シャイト、的中する。
「前、ドガースとズバットと戦った時、偶然持ってた不思議玉をサポートとして使おうとしたら使えなかったんだ。だから、スリープが居る所もきっと。って思って。」
「……試しにやってもいい?」
「やる時間があったらね。じゃあ、これくらいにして、階段上がろうか。」
「うん。あ、もうすぐ頂上って感じがする。」
二匹は階段を上がった。シオンが言ったとおり、頂上に着いた。
*
―5分前のトゲトゲ山 頂上にて。
ルリリは行き止まりだと気付くとキョロキョロ見回した。
「ねぇ、スリープさん。落とし物は、どこにあるの?」
「ゴメンな。落とし物は……、ここには無いんだよ。」
スリープは、真顔で答えた。ルリリは、不安そうな顔をして、こう聞いた。
「じゃあ、お兄ちゃんは?お兄ちゃんは、後からすぐ来るんでしょ?」
「実はオマエのことを騙してたのさ。」
「ええっ!?」
まさかのスリープの発言に、ルリリは驚きを隠せなかった。
「それより、ちょっと頼みがあるんだ。オマエの後ろに小さな穴があるだろ?あの穴の奥には、ある盗賊団が財宝を隠したんじゃないかというウワサがあるんだ。」
ルリリは、小さな穴を見た。スリープは続けて話した。
「ただ、オレの体じゃ、大きすぎて穴の中には入れねえ。だから、小さなオマエを、ここに連れてきたというワケさ。大丈夫。言うことさえ聞いてくれれば、ちゃんと帰してやるからよ。」
「でも……。」
ルリリは無自覚な上目遣いでスリープを見た。ルリリ好きならイチコロである。スリープは、その上目遣いを無視するように怒鳴った。
「さぁ、行くんだ。穴の中に入って、財宝を取ってこい!」
「お……、お兄ちゃーん!!」
「こっ……、こら待て!」
ルリリは泣きながらピョンピョン跳ねて、逃げようとした。だが、その速さではスリープに追いつかれてしまった。
「まったく!ちゃんと帰してやるって言ってるだろっ!言うことを聞かないと……、痛いめに合わせるぞっ!」
「た……、助けてっ!!」
もうスリープは色んな意味で犯罪である。その時、やっとシオン達が頂上に着いたのだ。