起きた?(この世界とメロエッタの事)
「ん…うーん…」
彼は珈琲の香りで目が覚めた。外は夜明前で薄暗かった。
「起きた?」
歌うような女性の声が聞こえた、目の前には髪の長い若い女が彼を心配そうに見ていた。
「うん…」
彼は起き上がった。そして彼はその女を不思議そうに見た。
(この人、さっきまでいなかったのに…)
「席、空いてますよ♪」
「どうも…」
彼は、席に座った。
「これは、初来店のサービスです。いい豆を使っていますよ♪」
「ありがとうございます…ところで…」
「はい?」
「さっき、ポケモンが働いているのをみたんですけど…?」
「あぁ…あの子ね。」
女は近くにいるペラップを見た。そして…彼女は驚くことを言った。
「あのポケモン、私よ♪」「!?!?!?!?」
彼は、余りの驚きに飲んでいる珈琲を出してしまうところだった!!
ごほごほ「ポ…ポケモンが、に…に…人間に!?えっ!?なんなんだ一体!?」
「おい!!バカエッタァーこれでは意味がないでしょうがあぁ!!!!」(某執事風)
「あっ、ごめんなさい♪」「???」
みずから、メロエッタだと名乗った女性はペラップに怒鳴られていた。青年は、その様子をまるでニャスパーのような表情で見ていた。そして、ペラップはいいたい事を言って出て行ってしまった。
「怒りっぽいなぁもう。そういえば貴方はどこからきたの?人間?ポケモン?」彼女は青年を見た。
「いや…、僕をどう見たらピカチュウやイーブイに見えるわけよ?もしかして、君みたいに擬人化出来るポケモンだと思っているわけ…?」
「やっぱり、人間か…しかも別世界の。」
「やっぱりって、僕以外にも迷ってここにくる人がいるとか…」
「まあね、あなたみたいに迷ってここにくる人間やポケモンなんかがくるけど、毎日、ここに通ってくる人もいるわ。あなたも通っているうちに好きになるかもね♪」
「はぁ…」
「あと、ここをまっすぐ行くと金のリングがあるのよ、そこに行くと元の世界に戻れるから。」
「ありがとう、あと…また来ます。」
「また来ます…て、あなたここどうやって来たかわかるの?通っているうちに好きになるかもと言ったのは私の方だけど…。」
「まぁ、こうした場合また僕の世界で似たようなことをすればいいかなって…」「ふーん。」
そうして青年は懐かしい香りのする喫茶店をあとにした…。