初めてのバトル
エン視点
僕はエルゼと一緒に森を歩いていた。何かエルゼから木の実を
貰ったけど・・・これってオレンの実?エン「エルゼ。僕達何処にむかってるのぉ?」
エルゼ「私たちギルドの基地だよ。私はそこで困ってるポケモン達を助ける仕事をしているの。」
エン「へぇ〜。エルゼはいい人なんだねぇ。」
困っている人に手を差し伸べられるのは立派な事だよね。ん?人じゃなくてポケモンか?
暫く歩いていると前からアゲハントが飛んできた。何か焦ってる感じだね。
「ああ、どうしましょう。」
エルゼ「どうしたの?」
「ああ!エルゼさん!お願いします!坊やを私の坊やを助けてください!」
アゲハントの話によると散歩をしている最中、アゲハントの子供のケムッソが何者かに連れさられたらしい。で、その拐ったポケモンは『磯の洞窟』とか言う場所に逃げたとか。
エルゼ「許せない!コテンパンにして、絶対に反省させてやる!」
気合いが半端じゃないな。エルゼがこっちを見てきた。多分着いてこいってことだね。僕は軽く頷いて返事をした。
アゲハント「申し訳ありません!息子をよろしくお願いいたします!」
エルゼ「任せてよ!行こ!エン!」
エン「了解!」
僕は内心ドキドキしていた。不謹慎かもだけど、マグアラシになって、初めてのバトルだし、刺激的な日常の始まりかも知れないと思ったらドキドキが止まらないよ。
数十分走ってようやく目的地に着いた。海の香りがする、洞窟だ。んー。ピクニックで来たら楽しめそうだけど。
エルゼ「気を付けてね!中には凶暴化したポケモンやさっき話した、ポケモンのようなポケモンじゃない『何か』もいるから。」
僕は左手を小さくあげ、了解の意を示した。そして、僕達は中に入っていく。中は若干いれ組んでいて攻略するのは大変そうだ。でも、やるしか無いんだよね。僕の気苦労は杞憂に終わった。と言うのもエルゼが強くて、僕の出番がまるで無かったからだ。直ぐに最下層付近に来れた。
エルゼ「さ、此処からが本番だよ。」
僕達は階段を降り、最下層に来た。何か黒っぽい毛皮が見えた。あれはヘルガ
ヘルガー「おら!ボウズ!大人しくその石を渡せ!さもないと。」
ケムッソ「うわーん!助けて〜!ママ〜!」
ヘルガーのあまりの迫力にケムッソは泣き出した。あ〜あ。エルゼがキレてよ。
エルゼ「あんな幼い子を脅すなんて!許せない!」
そう言うが早いか、エルゼはいつの間にか、ヘルガーの前にケムッソを庇う様に立っていた。でも、足はガクガクしてるし、どちらかというと怯えてる?仕方ないな。
エン「ヘルガー。君の相手は僕だよ。」
僕は腰を落とし、相手の隙を伺う、猫のよう鋭く目を光らせている。
エン「行くよ!『火炎放射!』」
ヘルガー「へっ!俺の特性は貰い火!炎わざは無効だぜ!」
エン「ん〜。じゃ、『煙幕』 」
ヘルガー「舐めんな!『破壊光線!』」
このくらいなら何とかよけれる。僕は『破壊光線』をかわし、地面に顔が埋まるほど殴った。ヘルガーがふらふらと立ち上がる。そして
ヘルガー「覚えてろよー。」
と三流の雑魚がよく、言う台詞を吐いて逃げていった。エルゼがケムッソに近づいて、大丈夫だよ。と、いまだに泣いているケムッソに言った。この後、僕達は洞窟から出て、アゲハントにかなり、感謝された後、元々の目的のエルゼ達のギルドとやらに向かっていた。途中エルゼがピタッと止まる。僕も止まり、エルゼの顔を見た。
エルゼ「エン。君、強かったね。」
エン「そう?」
エルゼ「良かったらさ、貴方もギルドに入らない?寝泊まりできる場所と3食の食事は保障するから。」
なるほど。確かに困ったポケモン達も助けたいし、ちょうどいいかな。
エン「うん!わかった!僕、ギルドに入るよ!」
僕の住み処が決まった瞬間だった。