番外編
シオン、旅立つ。
(シオン目線)

シャイトと一緒に食堂に行って、食べ終わった時、「そういえば、裁縫道具は?」ってシャイトに言われたから、思い出して早速家に向かった。
月の光がトレジャータウンに降り注いでいて幻想的だった。
……そういえば、私。何になりたいか決めてなかった。
ブラッキーとかいいかなって思ってるけど、リーフィアとかシャワーズとかも捨て難いんだよね。
そうこうしているうちに、家に着いた。見た目は普通のログハウス。ドアを開けて入った。

「ただいまー。」
「お帰りなさい。初めてのお尋ね者はどうだったかしら?」

私に答えてくれたのは、エーフィの私のお母さん。
今朝、トレジャータウンの皆から聞いた話によれば、お母さんの情報収集力はペラップの次に高いらしい。だから、私が悪戯したら嘘ついてもバレバレで、ねんりきで逆さ吊りの刑にされる。ちょっと怖いけど、優しさの方が強くて頼れるお母さん。
私は出来るだけ小さな声で、

「お金、300ポケしか貰えなかった……。」

と呟くと、お母さんはニコッと笑顔を見せた。

「300ポケって充分よ。だって、シオンの大好きなお菓子がたくさん買えるじゃない。……ところで、何か用があって来たんでしょう?」
「あ、そうだった。裁縫道具取りにきたの!」

私は自分の部屋に行き、裁縫道具を探した。ガラクタのようにたくさん積まれた物置から、古ぼけた裁縫道具を見つけて開くと、埃が舞って咳き込んだ。

「ケホッケホッ!よかった。まだ使えるみたい。」

裁縫道具を頑張って背中に乗せて、家を出ようとした時、

「もう行っちゃうのかしら?」

と、お母さんの声が聞こえた。私は何も言わずに頷く。

「……そう。」

お母さんの声は、どことなく悲しそうだった。私は元気づけようと振り向いて声を張った。

「心配しなくても大丈夫だよ!私は一人じゃないから。シャイトっていうパートナーがいるんだ!それと……お母さんとお父さんの分も頑張って立派な探検隊になるから!応援してね。」

……実は、私のお父さんは未だに行方不明で家に居ない。でも私は信じてる。お父さんはきっとどこかで生きてるって。

「……シオンの言葉、信じるわ。気をつけて行ってらっしゃい!」

お母さんは私の背中を押した。私は「行ってきます!」と言って、外に出る。

「お父さん……、シオンが前よりも一段と頼もしくなりましたよ。貴方に似てきたわ……。」

そして、シオンの母は写真の前で静かに笑った。

■筆者メッセージ
シオンのお父さんは、救助隊の友達エリアで平和に過ごしている予定。
メグレス ( 2015/05/02(土) 01:38 )