第二十一話 親友
ゼニガメズを蹴散らし、無事(?)オニゴーリから七つの秘宝を譲り受けたリーフ達(あの後本物に取り換えてもらった)。
そして現在は船で船着き場に戻ってきたところである。
「色々とお世話になりました」
「いや、こっちも冒険ができて楽しかったっすよ」
(はぁ〜、やっと終わった・・・・)
リーフと、ダゲキが互いに礼を言いあっている中、ローブシンはこっそりとほっとした表情を浮かべる
「それにしてもリーフさんってなかなか頭いいっすね〜」
「それほどでも・・・・ありますけど(笑)」
(・・・・・・・・・・・怒)
リーフとダゲキが世間話している間、ローブシンは徐々にイラついていた。子供っぽい彼は、このような類のものは大嫌いなのだ。
「まぁ、七つの秘宝も手に入れたことだし、一杯やるか♪」
「おっ・・・・♪」
スパークが浮かれた様子でそう言った。密かにローブシンも乗り気である。やはりじいさんならではなのだろうか。
「おい、親父・・・・
未成年者がいるとこに・・・・」
「牛丼でも♪」
「そっちかい!!」
ウォーターは盛大にずっこけた。
「とりあえず疲れたから一回帰りませんか?」
「じゃあ、そうしますか♪」
ズルズキンの提案にリーフも納得した様子を浮かべる。
「では、失礼します。ありがとうございました」
「いやいや、こちらこそ」
ローブシン以外全員が礼を言って、船着き場をあとにした。(ローブシンは飲みたい気持ちでいっぱいだったため、落胆している)
「は〜、疲れたあとにはやっぱり一杯やりたいよな〜♪
連続での探検活動はこたえるわ」
スパークが飲む仕草を見せながらそう言った。
「って、牛丼じゃないんかい!!」
「いや〜、やっぱ飲みたくなってな♪はっはっは♪」
「は〜っ(汗)」
ウォーターがため息をついていると・・・・
「おらよ!郵便!!」
「うわっ!!」
突如ペリカンのようなポケモン、ペリッパーが現れ、ウォーターの顔面に二通の手紙を投げつけてきた。
「何しとんじゃこら〜っ!!(怒)」
しかし、ペリッパーはそんなことは全く聞かずに去っていった。
「そんなことは置いといて、誰からの手紙でしょか?」
ファイアが投げつけられた手紙を取った。差出人にはワルビアルの名があった。
「わ、ワルビアルから!?」
ズルズキンは思わず手紙をひったくった。その手紙にはこう書いてあった。
{拝啓、チームリーファイの方々、ズルズキン、探検活動の調子はいかがですか?
先日のボーマンダの件ではお世話になりました。心なしか、屋敷の雰囲気も良くなったような気がします。
ワタシは相変わらず、屋敷で働いております。些細な失敗でも、やっぱりサザンドラさんの流星群が飛んできます・・・(汗)
ズルズキン,臆病なお前がまさか探検隊なんて、今でも少し信じられないよ。でも正直やりたいことができたお前が羨ましく思ってる。少しでいいから変わってくれないか(笑)?流星群受けすぎて体が持たん・・・・・
七つの秘宝の収穫はどうですか?リーファイさんの探検活動、そして七つの秘宝のコンプリートをお祈りしています。また、たまには屋敷に遊びに来てください。喜んで歓迎いたします。
ワルビアルより
P.S. 今の対戦環境でワルビアル(ワタシ )ってどれくらい使用されているのでしょうか?
}
「知らんがな!!」
「わざわざオチつけんでも・・・・」
ウォーター、ファイアが順に(P.S.)に突っ込む。
「・・・・・・・・・(涙)」
そんな中ズルズキンは手紙を持ったまま固まっていた。彼の目には涙が浮かんでる。
「いい友達を持ったな」
「・・・・・はい・・・」
スパークがズルズキンの肩をポンとたたく。
「よし!じゃあズルズキンの友情を記念して飲むとするか!!」
「勝手に決めるな〜っ!!」
場所は変わって、
「また、失敗したと言うのか」
ゼニガメズとバクフーンの姿があった。
「も、申し訳・・・」
「黙れ、言ったはずだ。失敗すればそれ相応の罰を下すと。仕方ない・・・・」
「ひゃっ・・・・バクフーン様・・それだけは・・・」
ゼニガメズの言うことには耳を傾けず、バクフーンはゆっくりと目を閉じる、そして目を開けた瞬間・・
「うわあああああああぁぁぁっ!!」
突如ゼニガメズに強烈な頭痛がした。バクフーンの神通力だった。ゼニガメズは耐え難い痛みにもがき苦しむ。それが十分ほど続いた。
「へへへ、今度はオレの番だな♪お〜い♪」
今度はサメハダーが現れた。嬉しそうに誰かを呼んだ。すると執行人と思われるポケモンが現れゼニガメズを部屋の中に連れ去った。
「ううっ・・・、ここは・・・」
意識を取り戻したゼニガメズが辺りを見渡すと・・・
「うっ・・・・(大汗)」
部屋には大量のルージュラが待ち構えていた。そして・・・
「ぎゃああああああぁあぁぁぁっ!!!!」
文字通りの悪魔のキッスがゼニガメズに炸裂する。それを見たサメハダーはケラケラと笑っている。
「全く・・・・お前のそれは罰と言えるのか・・・・」
「いいじゃねえか♪オレも実際にあれされんの嫌だしさ♪」
バクフーンがため息をつきながら諌めるもサメハダーは全く反省の色を見せない。
「んで、今回の仕事ってなんだ?」
「ああ、早い話が暗殺だな」
「またか・・・・」
「文句言うな、行くぞ」
サメハダーがこうも消極的なのも、彼は戦闘は好きなのだが、殺し自体には少なからず抵抗を持っていたのだ。反対に相方のバクフーンはまるで機械のように、殺しを続けてきた。そんなわけでサメハダーはバクフーンに嫌悪感すら持っていたのだ。(ちなみにサメハダーは殺しをしたことがない)
バクフーンとサメハダーは部屋をあとにした。