開放
遂に目的地までたどり着いたエン達の前にはそれはもう暴れ狂っている。ポケモンが一匹。
鋼の鎧を身に纏う大型のポケモン。ボスゴドラだ。
エルゼ「うわぁ〜。見事に暴れてるよ。」
シャン「何で暴れてるのかな?話を聞いて・・・。」
エン「『火炎放射』!」
二人「オイ!」
エンの放った炎は一直線にボスゴドラの背中に直撃した。ボスゴドラはゆっくりと振り向きエン達を睨む。
エルゼ「ひぃぃぃ!」
シャン「あわわ。え、エン君!謝って!早く!」
エン「ボスゴドラ!僕と勝負だ!僕が勝ったら何で暴れるのか教えてね♪僕が負けたら好きにして・・・いいよ?」
何故か最後は上目遣いで弱々しく呟いた。効果覿面だったらしく、目が血走っている。
エルゼやシャンも思わずボスゴドラに加勢しかけていた。
エン「行っくよ!『フレアスパイラル』!」
先刻の炎の渦が2つボスゴドラに命中した。弱点を突いた筈だが桁外れの防御力でそれを堪える。
エルゼ「わ、私だって!『シャドーボール』!」
エルゼの口から紫色の球体が放たれ、上手くボスゴドラの腕に命中した。
シャン「ボクも頑張っちゃうよ♪『バブル光線』!」
シャンの口から物凄い勢いで大量の泡が発射され素早さを下げる追加効果のある技だ。
更に効果的な威力もある。だが、それでも倒れない。ボスゴドラはエルゼ達を邪魔者と認識したのか、『突進』していく。
エルゼ「きゃぁ!?」
シャン「うわ!?」
普通のボスゴドラではまずあり得ないダメージを貰い早々に二匹はギブアップした。
エン「おーい。君の相手は僕だゾ♪」
『火炎放射』を放ち再び自分の方へと注意を引き付ける。上手く行ったとエンは軽く微笑
を浮かべて走る。次第に苛ついて来たのかボスゴドラの標的は気絶している二匹に替わった。
不味いと思い走るも届かない。その時、声が聴こえた。
「目覚めよ。炎の皇帝。」
エンの体が声に反応し燃え上がる。いや、正しくはエンの体を炎が包んでいるようだ。
エン「開放。『炎の皇帝』modelウィンディ。『神速』」
目にも止まらぬ速さでボスゴドラの正面に立った。ボスゴドラの『コメットパンチ』がエンに迫る。
エン「modelchange。エンテイ。『大文字』」
大の文字を型どった炎がボスゴドラを押し返した。更にエンはボスゴドラに向かっていく。
エン「『オーバーヒート』+ 『フレアドライブ』=『オーバードライブ』!」
灼熱の突進がボスゴドラの腹部に当たる。炎が弾け、ボスゴドラを全体的に焼く。ボスゴドラが気絶したのを見届けると、エンは糸が切れたようにその場に倒れた。