Chapter3
シャイト、眩む。
(シャイト目線)

転がったリンゴを渡したら、めまいがした。

「(な……何?今のは?…………め、めまい?かな?……。)」

そんなことを思っていると、急に視界が暗くなって声が聞こえた。


"た……、助けてっ!!"


そこで途切れると、視界が戻っていった。僕は、ハッとした。

「(な……なんだ?……。い、今……確かに助けを求める声が……。)」

そして、驚きながらルリリを見た。

「(い、今のは……、キミが言ったの?……。)」

驚きのあまり、声が出なかった。ルリリは首を傾げた。

「……?どうかしたんですか?」
「う、ううん!何でもないよ。」

やっと声が出せたが、嘘をついてしまった。申し訳ない。

「おーい ルリリ!どうしたんだ。早く来いよー!」
「うん。今、行くよ!お兄ちゃん!」
「大丈夫か?」
「うん!」
「買い物も終わったし……、あとは落とし物を探すだけだ。早く行こう。」
「うん!お兄ちゃん!」

マリル達は、また去っていった。シオンは、うっとりとした顔で見送った。

「ふふ。可愛いね。あの二匹……。」

僕は、シオンを呼んだ。

「ん?シャイト、どうしたの?」

そして、さっき起こった出来事を話した。

「えっ?さっき、助けてっていう声が聞こえなかったかって?いや。私、何も聞こえなかったよ?」

シオンは、カクレオン達にも聞いてくれた。

「カクレオン達も聞こえなかったみたい。多分、気のせいだよ。シャイト。」

シオンは僕に苦笑いをした。僕は思った。

「(いや。あれは気のせいじゃない。確かに聞こえたんだ……。あの時の声……。)」


『"た……、助けてっ!!"』


僕は、あの時聞いた声を思い出した。

「(あの声は……、間違いない。あれは……ルリリの声だ!)」

僕は確信した。シオンは不安そうに僕を見ていた。

「何、ボーっとしてるの?早く行こう!シャイト!」

メグレス ( 2015/03/08(日) 14:30 )