約百の島
細氷の山を降りた星夜達は、船旅を開始するために、再びアクアポートに来ていた
「どうするの?細氷列島は、島が沢山あるんだよ?」
「だよな。百だっけ?取り敢えず、暖かい島を探そう」
「えっと、それじゃあ」
星夜達は、地図を広げて眺めていた
「ここから北は、寒いよね」
「この辺りなら、暖かいんじゃないか?」
「そうね」
結局、星夜達が行くと決めた島は、8島になった
「8しか無いんだね、暖かい島って」
「サイヒョウ列島のほとんどは、寒いからな」
「そうね…」
「なんでそんなに乗り気じゃないんだよ…、行くってついて来るって行ったのはお前だろ?それに、これから行くのは、暖かい島だぜ?」
「だって、旅費が…」
未希は、旅が嫌なのではなく、旅にかかる費用を気にしているようだ
「…金の事を気にしてたら、旅できないぞ?」
「一旦レジェド島に戻って、旅費を確保してこない?」
「お、それも良いな」
旅費を確保するために、星夜達は、一旦レジェド島に戻ることになった
「ぎん、頼んだぞ」
レジェド島に行く船はないため、戻るには『テレポート』しかない
空から行っても、島の結界みたいな物のせいで、島に入れないのだ
入れるのは、島に行ったことのあるエスパーポケモンの『テレポート』だけなのだ
(よーし、行くよ?)
ぎんの『テレポート』で、星夜達はレジェド島に戻った
「うわー、やっぱりここは変わらないなー」
「それがこの島の良いところよ」
「旅費を確保って、どうするんだ?」
「さあ?それより、取り敢えず、おじいちゃんに現状報告とこれからの事も報告しない?」
「そうだな。ぎん、レンに島の案内とか、してあげたらどうだ?」
(そうね。じゃあ、行ってこよーっと。)
星夜はレンをボールから出した
「私も!」
そう言って、未希もスカイときんをボールから出した
「じゃ、オレ達は長のところ行ってるな」
「久しぶりに、ゆっくり遊んでおいで」
ポケモン達は嬉しそうに走っていった
「楽しそうだな」
「やっぱりここが一番よね」
二人も長の家に向かって歩き出した
「おじいちゃん、ただいまー」
「こんにちは」
二人は長に挨拶をした
「おお、二人とも、久しぶりじゃな。様子は陽明から聞いておるぞ」
「え?陽明さん?」
「陽明さんって、私達が会った人?」
陽明は、星夜達がアクアポートで出会った、ボーマンダの『マンダ』とサーナイトの『リーン』を連れたトレーナーだ
「そうじゃよ。陽明もこの島の出身なんじゃよ。知らなかったか?」
「初耳ですよ!」
「私も!陽明さん、そんなこと全く言ってなかったし」
「陽明も、お前達と同じくらいの時、旅を始めてのう、そのまま四天王とやらになって、なかなか帰ってこないんじゃよ」
「四天王!だからあんなに強かったのね。ポケモン達も幸せそうな顔してたし!」
三人はしばらく話をしていた
「ほう、暖かい島か…。島の選択はあっていると思うぞ」
「8島回らないとダメですかね」
「流石に本拠地までは検討がつかぬな。そういえば、聖(ひじり)の働いてるところが、確か、この島だったな」
「父さんの働いてる島?」
聖は、星夜のお父さんで、島を出て働いてるのだ
「そうじゃよ。会いにいったらびっくりするだろうな」
「良かったじゃない、セイ。一つ楽しみが出来たわね」
「ああ!」
「さて、こんなに島を回るとなると、出費が多いだろう?ワシから、これをやろう。」
長は、星夜達に、紙を渡した
「これは?」
「船のチケットじゃよ。これがあれば、サイヒョウ列島の好きな島にいつでも行けるんじゃ」
「ホント!?やった!ありがとう、おじいちゃん!」
「ありがとうございます!」
「それじゃ、旅費が心配な未希に、旅費をやろうかの」
「ふふっ…バレてた?」
「もちろんじゃよ。ほれ」
未希は、旅費を受け取った
「ありがとうね、おじいちゃん」
「うむ…。必ず、奴らを倒すんじゃよ?」
「「はい!」」