シオン、勇気を出す。
―プクリンのギルドにて。
「やっぱり緊張するなぁ……。」
「そうなの?僕は全然だけど。先行こうか?」
「ワタシガサキニイク。」
シオンは言葉が片言になってロボットみたいなしゃべり方になっている。そうなりながらも、足を踏み入れた。
「ポケモン発見!ポケモン発見!」
「誰の足形?誰の足形?」
「足形はイーブイ!足形はイーブイ!」
「耐えろ耐えろ耐えろ耐えろ耐えろ耐えろ耐えろ耐えろ耐えろ耐えろ耐えろ私!」
「呪いみたいに連呼してる……。こりゃあ、ビックリするわな。」
シャイトはシオンに同情した。しばらくすると、声が聞こえた。
「よし、通れ!あと、もう一匹のポケモンも来い!」
「ふぅ……。シャイトー。君のことだと思うよ。来いってさー。」
「今行くー。……なんでわかったんだ?」
シャイトは不思議に思ったが、気にせずギルドに足を踏み入れた。
「ポケモン発見!ポケモン発見!」
「誰の足形?誰の足形?」
「足形は……、足形は……えっと……。」
「およ?困ってらっしゃる。」
「僕、ピカチュウだよー?」
「ピカチュウ……?あ、よく見たら、足形似てる。」
「騙されるな!孔明の罠だぞー!」
なぜか"孔明の罠"というのを知っていた。
「僕、本当にピカチュウですよー!」
「嘘だったら、メガトンパンチ何発でも受けますよー!」
さりげなくシオンは命知らずなことを言ったが、シャイトは聞いていなかった。