第四十三話 vs???? 1
ここはボロ家の最深部。今現在ドクローズは化け物の罠にまんまと掛かってしまい鐘の中に幽閉されている。その様子を化け物ことメタモンがケラケラと笑っていた。
「はははははは!!僕が物に変身している隙に侵入者にトラップを仕掛ける。この作戦百発百中だから楽でいいや♪」
メタモンは四人が閉じ込められている鐘を見て再びケラケラ笑う。しかしそんな彼の背後に忍び寄る影に気がつかずに・・・・・・・
ズシャッ!!
鈍い音がメタモンの体から発せられた。メタモンはそのまま倒れてしまう。すると彼を攻撃したと思われるポケモンがメタモンを乱暴に踏みつけながらこう言った。
「けっ!!俺様が駆られるくれぇだからどんな任務だと思えば・・・・拍子抜けにもほどがあるぜ。こんなガキ一匹始末して七つの秘宝を奪い取りゃあいいだけなんでよ!!!」
そのポケモン、オノノクスはメタモンをぐりぐりを踏みながらそう吐き捨てた。
「さて、あとはこいつが持っている秘宝を探しゃあいいだけなんだが・・・・」
オノノクスはその場を探り始めた。しかし部屋が乱雑なのでなかなか見つからない。
「ちっ!!ガキが、こんな汚ねぇ部屋にしやがって。探しにくいったらありゃしねぇ・・・・」
オノノクスは徐々に苛立った様子を見せる。するとタンスから何やら輝いている楽器を見つけた。
「へっ、やっと見つけたぜ。じゃあさっさとずらかるか・・・」
ガチャ
突如部屋の扉が開いた。そこから見覚えのないチコリータ、ヒノアラシ、ゼニガメ、ナットレイ、チームリーファイが入ってくる。
「ああ?何だてめぇらは?」
オノノクスは入ってきたリーファイメンバーにふてぶてしく尋ねる。するとリーフははっとした様子でオノノクスを指差す。
「も・・・もしかして・・・あのバクフーンの仲間の・・・・」
「ああ!!ジャローダさんに見せてもらったポスターに載っていたオノノクスです!!」
「まさか、こんなところで会っちまうとはな・・・・」
リーフ・ファイア・ウォーターはオノノクスを見てそれぞれそう言った。当然だがナットレイはそんなことは露とも知らない。
「けっ!!誰かと思えば探検隊か。うざってぇな。
出てこい!!」
「「「!!!???」」」
オノノクスがそう叫ぶと、リーフ達は一瞬で囲まれてしまう。囲んだポケモンはゼブライカ、ブラッキー・ドンカラス・ドリュウズ・ルンパッパ・フローゼル・ユキノオーだった。皆そろいもそろって人形のように無表情である
「なんか不気味な連中ね・・・・」
「やれやれ問答無用ですか」
「まぁ、やるしかないだろ」
そう言ってファイアは手始めと言わんばかりにユキノオーに火炎放射を放った。草・氷タイプのユキノオーには最悪の相性であり一撃でダウンする。
「ファイア危ない!!」
「えっ!?」
ウォーターの声に気付きファイアは後ろを向く。そこにはアクアジェットでファイアめがけて突っ込んでくるフローゼルの姿が。
「よっと!!」
ナットレイがファイアをかばうようにアクアジェットの盾になった。水タイプの技には草タイプのナットレイには効果は薄く、更に特性鉄のトゲでフローゼルにもダメージが入った。
「ナットレイさん!?」
「大丈夫だ!!パワーウィップ!!」
ナットレイは極太の鞭をフローゼルにたたきつけた。フローゼルはそのまま一撃で倒れる。
「助かりました!」
「いや、まだ安心するのは早いよ」
「気合パンチ!!」
ウォーターはブラッキーに格闘タイプの大技気合パンチを放つ。しかしそれだけでは倒れずブラッキーはフッと姿を消した。
「何!?」
ウォーターはそのことに戸惑うもすぐに体制を立て直すことができた。目の前にブラッキーが目を回して倒れている。
「なっ・・・」
「騙し討ち。必中する技だけど攻撃直前に見切ればどうってことないわね」
リーフが倒れているブラッキーを見ながらそう言った。察するに彼女がブラッキーを仕留めたのだろう。
続きと言った感じでルンパッパも軽く倒していく。
「(こいつ・・・・こんなに強かったのか・・・・)」
ウォーターは闘っているリーフを見ながらそう思っていた。
一方ファイアはドリュウズ・ドンカラスと戦闘していた
「守る!!」
ドリュウズのドリルライナーを守るで防ぐ。攻撃を防がれたドリュウズはそのままバランスを崩す。
「ファイア!!」
「火炎放射!!」
火炎放射がドリュウズに炸裂しそのままダウンする。
「ジャイロボール!!」
ナットレイはジャイロボールでそのままドンカラスも仕留める。
「ふぅ・・・」
「なんとか終わったね」
「ハイドロポンプ!!」
ウォーターはゼブライカにハイドロポンプを放つもゼブライカはワイルドボルトで激流をはじきながらウォーターに向かって突っ込んでくる。
「(ま・・・間に合わない!)」
「リーフレクター!!」
リーフはリーフレクターでワイルドボルトを防いだ。いや、正確には緩和したと言い換えるべきか。そのまま光を吸収する。
「ソーラービーム!!」
極太の光線がゼブライカを貫いた。ワイルドボルトの反動ダメージもあってかそのまま倒れる。それらを終始見ていたオノノクスは苛立ちを隠せなかった。
「くそがぁっ!!なんだあのバクフーン(火ネズミ野郎)!!こんな役立たずばかりよこしやがって」
そう吐き捨てながらオノノクスは倒れているゼブライカを蹴りつけた。その光景には四人とも言葉を失った。
「お・・お前達は仲間じゃないのか!?」
「仲間だぁ?馬鹿言ってんじゃねぇよ。こんな愚図共なんか仲間なんかじゃねぇよ。捨て駒にもならねぇ役立たずだなこりゃ」
オノノクスは倒れているポケモン達を再びぐりぐりと踏みながらそう言い放った。
「とにかく、お前やバクフーン達は一体何が目的だ?」
ウォーターはこの質問に答えるとはあまり思ってはいなかった。それでもきかずにはいられなかった。
「目的?まぁボスの目的はオレ達にもわからねぇな。まぁ尤も俺様は誰かをぶっ殺せば十分なんだけどな」
「何だと!!?」
オノノクスから出てきた残虐極まりない言葉に、尋常じゃない憤りを感じていた。しかしオノノクスは言葉を続ける。
「弱ぇ奴を生かすも殺すも自分の力によって決めれる。そいつの存在が自分にゆだねられるのだからこれほど気持ちいいことはない!!」
オノノクスは不気味な笑い声をあげながらそう言い放った。その様子は四人は不気味という感情すら通り越して反吐がでると言い換えた方がいいかもしれない。
「まぁいいや。とにかく俺様をとっ捕まえに来たんだろ?ほら来いよ。一瞬でぶっ殺してやっからよ!!」
「ジャイロボール!!!」
ナットレイは高速回転しながらオノノクスに突っ込んでいく。ジャイロボールはそのままオノノクスに直撃する。
「やったか!?」
「・・・・・・・・・・・・・」
「なっ!!?」
突如オノノクスの姿が消えた。その光景に全員が驚愕する。
「かかったな!!馬鹿が!!」
「「「!!??」」」
突如汚い言葉が発せられた。ナットレイの背後には消えたはずのオノノクスが立っていた。今までたっていたオノノクスは身代わりだったのだ。
「粉々に砕けやがれ!!瓦割!!」
「ぐわはっ!!」
オノノクスは自身の拳を固めナットレイを殴りつけた。その威力が高く、効果は抜群なのか、ナットレイは一撃で倒れてしまう。
「な・・・ナットレイさん・・・・」
「けっ」
オノノクスは倒れているナットレイを投げ飛ばした。
「ほらほらどんどん行くぜぇ!!」
オノノクスはそのまま自身の爪を力任せに振り回した。ドラゴンクローだ。
「危ない!!」
ギリギリで高威力な爪をかわす。
「葉っぱカッター!!」
「火炎放射!!」
「冷凍ビーム!!」
三つの技がオノノクスに直撃し爆発の煙をあげる。
「やったか!?」
煙が晴れるとそこにはほとんど無傷のオノノクスの姿が。
「ヒャッハハハハハハハ!!てめぇらみてぇな雑魚が俺様に本気で勝てるとでも思ってんのか??あぁ??下等生物のてめぇらが至高のドラゴンタイプの俺様にかなうわけねぇんだよ!!」
オノノクスが馬鹿にした笑いを浮かべる。しかしリーフは冷静に隙をうかがっていた。
「蔓の網!!」
「なっ!!?」
大量の蔓が網になりオノノクスをとらえた。リーフは網を振り回す。
「それっ!!」
「ぐはあっ!!」
その勢いを保ちながらオノノクスを地面にたたきつける。
「今よ!!」
「大文字!!」
「冷凍ビーム!!」
ファイア・ウォーターが再びオノノクスを狙う。しかし今度は闇雲に攻撃した先ほどとは違い。顎を正確に狙っていた。
「ぐふぁああっ!!」
攻撃は効いていた。実はリーフはオノノクスが油断しているわずかな隙にこの戦法を立てていた。オノノクスの体は固い鱗におおわれている。しかし、生物の大半は顎は脆くなっていると考え、この戦法をとったのだ。
「このくそガキが・・・・・調子に乗んじゃねぇ!!!」
今までの馬鹿にしたにやけ顔が一変、オノノクスは凶暴な顔つきに豹変する。
「食らいやがれ!!ドラゴンクロー!!」
「きゃあっ!!」
「うわあっ!!」
「ぐわっ!!」
オノノクスは怒りながら猛スピードで突っ込んできた。不意打ちに近い攻撃に反応しきれずにまともに食らってしまう。
「まずはてめぇからだ!!」
オノノクスはファイアに向けてもう一度ドラゴンクローを繰り出す。
ガキッ!!
固いものと固いものが衝突する音が響いた。リーフがファイアをドラゴンクローからかばうようにリフレクターを張っていたのだ。
「邪魔すんじゃねぇ!!瓦割!!」
「きゃああぁぁぁ!!」
瓦割が直撃。リフレクターは破壊されリーフもそのまま吹き飛ばされ、壁にたたきるけられる。
「ハサミギロチン!!」
オノノクスは自分の大あごをリーフに振りかざす。ダメージが溜まっているのかリーフは反応しきれなかった。
「死ねぇ!!」
「(もうダメ!!)」
「(危ない!!)」
攻撃が目の前に迫り反射的に目を瞑る。
辺りに鈍い音が響く。しかしそれは彼女が思っていたよりも少し前で。リーフは恐る恐る目を開ける。
するとそのには自分の仲間のゼニガメが自分をかばうようにハサミギロチンを食らっていた。
「けっ、邪魔が入ったか」
オノノクスは悔しそうな表情を見せながら挟んでいたウォーターを投げ飛ばした。その衝撃で彼の自慢の甲羅がいたるところにひびが入っていて今にも割れそうである。
「に・・・兄さん!!」
ファイアは一目散にウォーター(あに)のもとへ向かった。しかしウォーターは返事をしない。
「下らねぇな。誰かの身代わりになるとはな」
「・・・・・・・・・・」
「まぁ弱ぇ奴はどこでも捨て駒になるしかねぇんだよな」
「・・・・・・・・・・」
「役立たずは所詮はどうあがいったて捨てられるか利用されるだけだ。そこいくとこいつはいい駒だったな。ヒャッハハハハハハハハハ!!!」
「・・・・・・・・・・」
オノノクスの聞くに堪えない罵詈雑言をリーフもファイアも黙って聞き流していた。そして・・・・・・
「・・・めぇ・・・・」
「あぁ??」
「てめぇ・・・・・」
ファイアの体が震えていた。それは恐怖ではなく怒りであることは明らかだろう。
「てめぇ!!っざけた事ぬかしてんじゃねぇ!!ブチ殺されてぇのか!!」