第二十話 クローの物語 2
「ぬおおおおおおおおぉぉっ!!」
サンライ島に向かってるクローだが運悪く竜巻にあってしまう。
「ぬわあああああああぁぁっ!!」
クローが落下した先には・・・・・
「はぁ・・・・・はぁ・・・・・
酷い目にあったぞ・・・・ってここは!?」
クローは地図を見るとそこは目的地のサンライ島だった。
「よし!なにはともあれ到着だ!一気に進むぞ!!」
クローは気合を入れなおしてサンライ島の中に進んでいく。
「確か呪いの洞窟にあったと聞いたが・・・・」
「おい」
「ん?」
「おい!!ここはオレのテリトリーだぞ!」
「なんだと!?」
クローの目の前に現れたのは、例の悪ガキのナゲキだった。
「ふん!お前のような子供に・・・」
「なんだよ、おっさん」
「おっさ・・・・(怒)」
自分の言葉を遮った挙句、おっさん呼ばわりされ、クローのなかで何かが切れた。
「こいつ〜(怒)!!!ワシのこの爪でけちょんけちょんに・・・」
「こら〜っ!!」
クローが攻撃しようとした瞬間、どこからか怒声が聞こえたナゲキの母親のケッキングだった。例によってナゲキの表情が暗くなる。
「また、お前って子は!あれほど言ったのにまだ懲りないようだね!!」
「ひぃ〜っ、母ちゃん許して〜(涙)!!」
「・・・・・・・(な、なんだ・・・)」
ケッキングはナゲキの尻を、思いっきりたたいている。ナゲキはその痛みに悶絶している。
クローはただ黙って茫然とその様子を見ている。
「申し訳ありません・・・・」
「い、いや・・・・・」
ケッキングが申し訳なさそうに頭を下げる。(同時にナゲキの頭も押さえつけている)
「もしかして、七つの秘宝を・・・」
「そうだ!!この島に七つの秘宝が隠されてると聞いてな!!」
ケッキングの問いにクローは胸を張って答える。
「そうですか(あの方たちのお伴の方かもしれないわね・・・)
ではワタシの家に来ていただけ・・・」
「ワシは急いでいる・・・」
「あっ、こちらですよ」
「(聞いてない・・・・)」
クローは半ば無理やりケッキングに連れられる。
「どうやってこの島にこられたのですか?」
「泳いできたぞ!!道中酷い目にあったけどな・・・」
「あの海域を!?それは御苦労様です。あっ、どうぞ」
「ああ、それよりそんな凄い海なのか?」
クローはケッキングから出されたお茶を手に取る。
「あの海は大量のプルリル、ブルンゲルの生息地でして、縄張りに入ったポケモンは容赦なく海底に引きずりこむ習性があるらしくて・・・
ですから、この島に来るには大抵の方は船を使ってくるようなんです」
「ほぉ〜っ」
クローはお茶を飲みながらケッキングの話を聞いていた。
「・・・・・・・・・・
そうだ!こうしてはおれん!!早く洞窟の中に行かねば!!」
クローははっと気付いた様子で立ち上がる。
「でしたら、これを持って行ってください」
ケッキングはクローに防寒着を差し出す。
「あの洞窟は氷ポケモンの亡霊がすんでるらしく、かなり寒いらしいですよ」
「そうか!恩にきるぞ!!」
クローは防寒着を受け取って。家をあとにした。
「う〜ん、特にこれといったものはないな・・・・・」
クローが洞窟に入って数十分後、いまだにこれといったものは見つけれてない。
「ひいいいいいいいぃいぃっ!!」
「な、なんだ!?」
突如叫び声が響いた。クローはとっさに構える。
しばらくして姿を現したのは、アーケオスだった。
「おい!待たんか!!」
「は、はいいいぃぃぃっ!!」
クローの叫び声にアーケオスはドキッとする。おそらくまだ弱気状態なのだろう。
「おい!お前!ここで七つの秘宝を探している奴に合わなかったか!?」
「そ、それならあそこに行きました・・・・」
アーケオスはびくびくしながらそう言った。
「そうか、急がねば!!」
クローが走り出そうとすると・・・
「待ちな!ただで帰すと思うなよ」
「なんだ?」
突如アーケオスの口調が変わった。自然治癒により体力が半分よりも上回り、弱気が消えたのだ。
「このオレ、盗賊アーケオス様が・・・・」
「気合パンチ!!!」
「ぎゃああああああぁぁっ!!」
アーケオス撃沈・・・・
「ふん!!無駄な時間を取らせるおって!!」
クローはのびているアーケオスを放置してその場を去った。
「はぁ・・・・はぁ・・・・
ここが最深部なのか・・・・?」
ここまでダッシュで来ていたクロー。流石に疲れているようだ。
「ん?なんだお前?」
クローの目の前に現れたのはオニゴーリだった。かなり面倒くさそうである。
「お前が七つの秘宝を持っておるのか!?」
「ああ、あれか?確かに持って・・・」
「それをこっちに渡してもらうぞ!!」
「お、おい!!ちゃんと話を・・・」
「気合パンチ!!」
クローはオニゴーリに気合パンチを放つが、オニゴーリはかろうじて交わす。
「全く・・・、吹雪!!」
「ぐっ・・・・」
オニゴーリは口から極寒の風、吹雪を出す。効果はいまひとつながら、クローは顔をしかめる。
「なかなかやりおるな・・・・
だがワシは負けんぞ!!ハイドロポンプ!」
クローも負けじと激流のハイドロポンプで反撃する。
「やるな・・・さっきのゼニガメ達よりもやるじゃねえか」
「さっきのゼニガメ達?どういうことだ!?」
クローにはさっきのゼニガメがきになるようだ。
「ああ、さっきここに四人のゼニガメが来てな、お前のお探しのモンを盗ろうとしたわけ。
そんで・・・・」
「そいつらはどこに行った!!」
「あそこ」
オニゴーリは洞窟の出口らしき所を表した。
「よ〜し、今度こそワシが取ってやる〜っ!!!」
クローは超特急で洞窟をあとにした。
「はぁ〜、あいつ全然ヒトの話きかねえなぁ〜
まぁ、あのゼニガメ達やさっきのワニノコもどうなってもいいからほっといたけど・・・・
とりあえず寝るか♪」
オニゴーリはそのまま寝てしまった。
場所は変わって。島の海岸
「はぁ〜、リーダーどうするよ・・・」
「知るか・・・・」
「また失敗したから、バクフーン様のお仕置き確定だぜ・・・」
「「はぁ〜」」
ゼニガメズ全員のため息が一致する中・・・・
「お前達か〜っ!!」
「なんだなんだ!?」
ゼニガメズが振り向くと一人のワニノコ、クローが立っていた。
「お前達だな!七つの秘宝を盗ったものは!!」
「(リーダー、もしかしてあいつ・・・・)」
「(よし、あいつももしかしたら何か知ってるかもしれんな・・・・)」
「おい!!何ごちゃごちゃ言っとるんだ!!」
ゼニガメズはクローを倒して、七つの秘宝のありかを聞こうと企んでいた。
「(そうだ!!さっきは忘れていたけど・・・・)
これでも食らえ!!」
赤ゼニガメはどこからかマルマインのようなものを取り出して、クローに投げつけた。
いわゆる爆弾である。
「ぬわあああああああぁぁぁぁっ!!」
思わずクローは伏せてしまうが・・・・
「ん?」
ポコッという効果音とともに爆弾はそのまま転がっていた。不発したのだ。
「あ、あれ・・・・?」
「り、リーダー・・・・?」
「ガハハハハハハハハ!!爆弾かと思えばただの玩具ではないか!!
こんなものこうしてくれる!!
気合パンチ!!」
クローは爆弾に気合パンチを放つ。
「あっ・・・・・・・」
ゼニガメズが見事にシンクロする。パンチが爆弾に当たると、爆弾は光だした。
そして・・・・
「「うわああああああぁぁぁっ!!!」」
爆風が五人を飲み込んだ。その後五つの影が星になった。