シャイト、また眩む。
二匹がギルドに向かう途中、
「あっ!あれは?」
シオンの目の先には、マリルとルリリ、それとスリープがいた。
「わーい!」
ルリリが嬉しそうにピョンピョン跳ねている。
「ありがとうございます!」
「いやいや。おやすいごようですよ。」
スリープはグッジョブのハンドサインをした。
「どうしたの?」
シオンは話に割り込んだが、シャイトはマイペースに歩いてきた。マリル達はシオンの方を向いた。
「あっ!さっきの!」
「ボク達、前に大切な物を落としちゃって……。それで、ずっと探してたんですが、なかなか見つからなくて……。でも……、でも!そしたら、このスリープさんが、その落とし物なら、どこかで見たことがあるかもしれないって!」
マリルとルリリは目をキラキラさせて言い、
マリル「それで、一緒に探してくれるって言うんです。ボク達、もう嬉しくって!」
ピョンピョンと飛び跳ねた。
「そっかぁ!それは良かったね!」
「ありがとう!スリープさん!」
「いやいや。キミ達みたいな幼い子が、困ってるのを見たらほっとけないですよ。」
スリープは笑顔で言った。気持ち悪いとかは言わない約束。
「早く探しにいきましょう!」
「うん!」とマリルとルリリは頷くと、スリープについて行った。途中、スリープは、シャイトにぶつかった。
「ぐはぁっ!」
シャイトは大袈裟な声を出した。
「おっと。これは失礼。」
スリープは、そう言うとマリル達と共に去っていった。
「(うっ……。こ、これは……。もしかして……念力……!?)」
シャイトは、また視界が眩み、右手で頭を押さえた。中二病?いいえ。
「スリープって親切なポケモンだよね。感心しちゃうなぁ……。世の中、悪いポケモンが増えてるっていうのに……、なかなか出来ないよね。」
シオンは、「うんうん。」と頷いた。シャイトは、少しフラフラし始めた。
「(念力じゃ……ない……!ま……まただ…………また……あのめまいだ……!)
また視界が暗くなった。しかし、違うのは今度は声と映像が流れたのだ。映像は、暗褐色をしていた。
『言うことを聞かないと……、痛い目にあわせるぞっ!』
『た……、助けてっ!!』
そこで終わると、視界が戻った。シャイトは、目を見開き、冷や汗をかいた。
「(い……いまのはっ!?)」