第四十五話 クローの物語 5
「なんじゃお前は!?」
「ワシはここに七つの秘宝があると聞いてこの村にきたんだ!!おいお前!!何か知ってることはないか!?」
ここは黒い村。二人のポケモンが聞き込み・・というよりむしろ口論に近い話が展開されていた。一人はこの村の村長のアバゴーラ。そしてもう一人はワニノコだった。
「フン!!お前のような生意気な小僧に教えてやることなんざなにもない!!さっさと出て行け〜っ!!」
「ぬわあああああぁぁ!!」
アバゴーラはワニノコを蹴飛ばした。ワニノコはその衝撃で吹き飛ばされてしまう。
「はぁ・・・はぁ・・・・全く・・・このところ爆弾に巻き込まれたり流星群をぶっぱなされたり、大砲でブッ飛ばされたり、リーフにコテンパンにされたり、今さっきは変なアバゴーラのじじいにどやされたり・・・全く七つの秘宝に近づけんぞ!!一体どうなっておるのだ!!」
ワニノコのクローは何やらぶつぶつと呟いていた。そこに彼の部下のシノとシードが現れる
「遅いぞ!!それよりもどうだ!?本当にこの村の化け物が七つの秘宝を所持しておるのだな!!?」
「も、申し訳ありません・・・。た・・・確かに、この村の住民共にしっかり聞き込みをしてきました・・・」
「本当か!?出鱈目なんか喋ったら承知せんぞ!!」
「ここの住民ほぼ全員に聞いてきました・・・間違いはないかと・・・・」
怒り気味のクローに気圧され少し震えながら答えるシノとシード。
「フン!!ならさっさと行くぞ!!今度こそワシが一番乗りだ!!」
気合を入れてクローは村をあとにした。それにシノ達は後を追う。
「随分薄暗い道だな・・・・・」
「待ちな!!」
「「!!??」」
突如声が聞こえた。その声の主は姿を現す。
「オレはヤナッキー!!」
「オイラはヒヤッキー♪」
「オレは・・・・」
「「全員揃って、Tマンキーズ!!」」
「・・・・・・・・・(涙)」
現れたのはヤナッキー・ヒヤッキーそして自己紹介もできなかったのはバオッキーだった。
「「Tマンキーズ?」」
シノとシードが一斉にハモる。
「またの名をトリプルマンキーズだ!!」
「リ・・リーダー、Tのところはスリーじゃなかった?」
「あの・・・・・」
「はぁ!?トリプルだろ!?いつスリーっつうた!?」
「オレは・・・・・・」
ヤナッキーとヒヤッキーが口論を始めた。しかしバオッキーは蚊帳の外だ。
「・・・・・・・・(汗)なんなんだこいつらは・・・・・」
クロー達はあきれ果てた表情で三猿達を見ていた。そこに・・・・
「うるあああああああああぁぁぁっ!!!」
「「「!!!!???」」」
どこからか叫び声が聞こえた。その声の主はハンマーを持ちながら猛スピードで接近してくる。
「時間がないから出てくんな〜っ!!」
「「「あああああああああぁぁぁぁぁっ!!!」」」
その者はハンマーで三猿を吹っ飛ばした。クロー達は更に茫然とした表情である。
「全く・・・・無駄に出てくるんだから・・・・」
「あ・・・あんたは誰だ?」
クローはそのハンマーを持っている者、ポケモンのマグカルゴに問いかける。なぜかマグカルゴは手がありメガネとマスクを着用している。
「この私が誰かわからんのか!?」
「わかるか」
マグカルゴはふぅっとため息をつきながら、持っているカバンから何かを取り出しクロー達に差し出す。
「え〜と何々・・・・○○大学○○学部○○○○・・・・ってこれもしかして・・・・」
「しまった!!これ私の学生証!!」
マグカルゴは慌ててクローからひったくる。
「まさか作者か・・・・・?」
「その通り!!いかにも私がこの作者のノコタロウであ〜る♪」
ノコタロウと名乗るマグカルゴはそう断言する。
「な・・・何で作者が・・・・」
「そりゃ、あいつらが無駄に出てくるからちょっぴり制裁をね♪」
ノコタロウはそうウインクしながらそう言った。
「いや、だからって・・・・(汗)」
「しかもなぜマグカルゴだ!?”元”孵化要因じゃないか!」
「聞いたことによると作者がガチ育成したポケモンで自分のイメージに合うポケモンがマグカルゴだったらしいですよ」
「余計なことを喋るな!!」
「痛っ!!」
ノコタロウはハンマーでシードを殴る。
「それとなぜマスクとメガネを?作者本当はメガネしてない筈だろ」
「あぁこれ?だてメガネだよ。花粉症対策♪最近やたら鼻が詰まって困るんだよね・・・・」
「つうかこの雑談の方が時間食ってないか?」
クローの的確な突っ込みにノコタロウははっとした様子を見せる。
「そうだ!こんな無駄話してる場合じゃなかったな!!君ら!!急いだ急いだ!!」
「「「あんたのせいだろう〜が!!」」」
はい、場所は変わって化け物ことメタモンの家。相変わらずボロい家だ。
「作者。本当にこの家にあるのか?」
「つうかなぜ付いてくる?あとマグカルゴって本当に体温が一万度もあるのか?」
「てめぇは馬鹿か」
上からクロー・シノ・シードがそう喋る。関係ないのが混じってるがとりあえず・・・・
「この野郎!!」
「アウチ!!」
とりあえず再びうるさい蛙をド突く。
「一度にたくさん聞くな。とりあえずここにあるのは間違いない(まぁ、すでに先を越されてるだろうけど・・・・)
まぁついてきたのはなんとなくで、最後の質問はタブーだ」
ノコタロウはそう説明する。
「とにかく時間がないから君ら三人を最深部までパッと送って行こうか?」
「「「ええっ!!?」」」
突然の提案に驚く三人。
「クロー様怪しいですよ。あのクソ作者がこんなつごうのいi・・・・」
「是非頼む!!今すぐにだ!!」
シードの言うことを無視し。提案を飲み込むクロー。
「はい、じゃあポチっとな♪」
ノコタロウはどこからかスイッチのようなものを取り出して、それを押した。すると三人の姿が一瞬にして消えた。
場所は変わって化け物、メタモンの部屋。オノノクスとの戦闘のせいでかなり荒れ果てている。
「うおぉっ!!」
「ほ、本当に着きましたね・・・・」
「あの意地の悪い作者のことだから、てっきり俺等をマグマとかに叩き落とすと思ってたが・・・・」
そこにワープさせられたクロー達が突如現れる。
「と、とにかくさっさと探すぞ!!」
「「は・・はい!!」」
クローに言われ辺りを散策し始める。その直後・・・
ドガアアアアアアアァァァッ!!!
「「「!!!!?」」」
突如、部屋に置かれていた鐘が爆発を起こした。その爆発の煙からヒトカゲ・スカタンク・(残り二人分いるが以下省略)が現れる。
「って、省略すんな!!」
うるさいよ煙玉と蝙蝠。
「見ろ!!鐘から出られたぞ!!」
「その代わりこっちも酷いことになってしまったでしょうが!!」
「肉を切らせて骨を断つというだろ!!」
「・・・使い方違ぇよ・・・」
「何か言ったか(怒)!?」
「いえいえ・・何も・・・(汗)」
ヒトカゲとスカタンクがコントのような会話を繰り広げる。
「あ〜っ!!お・・・お前は・・・・」
「あの時の!!」
クローとヒトカゲが互いを指差しながら叫ぶ。
「まさかお前が俺様達をこんな鐘に幽閉したのか〜っ!!」
「お前こそ!!七つの秘宝を持ってるのではないのか!!痛い目に会いたくなかったらこっちに渡せ!!」
残念ながら二人が言っていることは明らかに的を外していた。
「だったらお前らをここで倒してやる!!」
「それはこっちの台詞だ!!これ以上誰かに先を越されるのはごめんだ!!」
ヒトカゲもクローも互いに戦闘体制に入る。それを見た彼らの部下達も渋々戦闘体制に入る。
「ハイドロポンプ!!」
「危なっ!!」
クローの口から発射された激流をヒトカゲはギリギリでかわす。ハイドロポンプは部屋の柱に直撃する。
「えっ・・・・・(滝汗)」
「ク・・・クロー様(汗)・・・・」
「あ・・・アニキ・・・なんか嫌〜な予感が・・・・・・(汗)」
「ま・・・まさか・・・(汗)」
どこからか嫌な予感しかしない音が聞こえた。その場にいた全員の表情が硬直する。その瞬間・・・・・
ポキッ
まるで柱がマッチ棒のように簡単に折れた。すると天井から大量の瓦礫(がれき)が降ってきた。ただでさえボロかった家なのに、先ほどのオノノクスとの戦闘で更にボロボロになったきたのだから、すぐに崩壊するのも当然だろう。
「も・・・もしかしてこれって・・・」
「逃げろ〜っ!!」
「ま・・間に合わねぇ〜っ!!」
クローチームはあたふたしていた。一方のドクローズも・・・
「痛っ!!が・・瓦礫が・・・」
「あたたたたたたたた!!な〜んでこ〜なんだよ!!」
「「ぬわ〜っ!!」」
すでに瓦礫に埋もれてしまった・・・。じきにこの家自体も崩壊しクロー達も瓦礫に埋もれてしまった。
そんな様子を遠くで見ていた一人のマグカルゴの姿が。彼は満面の(黒い)笑みでその一部始終を見届けていた。