Chapter1
シオン、思う。
―前日。

「どうしよう……。迷った。」

シオンは、とある遺跡の前をさまよっていた。一歩踏み出すと、小石につまづいた。

「うわっ!」

思いっきり顔から倒れこんだ。けど、血が出ない程度だった。

「そこのイーブイさん。」
「えっ!?誰!?」

シオンは、キョロキョロ辺りを見回した。すると、

「えっと、さっきつまづいた小石です。」
「こ、小石が、しゃべった……。」

動揺するシオン。ツッコミに目覚める瞬間だった。

「私は、ただの小石ではなく、遺跡のカケラです。お守りとして持っていてくれませんか?」
「……何かいい事あるの?」

少し疑うシオン。バカだけど、そこらへんはしっかりしていた。

「ええ。帰り道を探してあげます。ただし、条件があります。」

シオンは首をかしげた。

「いつまでも、持っていてください。いつか、また役に立つ日が来ますので。」
「うん、いいよ!」

シオンは、あっさり受け入れた。そして、小さな鞄にカケラを入れた。



「よし、海岸に行こう。」

何を思ったのか、唐突にシオンは決心した。
カケラを小さな鞄に入れて。
……それを二匹のポケモンが見ていた。

「オレ達のセリフって、どっちがどっちだっけか?」
「知らんわ。そういうのやめて。ところで、さっきのイーブイが持ってた小石さぁ……。」
「あんなのに興味あんの?」
「まあな。あれ、綺麗な模様刻まれてたよな。」
「目が無いクセに、よく分かるよな。」
「うっせえ。とりあえず、盗もうぜ。」
「そちも悪よのう。」
「いいから、いくぞ。」
「へい。」

と漫才をしながら、シオンの後を追った。ストーカーとか言わないで。

メグレス ( 2014/11/28(金) 19:55 )