プロローグ
ドォォォォン!ゴロゴロ……。
「……うおっ!……だ、大丈夫か?!」
雷鳴が轟く嵐の中、周りが何も見えない中で頼りになるのは相棒と握っている手だけだった。この手を離すまいとしっかり握ったが、緊張の汗で滑りかける。
「は、離してはダメだ!もう少し……。なんとか頑張るんだ!」
「う、うん!」
その時、海ではない何かに飲み込まれる感覚が走る。しっかり握ったはずの手の力が抜け、少しずつ緩んでいく。
「ダ、ダメだ……。こ、このままだと……。」
そう言われた瞬間、手の力が全て抜けた。
「うわあああああああああっ!」
最後に聞いた声は相棒の叫び声。そこで記憶が途絶えた……。