Chapter1
二匹、出会う。
―海岸にて。

「はぁー……。潮風が気持ちいいし、クラブ達の泡も綺麗だなぁ……。」

シオンは、うっとりしながら呟いた。クラブ達の吐く泡は美しい虹色に輝いていた。
ふと、左を見てみた。

「わぁ、あのポケモン、仰向けに寝てる。気持ちよさそう……、ん?」

シオンが見ていたのはシャイトだ。バカは相変わらず健在していたが、異変に気が付いた。

「見たことないポケモンだ……。もしかして、倒れてるのかな?ちょっと起こしてみよ。」

シオンはシャイトの近くに寄り、揺さぶった。

「おーい、大丈夫ー?」
「ん……?」

シャイトは、眠たそうな片目を開けた。シオンは、ホッとした。

「あ、起きた。」
「イーブイが……しゃべってる……。」

シャイトは両目を見開いた。シオンはクエスチョンマークを浮かべた。

「私、しゃべるよ?だってポケモンの世界だから。」
「えっ!?」

シャイトは飛び起きた。シオンは驚き、少しのけぞった。

「……まぁ、いいとして。私、シオンって言うんだ。君の名前は?」
「僕は……シャイト。……人間です。」
「にんげん?どうみても、ピカチュウだけど……。ちょっと、海見てみて。」

シャイトは、うなずくと海を見た。そして衝撃を受けた。……ピカチュウの顔だったから。

「嘘……。僕、ピカチュウになってる!?え、なんで!?どうして!?こうなった記憶が全く無いんだけど!」

シャイトは混乱した。シオンは、すかさずキーの実をシャイトの口に放り込んだ。

「……キーの実って、すごいや。」
「でしょ?」

シオンは、ニコリと笑った。すると、後ろからドガース達がぶつかってきた。

「おっと、ごめんよ。」

ドガースとズバットは通り過ぎた。シオンはカケラを盗まれたのに気が付いた。

「……あ、カケラが無い!」
「悪いが、これは頂くぜ。」
「捨て台詞、決まったな。」

二匹は足早に去っていった。シオンは泣き顔になっていた。そして、シャイトの方を向いた。

「ねぇ、シャイト。私と一緒に取り返して!」
「あのカケラ、大事なの?」
「取り返してって言ってるんだから、当たり前でしょ?」
「それもそうだね。よし、僕も行くよ!」

二匹は、ドガース達を追いかけていった。

メグレス ( 2014/12/08(月) 17:31 )