第三十五話 またお前か
「それポチっとな♪」
「スイッチじゃねぇんだから・・・・」
リーフは中央の岩の窪みに、ジャローダから渡された、宝石のようなものをはめた。すると突然地響きが生じ、さらにそれがどんどん大きくなっていった。
「えっ?これって・・・」
「あれですよ!!七つの秘宝が登場するんじゃないですか!!?」
「と、とりあえずここから離れた方が・・・」
ズルズキンが控えめに言うと全員がその場から離れた。岩からは依然として地響きが続いており、さらに凄まじい閃光が発せられた。
「うわっ!!まぶしっ!!」
思わず目を瞑るほどの光が砂漠一帯を覆う。
しばらくして地響きも閃光も止んだあと・・・・
「あ・・・・あれ・・・?」
リーフは自分の目を疑った。と、言うのも先ほどまであった岩が消滅しており代わりに汚らしいダンボール箱が転がっていたのだ。
「あれって、・・・・何?」
「いや、オレに聞くな・・・・」
七つの秘宝が出てくると思われたのに出てきたのはこんなみすぼらしいダンボール箱だったのだ。
「で、でも!この中にあるかも知れませんよ!!」
シャンデラが励ますようにそう言った。そう、箱だけで決めるのは早すぎる。一行はダンボール箱に血数いていった。
「しっかしまぁ汚ねぇ箱だなこりゃ・・・・」
ウォーターは改めてはこを凝視するがやはり見れば見れ程汚らしい。
「と、とりあえずあけましょ・・・」
リーフはダンボール箱を開けようとする。
「(中からス○ークが出てきたりして・・・)」
「(私か?)」
「(あんたはスパークだろうが・・・)」
ウォーターとスパークが何やらコントをしている。まぁ、そんなアホ達は置いといたリーフは箱を開けた。すると・・・・
「????ちょちょちょちょちょちょ!!!な、何いきなり!!?」
「きゅきゅきゅ、吸引されているんじゃないですか!!?」
「なんじゃぁ!!こりゃあ!!」
いきなり箱がリーフ達を吸い込もうとした。それに必死に抵抗するもあっけなく吸い込まれてしまった
「な・・・なんだったんだ・・・」
そこはいかにもピラミッドと思われる建物の内部のようだった。どう考えてもあの薄汚いダンボール箱の中とは思えない。
「設定無茶苦茶やな・・・」
「でも、この最深部に水のハーモニカがあるんじゃないですかね?」
ファイアがそう言った。確かにあるとしたらこの中にあると考えるのが妥当だろう。
「さて!早いとこ行きましょ!!」
「「おーっ!!」」
「しかし、ここの空気えらく乾燥してるな・・・・」
ウォーターがむせながら呟く。水タイプなのか乾燥をかなり嫌がっている。
「って、砂漠なんだからしょうがないでしょ・・・」
「でも、さっきまで暑さで分からなかったからな・・・・。ここ以外と涼しいからな・・・」
日が差さないからか内部は外よりも気温が低くなっていたのだ。
「あれ?なんかいきどまりですよ!!」
ズルズキンが目の前を指差しながら叫ぶ。見ると続きが壁でふさがれていた。
「どうします?」
「恐らく謎か呪文でもあるんじゃないですかね?」
ファイアとシャンデラが首をかしげる(シャンデラは首があるかどうか不明だが)
「そんなことしなくてもいいんじゃないの♪」
「「ええっ!?」」
リーフの素っ頓狂な発言に彼女以外の全員がハモる。
「めんどうななぞ解きなんてしなくっても・・・・・」
そういってリーフの体が光だした。
「お、おい・・・まさかお前・・・」
「そのまさか♪ソーラービーム♪」
ドゴオオオオオオオオォォオッ!!
辺りに凄まじい轟音が響いた。先をふさいでいた壁は粉々になっていた。
「これでよしっと♪」
「無茶苦茶な・・・」
「さっ♪先行きましょ♪」
リーフは浮かれた様子で先に進んでいった。
「(この葉っぱ・・・碌な目にあわねぇだろうな・・・)」
ウォーターはそんな彼女を呆れた目で見ていた。
「なんか不気味になってきましたね・・・・」
相変わらずのファイアとズルズキン(恐がりコンビ)が震える。ミイラやら棺桶やらピラミッド(?)っぽい雰囲気になりつつある。
「うわあああああああああああっ!!」
突如ひとつの棺桶が動き出した。それを見た二人は叫び声をあげる。
「って・・・・あなた達このネタもう体験済みでしょうが・・・・」
リーフが呆れたように言い放った。そう、動いた棺桶の正体はデスカーンだったのだ。
「がははははははは!!久しふりやな!!お前達!!」
「お、お前達・・・・ってことはもしかして!!」
「そうだ!!以前ボーマンダ城でお前達にフルぼっこにされたあの時のデスカーンや!!
へへっ、それにしてもそこのヒノアラシは相変わらずびびりやなぁ。ただの火ネズミ如きが偉そうに探検隊とかやっとる場合かっちゅうねん」
デスカーンがファイアを馬鹿にしたように言い放った。するとどこからか何かが切れる音がすることに・・・・・
「ひ・・・・火ネズミ如き・・・・・
・・・・・・・・・ぐああああああああああぁぁぁぁぁぁっ!!!
てめぇみてぇなバ棺桶が言えたクチかくおるあああああああぁぁっ!!
おお!?だいたい一発屋同盟なんて訳のわからねぇ集団作っておきながら何にもしねぇってなんなんだよ!!
ああ!?結局今のところ設定集でも何にもしてねぇでただ、だべってるだけじゃねぇか!!
こっちは必死に探検活動頑張ってんだよ!!だのに何にもしてねぇてめぇごときに愚弄される筋合いなんてどこにもねぇんだよ!!
しまいにはオノレの金色の胴体かち割って内臓混ぜたろけ!?ごるぅあ!!?」
ファイアが今までにない怒りを大爆発させている。他のメンバーは茫然となって見ている。
「ちょ・・・・ど・・・どうしたのこれ・・・・?しかも何で関西弁に?」
「やかましいわ!!ブラストバーン!!」
「ちょ・・・おい!!ヒノアラシは覚えない筈やろ!?」
「じゃかましい!問答無用じゃい!!」
デスカーンが抗議するも、無論そんなものファイアには聞く気は微塵もない。
「ぐぼげが&&’#!*)=○$%!!!!!!!!」
デスカーンはもはや言語ともとれない奇声を発しながら焼かれていく。
「ちょ・・・ファイア・・やりすぎなんじゃないの・・・?」
「こうでもしないとこいつは懲りないでしょう?」
いつの間にか人格が元に戻っていた。デスカーンはもはやあとかたもなくなっている。
「まぁ、とりあえず再出発しないか・・・・・?」
ウォーターが話をうまいこと切り替えた。
「それにしてもデスカーン(あいつ)毎回何しにでてきたんだか・・・・」
「さて気を取り直して・・・・・・この扉・・・扉?」
「どうしたの・・・・・・・・
????!!!」
全員がまたしても目を疑う光景を見てしまった。また先をふさがれていたのだが今度はなんとふすまにふさがれていたのだ。
「なんと和風な・・・・・」
「でもこれ開かないんですけど・・・・」
ファイアの言うとおりふすまは開けようとしても全く微動だにしなかった。
「じゃあ今度は・・・リーフストーム!!」
「またかああああぁい!!」
リーフは大量の葉の嵐、リーフストームを繰り出した。
「まぁ、これでふすまなんて・・・・」
「じっくり残ってますよ・・・」
ズルズキンの言うとおりふすまは傷一つなくその場に原型をとどめていた。
「どんだけ頑丈なん!?」
「ん?よく見たら鍵穴があるぞ!!」
「なんでふすまに!!?」
スパークが指差した先には典型的な鍵穴がふすまの中央部に残っていた。
「どうやら鍵を探さないといけないようですね」
「秋になるとおいしいのよねぇ♪」
「それは”柿”でしょうが」
久々のようなリーフのボケにファイアが突っ込む。