アクアポート
星夜達は、島を出るため、島の長の所へ向かった
島は、秘密と山のポケモン達を守るため、船が出港、着港できる場所がない
だから、長の力で本島までワープさせてもらう
「準備は良いな?」
二人と二匹はうなづいた
「では、いくぞ、チーム☆PEACE☆を全滅させてこい、そして、島の秘密を守るのだ」
「「はい!!」」
「帰ってきたくなったら、ぎんや、他のエスパーポケモンに頼みなさい」
二人と二匹の体が、輝き始めた
そして、一瞬にして消えた
二人は眩しさに目を開けた
「うわ…」
星夜が驚きの声をあげた
「ここが本島のアクアポート?」
未希は周りを見回した
周りには白を基調とした家や店が、たくさん並んでいた
そして、その先に大きな船と、太陽の光を反射させ、輝いている、青い海
「きれい」
「行ってみようぜっ!」
二人は海へ走って行った
二人は、大きな船と、青い海に夢中になっている
だから気づかなかった
ぎんときんが、ボールに入ってないことに
そして、白いやつらに見られていることに
「おい、あのイーブイとロコン、見ろよ」
白い服を着て、灰色と黒の毛をもつポケモンを連れているやつが喋った
「ああ、あいつら、あの島のガキどもだな」
白い服は変わらない
仲間だろうと思える、やつが言った
下駄を履いたポケモンを連れている
「こっちに何の用かしらね」
こっちも、白い服を着ている
頭の上には、小さな丸っこいネズミを乗せている
「そんなの、オレ達を追いかけてきたんだろ」
下駄を履いたポケモンを連れたやつがまた喋った
「うわー!きれい!」
「この船、でかいぞ!」
二人が興奮していると、後ろで何かの爆発音が聞こえた
「この音!」
灰色と黒の毛をもつポケモンを連れたやつが言った
「撤収ね、行きましょ」
「なんだ!?今の音!」
「わからないけど、早く逃げた方が…」
今度は星夜達のすぐ近くで爆発音がした
ドン!!
「くっ」
「きゃっ」
「ぎん、きん、大丈夫か!?」
「君達、早くここを離れろ!」
「えっ?誰?」
星夜達の前にはいつの間にか青と赤のポケモンを連れたトレーナーがいた
ドン!!
「ぎん!『まもる』!」
星夜の指示で、ぎんは水色のバリアを張った
星夜達は『まもる』のおかげで爆発に巻き込まれなかった
「マンダ、戻ってくれ」
青と赤のポケモンを連れたトレーナーは、『マンダ』をボールに戻した
そして、また別のポケモンを出した
「出てこい、『リーン』」
出したのは、白いドレスを着たようなポケモンだった
「リーン、『テレポート』で安全な所まで頼むぞ」
トレーナーが言い終わると、星夜達は爆発音がした所から遠ざかった所にある、ポケモンセンターの前にいた
「リーン、ありがとう、戻ってくれ」
トレーナーは『リーン』をボールに戻した
「君達、大丈夫だった?」
「はい、ありがとうございます」
星夜がお礼を言った
「君のイーブイの『まもる』、なかなか強力だな。オレは陽明、よろしく」
「ようめい…さん?」
未希が言った
「うん、太陽の陽に明るいだよ。明るいっていうか、暑い名前だよねww」
(自分の名前を自分で笑う人、初めて見た)
星夜は思った
「君達、名前は?」
陽明が聞いてきた
「あ、すみません、自己紹介もしないで…」
「オレは星夜です!」
「私は未希っていいます」
二人は自己紹介をした
「星夜君と未希ちゃんだね、いい名前だな、よろしく。ところで、ポケモン達をしまわなくて良いの?」
陽明に言われて、星夜達は初めて、ぎんときんをボールに戻してないことに気がついた
「やべ…」
「あ…」
ぎん達は、一般には色違いと言われて、珍しいポケモン達だ
特にぎんは、イーブイという種類だから、種族数も少ない
もっと言えば、イーブイのメスは、全体の12.5%しかいないらしい(公式)
きんも、色違いで、全体の25%しかいない、オスだ
二人は慌てて二匹をボールに戻した
「星夜君達は、サイヒョウ列島出身?」
「はい」
星夜が答えた
「でも、本島に来たのは初めてなんです」
今度は未希が答えた
「そっか、本島には、観光に来たの?」
「…まぁ、そんな感じです」
星夜はすぐには答えられなかったが、本当のことは言えないので、そう答えた
「なら、良い所があるよ」
陽明は嬉しそうに話した
「ここからは少し離れてるけど、『ブルーレイクタウン』っていう所があるんだ」
「青い湖…ですか?」
未希が聞いた
「そう、よくわかったね。湖の近くにある町で、すごく神秘的な所だよ。時間があったら、行ってみてほしいな」
「わかりました、どうせだから、色んな所に行った方が良いよな」
「そうだよ、せっかくなんだから!」
陽明はやっぱり嬉しそうだ
「じゃあ、オレは行かないといけない所があるから、失礼するね」
「ありがとうございました、陽明さん」
未希が言うと、陽明は『マンダ』をボールから出して、空に飛んで行った
「陽明さん、チーム☆PEACE☆のやつらの仲間じゃないよな」
「疑うの?」
「オマエは疑わないのか?」
「ええ、だって、マンダもリーンも、チーム☆PEACE☆の人達のポケモンと違ったもの」
未希は、ポケモンの様子などを見るのが得意だ
ポケモンを見るだけで、だいたいどんな人か、わかるらしい
「陽明さんは、ポケモンのことを、☆PEACE☆の人達みたいに、商品とか、道具とかに思ってないみたい。逆に、パートナーとか、友達とか、そういう風に思ってるわよ。私達と同じね」
「あの子達、懐かしいな」
陽明はつぶやいた
「『ライツ』、寄り道するか?」
陽明が持つボールが揺れた