしばらく、星夜も未希も島の秘密、ポケモン達の為にチーム☆PEACE☆を追いかけていた
しかし、最近二人はチーム☆PEACE☆とは昔から対立していて、島の秘密、ポケモン達を守る為も、もちろんだが、それ以外にも、目的があって追いかけているように思えていた
「…この島にはポケモンセンターもあるし、まずは行こう?」
未希はまだ海を眺めていた星夜に行った
「そうだな」
星夜達がポケモンセンターに向かって歩き始めて直ぐに、近くで大きな音が響いた
星夜達はキョロキョロしながら、音の発信源を探している
「今のは、ポケモン同士の技がぶつかった音よね?」
未希が言うと、頭の上のスカイが、音のした方に向かっていった
「スカイ!どこに行くんだ?」
「とりあえず、着いていかないと」
二人はスカイのいった方に走っていった


少し走り、スカイは森の入り口で止まった
「はぁ…、スカイ、この森に何かあるの?」
未希は息を整え、スカイに聞いた
(ここから、誰かが助けを求めてるんだ)
「助けを?もしかして、☆PEACE☆のヤツら、さっそくお出ましなのか?」
「とりあえず、行かないと…」
未希が言い、二人は森の中に入っていった
するとまた直ぐに大きな音が聞こえた
二人はとっさに耳を塞いだ
その時、二人の間をまた何かが、すごい速さで通った
「なんだ、今の…」
「さっきのポケモンね。今度は図鑑も認識したわ」
未希は三日月博士から貰った図鑑を開き、星夜に見せた
「ラティオス?もしかして…」
星夜が言ったあと、何かが二人の元へ走ってきた
「危ないぞ!そこをどけ!」
そう怒鳴ったのは白い服を着た人達だった
「当たりだな。ヤツらの今度の狙いはラティオスか」
星夜はモンスターボールを手に持った
「船の上では二匹飛んでいったから、きっとラティアスもいるのね」
「未希はラティアスを探して、そっちを頼む。まだ仲間がいるはずだ」
「わかった。こっちはよろしくね」
未希はきんをボールから出し、スカイときんと一緒に森の奥に進んでいった
「チッ、こいつら、この前アジトに来たガキだな」
チーム☆PEACE☆の一人が言った
「覚えていたんですね」
星夜はニコリと笑って返した
そして、ボールからぎんとレンを出した
「あの時、オマエらの所為でオレはずぶ濡れになったんだからな」
星夜は湖に落ちたことを言っているようだ
「そんなの知るか!とりあえずそこをどけ!作戦に失敗したら、どうしてくれんだ!?」
先頭にいる男は、焦っている
この作戦の指揮を取る人なのだろう
「失敗したら、オレらが笑ってやるよ」
(星夜、性格悪すぎ…)
ぎんはそう言いながらも、笑いを必死に堪えている
レンは耐え切れずに笑い始めた
「行くぞ、ぎん!レン!」
その声を合図に、ぎんとレンは、攻撃を始めた


「いた!ラティアス!」
未希は森の中を進んで、ラティアスを見つけることができた
しかし、ラティアスはすでに相当弱っていた
「きん、突っ込んで『オーバーヒート』!スカイはラティアスを『守る』で守って!」
二匹は素早く指示に動いた
完全に不意をつかれたチーム☆PEACE☆は、きんの攻撃一撃で、半分以上の戦力を失った
「くっ!なんだテメエは!」
チーム☆PEACE☆の一人が未希に怒鳴りつけた
「オレ達の邪魔する気か!?」
「アンタ達こそ私達の邪魔しないでよね!!」
未希は怒鳴りつけた男に負けないくらいの迫力で睨み返した
「ラティアス、大丈夫?」
(あなた、もしかして未希ちゃん?)
ラティアスは苦しそうにしながらも、驚きで未希に尋ねた
「そうよ。元気だった?って、元気じゃないよね」
未希はラティアスの手当てを始めた
「スカイ、あなたもきんと一緒に戦ってほしいの」
スカイは頷くと、きんの方へ飛んでいった
「えっと…」
未希はバッグの中で何かを探している
「あった!」
未希はバッグの中から、『かいふくのくすり』を取り出し、ラティアスに使った
「おいガキ!せっかくオレらが削った体力を無駄にする気か!おいっ!オマエはあのガキを狙え!」
怒鳴った男は近くにいた仲間にそう言った
どうやらここの指揮を取るのはこの男らしい
「は、はい!」
指示された男はビビりながらも、手持ちのマニューラに、『こおりのつぶて』を繰り出させた
(未希ちゃん!後ろ!)
ラティアスが技に気づいた


星夜達の方は、既に三分の二程、チーム☆PEACE☆の大群を倒していた
「レン、『ひのこ』!ぎんは突っ込め!」
レンの『ひのこ』で、ブースターになったぎんが突っ込む為の道を開ける
ぎんは敵陣の中心に割り込んだ
「『ふんえん』!」
ぎんを中心に、大きな爆発が起こった
まだ煙も消えていないが、星夜は次の行動に移った
「ぎん、行くぞ!レン、『えんまく』頼んだ」
レンのえんまくで、相手の視界を奪ってから、星夜達は森の奥に進んでいった


(未希ちゃん!後ろ!)
ラティアスの声に気づいて、未希は後ろを見ようと振り返る
(未希!危ない!)
こおりのつぶては、まっすぐ未希の方に飛んで来ていた
(未希!伏せて!)
スカイが大きな声をあげ、未希は急いで伏せた
(ラティアス!未希!)
未希が伏せた直後、未希達の前に、何かが現れた
未希が顔を上げると、前にいたのはラティオスだった
(ラティオス!)
(ラティアス、遅くなってごめんな。奴らに追われたままだったんだ。偶然星夜達がいたから、押し付けたんだけどね)
ラティオスは意外な事実を暴露した
本人の目の前で
「私達の近くを通ったのはわざとだったのね!」
案の定、未希は怒ってラティオスに言った
(今ので貸し借りなしな)
「ラティオスもなんでそんな星夜みたいなの…」
未希は呆れて怒る気も失せてしまった
「ラティオス!ラティアス!未希!大丈夫か?」
そこに星夜もやってきた
隣にレンがいて、星夜の後ろには、チーム☆PEACE☆がたくさん倒れている
「ラティアスとラティオスだけならともかく…、ガキが二人も増えやがって…」
チーム☆PEACE☆の男は悔しそうに顔をゆがませている
星夜のレンが倒した団員を見てビビっているようだ
「どうしますか?」
「仕方ない。こいつらならリーダーも許してくれるだろう…」
コソコソ話した後、急にこっちを向いて言った
「おいガキ共!今日はリーダーに免じて見逃してやる!だが!次に俺達の前にその姿を見せてみろ!ただじゃおかねーぞ!」
そう言って、ユンゲラーをボールから出した
「『テレポート』だ!」
男が叫んだ
すると、チーム☆PEACE☆の団員全員が、その場から消えた
「すごい力ね、あのユンゲラー」
未希がいった
「とりあえず、森から出るか。レン、すごかったぞ」
星夜はレンをボールに戻した。
「きん、スカイも、良く頑張ったね。本当にありがとう」
未希も、きんとスカイをボールに戻した
「ラティアス達も、一緒に行こ?」
二人と二匹は森の出口に向かって、歩き始めた

■筆者メッセージ
ふぅ、待って下さった方、ありがとうございました!
月の終わりに更新することにしました
余裕が出来たら、また週一に戻そうと思います
読んでいただき、ありがとうございました
スカイブルー ( 2015/01/31(土) 18:53 )