シャイト、考える。
探検隊結成後、ペラップに部屋を案内された。
そこには、藁でできた寝心地の良さそうなベッドがあった。
「ここがお前達の部屋だ♪」
「わーい!ベッドだぁ!」
シオンは、はしゃぎ回り始めた。ベッドの上で跳ね回っている。元気そうで何よりです。
ペラップに住み込みで働くということと、明日から忙しいということを聞いて早めに寝ることにした。
―夜。
薄暗い部屋の中には月明かりが柔らかく差し込んでいた。シオンは、かすかに目を開けた。
「……ねぇ、シャイト。まだ起きてる?」
「んー……?」
「私、今日、もうずっとドキドキしてたよ。でも、思い切ってここに来てよかったよ。」
「……そっかぁ。」
シャイトは、うとうとしているが、頑張って聞いている。
「プクリンも、かなり怖いかと思ったけど、優しそうだったしさ……。」
「僕は、面白いポケモンだなって思ったよ……。」
シャイトは小声で笑った。シオンもつられて笑い、天井を見上げた。
「それも思ったよ。……明日から、また色んなことがありそうだけど、でも私そんなに怖くない。……ちょっとだけ、興味あるんだ。どんな冒険があるんだろうって。ワクワクしてる。」
「そうだね……。」
「……少し、眠くなってきちゃった……。明日から頑張ろうね。おやすみ、シャイト……。」
「おやすみ……。」
二匹は欠伸をした。シオンは目を閉じ、寝息を立てた。
「寝るの早いなぁ……。まぁ、確かに僕もワクワクしてる。」
シャイトは不安そうな目で天井を見つめた。
「……シオンと一緒にいるのも楽しい。でも、それより……。
「僕は一体何者で、なんで僕はポケモンになったんだろう……?」
「んー……、考えても仕方ないや。とりあえず、ギルドの仕事頑張るか……。」
シャイトは自信を持ち、少し微笑んだ。
「そうすれば……、きっと見えてくるよ。真実も……、そのうち……きっと……。」
と言うと気を失ったようにガクンと眠りに落ちた。