第五十九話 そうか!隠し穴のなかに、歯車が!
楽しい川下りを終えて早速南の森に入っていったリーファイ一行。そこで・・・・・・・
「モンスターハウスだ!!」
「って、なんじゃこのチョー唐突な展開は〜っ!!!」
そう、開口一番リーフが叫んだ通り、モンスターハウス、即ちいきなり大量の敵ポケモンが降ってくる危険なエリアなのだ。本来は避けれるはずなのだが、階段から降りた直後がモンスターハウスなんてことはよくあること。
「グオオオオオオオオオオオオオオォォォォッ!!」
「キシャアアアアアアアアアアアアアアアァァァッ!!」
当然のごとく怒り狂った野生ポケモンが襲いかかってくる。
「どうしましょう!?リーフさん!?」
「うん、明日の朝にこっそり作戦を教えるわ」
--ズドッ
「今教えんかいおおぼけええええええええええええええええぇ!!」
「放電」
スパークの放電!!敵ポケは全員倒れた!そしてウオーターのツッコミ!しかし何もおこらない。
「早っ!!!」
「何なんですかこの始まり方・・・・」
「まぁまぁ、とにかく道具拾っていくか♪」
スパークはそう言って落ちていたグミに手をかける。
カチッ
「うわあぁっ!!」
罠を踏んでしまった。その罠はヘドロポケモンベトベターを描いた罠、ベトベトスイッチだ。ヘドロが噴出し彼が手に掛けたグミはべトベタフードに変わってしまう。
「あぁ〜」
「父さん。罠の確認しないからですよ」
息子(ファイア)にいわれる始末となった。
べトベタスイッチのアクシデントはあったものの、その後は特に問題なくダンジョンを突破できた。
そして現在は巨大岩石群を眼前にしている。
「ここが巨大岩石群か・・・・。ここの最深部に時の歯車が・・・・」
「さっ、出発〜♪」
物思いにふけるウォーターを無視してリーフ達はダンジョンに入っていった。
「おいこら!!置いていくな〜っ!!!」
慌てた様子でウォーターも入っていく。
「うぐぐぐぐぐ・・・・・・。あいつらは行ったようだな・・・」
「アニキはもう少しのところで逝くところでしたねwww」
「うるせぇ!!大体お前らがさっさと助けないからなぁ!!」
はい、こちらはドクローズ。ヒトカゲとスカタンクはあの後しばらく溺れていて、間一髪のところでズバット達に助けられた。したがって今この2人は少しふらふらである(特に水が苦手なヒトカゲは)。
「追うぞ!!」
懲りもせずまだ時の歯車を狙いに行く。
「ぐあああああああああああぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」
奇声を発しながらテッカニンがリーフに向かって襲いかかる。口を大きく開けて吸血をしようとしている。
「くっ!!」
リーフは反射的に体を大きくのけぞらせて吸血を回避する。
「アイアンテール!!」
攻撃をかわされたバランスを失ったテッカニン。その隙にリーフは尾を鋼のごとく固くして相手を叩きるける技、アイアンテールを放ち、一発でテッカニンをを地面に叩きつけのしてしまった。種族や見た目からは想像もできないパワフルな攻撃は地面も割るほどの威力だった。
「(よしっ!!これならアレも成功するかも・・・・)」
リーフはアイアンテールに何かの手ごたえを感じていた。
「(流石はリーフさん。凄い力ですね・・・・・。)
僕も負けませんよ!!とび膝蹴り!!」
ルッグも対抗意識を燃やしとび膝蹴りでコモルーに攻撃をしかけた。
ヒョイ
「って、うわああああああああああああああぁぁぁぁぁっ!!!」
コモルーにとび膝蹴りをかわされてしまった・・・。勢い余ってルッグは地面にぶつかってしまう。
「うううううううぅぅぅ・・・・・・・・。何でこうなるの・・・・(涙)」
ルッグにはダメージよりもショックのほうが大きかったようだ。
巨大岩石群最深部
「確か、この奥に時の歯車があるそうなんですが・・・・」
「待て!!」
突如声が聞こえた。その直後回りにあった岩が砕け、八体のコドラが現れる。さらに地面からその進化形のボスゴドラが登場した。
「ワシはボスゴドラ!!ここに立ちいるものは容赦せん!!者共!!!かかれえええええぇぇぇっ!!」
「者共?誰のことです?」
ボスゴドラが辺りを見回すと、すでに自分の部下のコドラ達はすでに全滅してた。ルッグは手下のコドラを踏みつけながら余裕綽々といった感じで喋る。
「ええええええええええええええええぇぇぇぇぇぇ!?」
「さて、残りは大将様だけですね♪」
リーフはボスゴドラにゆっくりと詰め寄る。
「ちょちょちょちょちょ・・・・・ちょっと待て!!!話せばわかr」
「問答無用で襲いかかってきて何が話よ!!アイアンテール!!」
「ぎゃいん!!」
リーフはボスゴドラの東部にアイアンテールを打ち込んだ。ボスゴドラは大の字になってのびてしまった。
「さて、先に急ぎましょうか♪」
一行はボスゴドラを放置して先に進んでいった。
「ワシらの出番これで終わりかよ〜」
はい♪
「あ・・あれ!?」
「どうした?」
ルッグは目の前の光景を見て唖然とした。なんとそこは二手に分かれている分かれ道だったのだ。
「参りましたね・・・・。これではどっちに行けばいいか分かりません・・・」
「あの真ん中の岩場に突っ込んでいけばいいぞ」
スパークがいきなり素っ頓狂なことを言い出した。
「親父!!急に訳のわからないこと言うなよ!!」
当然のごとくウォーターは激昂する。
「だってあそこの立て札に書いてあったから♪」
スパークが近くの立て札を指さしながら言った。そこには
”ここの最深部は真ん中の岩に隠されてます。すり抜けられます”
こう書かれていた。
「どや♪」
「んなアホな・・・・」
「でも、本当みたいですよ。ほら」
そう言ってファイアはその岩場に手を突っ込んだ。すると彼の手が岩場を貫通したのだ。
「なんか滅茶苦茶だが・・・。行くか」
そう呟きウォーターは岩場に突っ込んでいた。後を追うように他のメンバーも岩場に突っ込み、姿を消した。
「ここか・・・・・」
「行き止まりだからそうかと・・・・・」
岩場に入った後、大鍾乳洞と呼ばれるダンジョンを制覇した。そして現在は大鍾乳洞の最深部にいる。
「もう先がないからたぶんここにあるかと・・・・」
「どなたです」
ルッグが呟くと、また急に声が聞こえた。しかしここにはリーファイメンバー以外誰もいない。せいぜい目の前にからの宝箱がある程度だ。
「あそこね」
リーフが蔓を指のごとく宝箱を指した。するとからの宝箱が突如光を発した。
「うわあああああああああああああああああぁっ!!」
光が止むと宝箱があった場所に犬のような風体に尻尾がペンのようなポケモン、ドーブルがたっていた。
「貴方方、一体こんなところになんの用です?時の歯車には指一本触らせませんよ」
ドーブルは落ち着いた口調で語りかける。口調こそは落ち着いているが戦闘体制に入っており、今にも攻撃してきそうである。
「違います!!わたし達はある盗賊から時の歯車を守りにきたんです!!」
リーフは懸命に説得する。
「そ・・・それは本当なのですか?」
少し戦闘体制を解いたドーブルに対しリーフ達は首を縦に振る。
「・・・・・・・・・・・・。わかりました。貴方方は盗賊には見えそうもない。信用しましょう」
「(ふう・・・・)」
ドーブルの疑いをなんとかといたようだ。
「申し遅れました。わたくしはここの番人のドーブルと申します。ここに時の歯車が隠されているのはご存じのようですね」
「そう言えば気になったんだけどよ、さっきのあんた宝箱に変身してなかったか?」
ウォーターが少し気になっていたことを尋ねた。
「はい。わたくしは”変身”を使ってあの宝箱に擬態していたのです。このように」
そう言ってドーブルは一瞬のうちに宝箱に姿を変えた。
「凄い・・・・・・」
「このように擬態して、訪れた探検隊を時の歯車から守ってきました」
「成程、からの宝箱しかなければこの先を進もうとは到底考えないですからね」
ルッグが納得したように言う。
「そうか、ここに時の歯車が隠されてるんだな」
突如聞こえた柄の悪い声。リーファイとドーブルは声のしたほうに振り向いた。そこにはドクローズの四人が立っていた。
「お・・・お前は!!」
「ひさしぶりだな!!間抜け共!!」
「けけっ、やっぱりお前達を尾行して正解だったぜ」
ヒトカゲ達はごくろうだったなといわんばかりに喋る。
「てめぇらみてぇな屑どもは今からぶっ潰す!!」
「これいじょう邪魔しないように徹底的に痛めつける必要がありますね」
ファイアとルッグが指を鳴らしながらドクローズに詰め寄る。
「おっと!それはどうかな?食らえや!!」
そう言ってヒトカゲは一つの不思議玉を掲げた。不思議玉は強力な光を放った。
しばらくして光はおさまったが・・・・・
「くそっ・・・・・」
「やられましたね・・・・」
リーフ達の体が硬直した。今彼が使用したのは縛り玉という不思議玉の一種だ。この効果により全く身動きが取れなくなっている。
「へへへへへへ、そこで俺様達が時の歯車を奪うのを指をくわえて見てるんだな。
おっと縛られてるから指もくわえられないか?ぎゃはははははははははははは!!」
悔しそうな表情のファイアにわざと嫌みな笑みを見せつけるヒトカゲ。
「さて、さっさとずらかろうぜ」
「させません」
ヒトカゲ達の行く手を阻むかの如くドーブルが立ちふさがる。
「キノコの胞子」
「うわっ!!」
ドーブルは絶対に相手を眠らせることができる技、キノコの胞子を放った。胞子をつけられたドクローズはそのまま眠る。
「な〜んてな!!無駄無駄ぁ!!」
かと思われたが起きてしまった。実は彼ら、入る直前に眠りを防ぐ木の実、カゴの実を食していたのだ。
「へへへへへ、お前の種族を見てなんとなく催眠技を仕掛けてくると思ったぜ」
「流石アニキ!!普段はどうしようもなくバカですが、十年に一回はさえますな!!」
「そうほめるな!!さて、さっさといこう--------------っ!!火炎放射!!」
突然ヒトカゲは振り返って火炎放射を放った。その先には縛った筈のチコリータが自分の攻撃をかわして構えていた。
「あああああ兄貴!?何であいつが!!」
「さっき縛った筈じゃあ!?」
「いや、あいつはアロマセラピーで硬直を解除したんだ。もう少し気付くのが遅れたら他の奴らも回復されてただろうな」
ヒトカゲの解説にスカタンク達は”へぇ〜”といわんばかりの表情を見せていた。ボスをバカにする資格はないと思う。
「大丈夫ですかドーブルさん?」
「はい、ところで先ほどおっしゃっていた盗賊ってこいつらですか?」
「いえ、こんな間抜け連中ではないです」
リーフはきっぱりと言い放った。
「こら!!誰が間抜けだ!!」
「じゃあ、その盗賊ってのは・・・・」
「それはたぶん・・・・オレのことじゃないかな」
またしても別の声が聞こえた。そこに立っていたのは、以前グラス達と闘ったあのジュプトルだった。
「お前達と戦う気はない。大人しく時の歯車を渡してもらう」
「なんだキサマーーーーーーーッ!!!勝手なことは許さんぞーっ!!!」
ヒトカゲは突如時の歯車を奪うと宣言したジュプトルに喧嘩を売りだした。
「言ったはずだ。戦う気はない」
「うるせぇ!!悪の探検隊、ドクローズリーダーの力を見せてくれるわーーーーっ!!!」
ヒトカゲはジュプトルに襲いかかった。そして喧嘩に近いバトル(尤もジュプトルにとってはそうは思ってないだろうが)
「ぎゃふん!!」
煙が晴れると、そこには何事もなかったかのごとく立っているジュプトルとボコボコにされたヒトカゲの姿が。
「ふん。何だって?全然聞こえないぞ」
「うぐぐぐぐぐぐぐぐぐぐぐ・・・・・・」
コテンパンにされたヒトカゲにジュプトルは冷たく言い放つ。
『兄貴いいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいぃぃぃっ!!!』
手下のスカンク・毒玉・蝙蝠の悲鳴が響く。
「うぐっ、リーフよ・・・。俺様のかたきをとってくれ・・・・・
・・・がくっ・・・」
ヒトカゲはそのまま気絶してしまった。てか、敵にかたきをとらせるってどういう意味だよ。
「兄貴ーーーーーっ!!しっかりしてくだせぇ!!」
スカタンク達はそのままヒトカゲを担いで退場した。
「・・・・・・・・・・・・・・・・
ふん、お前もああなりたくなかったらそこをどくんだな」
ジュプトルはドクローズを呆れた目で見たあと、リーフに腕の葉を向けながら言った。
「悪いけど。そんな気は毛頭ないから」
「そうか・・・・なら、仕方ない。お前もあのヒトカゲのようにしてやる」
リーフもカバンから鉄のトゲを取り出してジュプトルに向けた。