第三十八話 クローの物語4
これはクロー達が大砲で打ちだされて、数分たったあとの話。
「うおおおおおおおおぉぉぉっ!!!」
クロー達は叫び声をあげながら飛ばされていた。彼らは最果て砂漠の街に向かっている。
「クロー様!!あれが街じゃないですか!?」
「ああ!!思ったより早く着いたものだな!!」
意気揚々とする彼ら・・・正確にはクローに影が差すことに・・・・
「撃ち落とす!!」
「ぐわふぁあああっ!!」
「「クロー様!!」」
どこからか巨大な岩石がクローめがけて発射されクローはその技通りに地面に撃ち落とされてしまう。
「痛たたたたた・・・・。いきなり何をするのだ!!」
「それはこちらの台詞だ。何の目的で我々の領地を犯しに来た・・・・」
クローはヤドカリのようなポケモンイワパレスの群れに囲まれていた。イワパレス達は領地を侵された(?)ためかかなりいきり立っている様子である。
「領地って・・・わし達は飛んでいただけだぞ!!」
「黙れ。領地は空も含んでいるのも知らんのか」
「はっ?」
クローはイワパレスの言葉に引っかかった。
「それって・・・領土のことではないのか?」
「「・・・・・・・・・・・・・・・・・」」
クローの言葉にイワパレスは黙りこくってしまう。
「もしやお前達って・・・・」
「シザークロス」
「のわっ!!無茶苦茶だぞ!!」
イワパレスの群れはシザークロスでクローに襲いかかる。
「雨乞いから波乗り!!」
クローはカンカン照りの空を厚い雲に覆わせて大雨を降らせた後、凄まじい水流を発生させる。水流はイワパレスの群れを飲み込んだ。
「よし!!」
「甘い。ストーンエッジ」
「なんだ・・・おっと!!」
水流から一体のイワパレスが現れた
「我々の特性を忘れた訳じゃあるまいな」
「頑丈か・・・・・」
イワパレスの特性”頑丈”はどんな攻撃を受けても体力が満タンなら、決して倒れないというものだ。
「殻を破る」
「なっ!?」
突如イワパレスが自身の殻を破り捨てた。殻を破ったことにより防御性能は下降するものの攻撃性能と素早さが大きく上昇する(チート)技なのだ。
「シザークロス」
「しまっ・・・・」
クローが気が着いた時には時すでに遅し。イワパレスはもう目の前に迫っていた。
「シャドークロー!!」
「ぐえふぁあっ!!」
突如目の前のイワパレスが吹き飛ばされた。見ると一体のケッキングが立っていて、その爪は影で黒く染まっていた。シャドークローはケッキングが放ったのだろう。
「大丈夫ですか?」
「あ・・・・あんたは・・・」
クローは目の前にいるケッキングに見覚えがあった。
「あんたは確かサンライ島の・・・・」
「お久しぶりですね。でも、今はそれどころじゃなさそうですよ」
ケッキングの言うとおり、まだイワパレスが数体残っていた。
「アクアテール!!」
「シャドークロー!!」
クローはアクアテール、ケッキングはシャドークローでイワパレスを蹴散らしていく。イワパレス達は弱っていたためかすぐに倒せれた。
「ふぅ・・・・ところでどうしてクローさんはこんなところに?」
ケッキングは今率直に思ったことを口にした。
「ああ。実はな・・・・・」
クローはサンライ島からのいきさつを全て話した。と、言っても秘宝は先を越され、爆弾で吹き飛ばされ、大砲で吹き飛ばされ、一人だけ砂漠の真っただ中に墜落させられたことを。
「成程・・・・探検隊も大変ですね・・・・
そう言えば・・・・・・・・いたいた・・・」
ケッキングはハリセンを手に約数十メートル先にいるどやキング・・・・・もといヤドキングのもとに向かっていった。そのヤドキングにクローには面識がなく彼にはその行動の意図がつかめなかった。すると・・・・・
「%$#?¥&#%!!!!!!」
いきなりケッキングはヤドキングのお尻をハリセンでしばき出した。ヤドキングはあまりの痛さに声にならないわめき声を出しながらもがいている。
「全く・・・・何ボケっとしてんだい!!」
「だからっていきなりしばくことはないだろ・・・・いてててて・・・・」
ヤドキングはしばかれて尻をなでる。
「なぁ・・・・・・あんたらはどういう関係なんだ?」
クローがそんな二人に割って入るように尋ねる。
「ああ、僕達は(一応)夫婦なんだよ」
「あ〜成程・・・・(なんとなく似あってるような)」
ヤドキングの説明に納得した表情を浮かべるクロー。しかし彼にはもう一つ疑問があった。
「なぁ、こう言っちゃあなんだが・・・あんたらってなんか見た目と正反対というか・・・普通じゃないって言うか・・・・」
要するにクローはヤドキングとケッキング。まるで特性が真逆みたいだなと言おうとしているのだ。
「まぁ、簡単に言うと君の言うとおりだね。僕らはある事故で特性が真逆になってしまったのさ♪」
ヤドキングがどや顔をしながらそう言い放った。クローにもやはりうっとうしいと感じたようだ。
「で、ある事故てなんなんだ?」
「それは、話すと長くなるんだけど・・・・」
「用はスキルスワップが暴発して特性が入れ替わった状態のままになってしまったんです」
横着しようとするヤドキングの台詞を遮ってケッキングが説明する。
「そうか・・・・・・・・・・・
ってこうしちゃおれん!!早く街に行ってあいつ等に合流せねば!!」
クローがはっとした様子で叫ぶ。
「急いでるようですね。手伝いましょうか?」
「本当か!?」
ケッキングの提案にクローは嬉しそうに承諾する。するとケッキングはクローの体を持ち上げた。
「お・・・・おい・・・まさか・・・(汗)」
「うおおおおおおおおおぉりゃああああああっ!!」
ケッキングはクローを街めがけて思いっきり投げ飛ばした。
「やっぱりか〜っ!!!」
クローの三度目の空の旅となるのであった♪
「やれやれ・・・・・・相変わらずバ○ぢからだな・・・・・・」
ヤドキングは憐れんだ目で投げ飛ばされたクローを見送っていた。
「ぬわああああああああぁぁっ!!」
クローは街で最も大きな家の屋根を突き破る。そうそこは街のジャローダの家だったのだ。
ここからはクローがリーフにコテンパンにされた後の話
「むぐぐぐぐ・・・・・まさかこのわしが負けるとは・・・・・
それにしてもあいつ等はどこに行ったのだ!!」
クローはずたぼろの体を引きずりながらも怒った様子で自分の部下達を探し始める。
「あっ!!クロー様!!」
「どこに行かれたのですか!?」
後ろから自分の部下のフシギダネのシード・ナエトルのシノが声をかけてきた。よく見ると二人とも口の周りにソースなど明らかに何かを食べたあとが残っていた。
「いや〜クロー様がなかなか来られないから色々食事をとってたんですが、なかなかこの街の料理も上手いものですよ!!」
「食いすぎなんだよこの蛙は・・・・って言いたいとこなんですけど私も結構はまっちゃいましてね。ここの料理は本当に上手い!!思わずお金ほとんど使いきっちゃいましたよ♪」
「「なぁ〜♪」」
シードもシノも互いに顔を見合わせる。クローがどんな顔をしているかも知らずに・・・・・・。
「いや〜クロー様も堪能されましたか?」
「まぁ一度は食べておかないとダメですよね〜♪」
「「ですよね〜♪」」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
シノ達はまるで彼に当てつけるように言い放った。クローは唖然とした表情を隠せない。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・
ウガアアアアアアァァッ!!!!!!!」
クローは我慢の限界に達したのか吹雪を放った。吹雪はシノ達に直撃し、そろって凍ってしまう。
「全く!!わしも食べてみたかったぞ!!そんなにうまいかったのか・・・・・
とにかく!!次の七つの秘宝の情報をさっさと集めるぞ!!」
「「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」」←氷状態