第五十二話 バカルドン
トイレで用を足したことで改めてキノガッサ討伐に向かったリーファイとストロング。その途中集落を通りすがっていると・・・・・
「おや?スパークさんにルッグさんじゃないですか?」
不意に声をかけられ一瞬警戒するも、すぐに解かれた。そこに立っていたのはポッチャマのファルコ・ゴウカザルそして四人のゼニガメだった。
「おぉ、最果て砂漠の保安官か。なぜここに?」
スパークはファルコに問いかける。その間にシャインはリーフに ”あのポケモン達誰?”と聞いていた。
「はい、我々もお尋ね者キノガッサに侵略されたこの島の救援にやってまいりました」
「それはいいがその四人のゼニガメ達は?」
スパークはファルコ達の後ろにいたゼニガメ達を指差す。
「おっと、初めまして。我々は今回こちらのファルコ保安官に助っ人としてやってきたゼニゼニズと申すものです。へへへ、よろしくお願いしますね」
「は・・・はぁ・・・・」
ゼニゼニズと名乗った赤のメガネをかけたゼニガメが頭を下げる。
「さて、ゼニゼニズさん。我々は救援の続きといきましょう。行くぞサル・・・・・・
・・・ちっ」
ファルコが後ろを向いて話しかけたが、彼の相方のゴウカザルの姿はなかった。
「ねぇねぇ。君ってどこで探検活動をしてんの・・・・・・うぐっ!!は・・・腹が!!腹痛えぇっ!!!トイレ!!トイレ!!トイレ!!」
案の定このサルはリーフにナンパしていたが、なぜか急な腹痛に襲われ一目散にトイレにダッシュする。
「な・・・なんですかこれ・・・?」
「あぁ、あいつがそろそろナンパしそうなんで、あいつの飯に下剤盛っときました♪」
ファルコはファイアの問いかけに笑みを浮かべて答える。その前になんでナンパのタイミングが分かる?
「とにかく、我々はこれで」
ファルコとゼニゼニズはその場を去っていった。しかしなぜかゼニゼニズの四人はすぐに戻ってきて・・・・
「はい!!読者の皆様!!既に我々の正体はバレバレと思いますが、リーファイには内緒にするよ〜に!!それじゃ!!」
それだけを言い残して去っていった。
「何いってるのかしらね〜(棒読み)」
「とにかくオレ達も急ぐか」
リーファイ達も城に向かった。
「ここか・・・・」
ようやく城についた。今までのボーマンダの城などのボスキャラの住居とは違いかなり豪華な造りとなっている。これはキノガッサの独裁ぶりがもろに出ている。
「それにしてもでかい城だな〜。オレもこんな城に住んだらガブちゃん呼ばわりされなかったかな?」
「無理♪」
「・・・・・・・・・(涙)」
「下らんこと言ってないでさっさと行くぞ」
シャインとマッハのやり取りに呆れながらライクは城の扉に手をかける。
「待ってください」
「・・・・なんだ」
ライクはリーフに止められ少し苛立った様子で彼女を睨む。
「こう言った類の城は大体入口に罠が仕掛けられてます。オーソドックスに裏口を探した方が得策でしょう」
リーフは自身の考えを述べた。その様子に前話グミに簡単につられた彼女の面影は感じられない。
「確かにリーフちゃんの言うとおりね」
「オレ達もうっかりしてたな」
「・・・・・・・・・・・・・(こいつ、さっきと雰囲気が違うな)」
ストロング達もリーフの豹変ぶりに少し驚きながらも承諾した。
「それじゃ、裏口を探しますか」
ルッグはそう言って城の周りを歩きはじめた。
「ありましたよ」
「早っ!!」
ルッグは先ほどの扉よりも二回りほど小さい扉を発見した。
「じゃあ行くか」
スパークの言葉と共に一行は城に入っていった。
「中は結暗いな・・・・・」
「うるさいです。黙っててください」
辺りを見回しながら呟くウォーターにファイアがぼそっと言い放つ。
「何ぃ!!弟の分際で偉そうな口を叩くな!!」
「弟だからって関係ないでしょ!!」
兄弟げんかが勃発してしまった。
「ちょっ!!二人とも止めて!!」
リーフが仲裁するもこの二人の喧嘩はおさまる様子はない。そこに
:侵入者発見!!:
「「あ〜あ」」
ファイアとウォーターが他のメンバーに白い目で見られる。
「よし!!こうなったらこれの出番だ!!」
「「!!?」」
突如マッハが叫びながらカバンの中を探る。そして彼が取り出したものは・・・・・・
「ダ・・・・ダンボール・・・・・(汗)」
そう、彼が取り出したのはなんの変哲もないただのダンボールだった。
「なんで”何言ってんだこのアホは?”見たいな顔してんだ!?こういうとこでは必需品だろう!?」
「いや、だからって・・・・・」
「時間がない!!無理でもやってみよう!!」
スパークに促されとりあえず全員ダンボールの中に身を隠す。
「ここか!!」
警報を受けてきたのは大きな口が特徴的なカバのようなじゅうりょうポケモンカバルドンだった。体の色が黄色っぽいことから♂なのだろう。彼の後ろには(なぜか)三体のキノココが。彼らは一通り辺りを見回す。
「あそこだ!!」
カバルドンはダンボールに向かって叫んだ。
「だぁ〜っ!!全くカムフラージュになってねぇじゃん!!」
「こんなもんな〜んの意味もないよね!!」
観念したのかマッハ、スパークの順にダンボールを投げ飛ばす。次第に他のメンバーもダンボールから姿を現す。
「やっぱりここにいたか侵入者共が。者共!!かかれ!!」
カバルドンの指示と同時に彼の背後にいたキノココが一斉に襲いかかる。
「ここはあたし達に任せて。行くわよライク!ガブちゃん!!」
「あぁ」
「だからマッハだって!!」
ストロングはキノココの軍団に向かっていった。
「シャドーボール!!」
シャインは漆黒の球体をキノココの一体に向けて放った。威力が高かったためかキノココは一発で倒れる。
「虫食い」
ライクは自身の口を大きく開けてキノココに噛みついた。虫タイプの技は草タイプのキノココに効果抜群、キノココは倒れた。
「----------っ!!?」
ライクは突如体にしびれを感じた。キノココの特性”ほうし”で麻痺してしまったのだ。そこにもう一体のキノココがライクに襲いかかった。
「大文字!!」
マッハは口から大の文字をした炎をぶつけた。キノココはそのまま黒焦げになってしまう。
「・・・・・・すまない・・・」
「油断するなんてお前らしくねぇな!!」
マッハは胸をドンと叩きながら言う。
「気合玉!!」
シャインがそう叫ぶとマッハの後ろにいたキノココが撃ち落とされた。
「ガブちゃんもね♪」
「うぐっ・・・・(汗)」
シャインの気合玉でキノココ達は全滅した。リーファイはここでストロングの強さを感じた。
「なかなかやるな。次は俺様が相手だ」
カバルドンがそう一歩でると辺りが砂嵐が発生した。
「それとな助っ人も呼んである」
「助っ人?」
カバルドンの言葉をリーフは復唱する。
「お願いします!!」
カバルドンがそう言うと壁から抜け殻のようなポケモン、ヌケニンが現れた。
「うわ〜っ。弱そっ」
「こら〜、お前らワシのこと弱そうやといったやろ」
ヌケニンは覇気がない声で言い返す。そんな声だと、どう考えても弱そうという印象しかない。
「ワシはこう見えてもな、
・・・・・・・・・・HP1しかないねん」
ズゴッ!!
ヌケニンの言葉にカバルドンを含めた全員がずっこける。
「でもなぁ〜ワシは攻撃が一切きかんねんぞ。なんならお前らの攻撃を全部うけ・・・・・・
う・・・あ・・・あれ・・・?」
ヌケニンは突如体の脱力感を感じてしまいには倒れてしまった。
「もしも〜し、大丈夫?」
ルッグが倒れているヌケニンをツンツンとつつく。しかしヌケニンはピクリとも動かない。
「返事がない。ただの抜け殻のようだ」
「ど・・どういうことだ!!なんで倒れてしまったんだ!!」
ヌケニンは正真正銘”ひん死”状態になっていたのだ。この状態にカバルドンは焦りを隠せない。
「なぜだ!!なぜ倒れた!!」
「いやいや、この天候を見ればわかるでしょ」
うろたえるカバルドンにリーフが的確な突っ込みを入れる。
「あっ・・・・・・・・」
お分かりだと思うがヌケニンはカバルドンの特性”すなおこし”によって起こった砂嵐によって倒れてしまったのだ。配役が不適切にも程がある。
「どうせこの後俺様がフルボッコにされるんだろ?
それくらい計算済みですとも・・・・・・」
この後バカルドン・・・もといカバルドンは全員にフルボッコにされましたとさ♪