二匹、朝を迎える。
―翌日。
「おいっ!!ぅおおおいぃっっっっっ!!ぅ起きるぉー!!朝だずぉぉぉぉぉぉ!!」
朝っぱらから、ドゴームによる馬鹿でかい叫び声をまともに食らうシャイトとシオン。ご愁傷様です。
「あばばばば!鼓膜が破ける!!」
シャイトは耳を塞ぎ跳ね起きた。シオンは負けず劣らずの叫び声を上げた。
「ぅぎにゃぁぁぁぁ!耳がぁっ!ミミガー!」
「よう、お前ら!俺はドゴーム!弟子の一匹だ!」
「あ、昨日のポケモンだ!」
「私の叫び声スルーですか。」
シオンは呟いた。まだまだドゴームは叫ぶ。
「急げ!集合に遅れるととんでもないことになるぞ!親方様の逆鱗に触れた日には……。」
「まさか……、たあーっ!?」
「ただ光るだけでしょ?」
「そんなことより!早く支度しろ!とばっちりを食らうのはゴメンだからな!」
と叫ぶだけ叫ぶと、どこかに行ってしまった。
「あ、そうだ。今日からギルド修行だ。」
「もしかして……寝坊?」
「冷静に答えないで、早く行くよ!シャイト!」
「あいよ!」
一気に距離が縮んだ二匹だった。
なんとか集合に間に合った。ドゴームに怒られるが、ペラップは「お黙り!」とドゴームを叱った。
朝会はグダグダだった。
プクリンが目を開けながら寝ていたからだ。
「羨ましい……。」
「目が乾きそうだね……。」
と、ひそひそと呟いた。ギルドの皆も気にはしているようだ。そして、なんだかんだで朝会が終わった。
「最後に誓いの言葉。初め♪」
それでは皆さんご一緒に。
「せぇ〜の!ひとーつ!仕事は絶対サボらなーい!」
「ふたーつ!脱走したらお仕置きだ!」
「みっつー!皆、笑顔で明るいギルド!」
二匹は知らなかったので、口パクで誤魔化した。仕方ないよね。
「さあ、皆っ♪仕事にかかるよ♪」
「おぉーっ!」
「あぁ。お前達は、こっちだ。」
皆が仕事を始めると、ペラップはシャイトとシオンを呼んだ。
向かった先は薄い色の板の方の『依頼掲示板』だ。
シャイトは、それを見た瞬間、目を開いた。
「前にも見たことあるような……。」