第十八話 弱気
「ここです」
ケッキングが案内した洞窟はいかにもおどろおどろしい雰囲気が漂っていた。
「ううっ・・・・やっぱ怖そうですね・・・」
「・・・・・・・(」
例によってファイア・ズルズキンはガタガタ震えている。
「それでは、ワタシはこれで・・・」
ケッキングが去ろうとすると。
「おらぁっ!!ここはオレの・・・」
「また、悪さを・・・全く・・・」
ナゲキの声が聞こえ、ケッキングはすうっと息を吸った。そして・・・
「こら〜っ!!!今日という今日は承知しないよ!!」
ケッキングはかなりの大声で怒鳴りながら、走って行った。その声にリーフ達は思わずみみをふさぐ。
「・・・・・・・・さ〜て行こうか・・・」
洞窟に入って数分後
「おい!なんだこれは!?」
ローブシンが叫ぶ。彼が見たものは地面から大量のトゲが出てくる仕掛けのようなものだった。
「これじゃあ通れそうにないですね・・・」
ズルズキンがため息まじりにそう言った。
「・・・・・・・」←耳打ちしている。
「・・・・成程な!わかった!
冷凍ビーム!!」
リーフの耳打ちにウォーターは納得し、冷凍ビームを地面に向けて放つ。冷凍ビームで凍らせればトゲもでで来ない。そう考えていたのだ。
「流石リーフさんですね!」
「それほどでもあるけど・・・・
あ、あれ〜っ!!」
リーフが調子に乗っていると凍った地面の滑ってしまい、勢い余ってそのまま海におちてしまう(洞窟内には所々に海水が流れている)
「だ、大丈夫・・・・?」
「う、うん・・・・」
リーフはあとからおってきたファイア達に助けられる。
「全く・・・・」
ウォーターが諌めるようにそう呟く。
まぁ、そんな感じで進んでいると・・・・
「ゲハハハハハハハハ!!」
「またけったいな笑い声やで・・・・」
どこからか変な笑い声がした。声の正体は始祖鳥のようなポケモン、アーケオスだった。
「なんじゃお前らは!?」
「それはこっちの台詞なんだけど・・・・」
「オレは盗賊のアーケオス様だ!!ここの財宝を渡さんぞ!!」
「えっ・・・?」
「あっ・・・・・・・」
アーケオスはなぜか財宝の存在をばらしてしまった。
「ぞうきんを縫ったりするの?」
「それは裁縫じゃ〜っ!!お前みたいなボケには財宝は渡さん!!食らえ!!」
アーケオスはリーフ達にアクロバットを繰り出す。
「おっと!」
リーフはアクロバットをかわす。
「(確かアーケオスって・・・・・)
・・・・・・・・・・・」
リーフは他のメンバーに再び耳打ちをする。
「わかった!」
「相談は終わりか!!高速移動!!」
ファイア・ウォーター・スパークは穴を掘るで地面に潜り、アーケオスは今までより素早く移動する。
「ゲハハハハハハ!!オレに地面技がきくかぁっ!!
・・・・・・ん?」
アーケオスは馬鹿にしたように嘲笑うがその笑いもすぐに止まった。地面から火炎放射、ハイドロポンプ、十万ボルトがでてくる。
「ゲハハハハハハハ!!当たらんな!!」
アーケオスはそれらの攻撃を軽く交わす。
「「ストーンエッジ!!」」
ズルズキン・ダゲキはとがった大量の岩を発射する。
「当たらん!!当たらん!!」
それらも軽く交わされてしまうが技はそれでも出続けている。
「無駄無駄ぁっ!!」
「蔓の網!!」
リーフは蔓の鞭を大量に出した蔓の網を繰り出し、アーケオスを狙う。
「ぐっ!!」
アーケオスは蔓の網をかわそうとするもまわりに攻撃が飛んでいたので、交わすことができずにとらえられる。
「葉っぱカッター!!」
「グオオオオオオオオオオォォォッ!!」
葉っぱカッターはアーケオスに直撃する。蔓の網は攻撃の瞬間に解いていた。
「やったか!?」
「いや、まだですね」
ズルズキンが言った通りアーケオスはまだ立っていた。
「まだやるのか!?」
ウォーターが声を荒らげる。
「ひい〜っ!!すいません!!すいません!!降参です〜」
全員が盛大にずっこけた。先ほどと同じアーケオスとは思えない態度となっている。
「な、なんすかこれ・・・・?」
アーケオスの特性弱気だった。本来は体力が減ると能力が著しく下がるものだが、このアーケオスは態度までもが弱気になるようだ。
「どうしますか?」
「とりあえず・・・・・
かえって」
「はい〜っ!!」
アーケオスは帰った。
「・・・・なにしにでてきたんでしょうか?」
「いや、きかれても・・・・・?」
「とおりあえず先に・・・」
「そうしますか・・・・」
先に進んでいると行き止まりになっていた。おそらく最深部なのだろう。
「うおおおおおおおおぉん・・・・・」
「な、何この声・・・?」
不気味な声が聞こえた、しばらくすると・・・
「うわああああああぁっ!!」
突然、顔面のみの氷でできたポケモン、オニゴーリが現れた。
「俺様の宝を奪いにきたのか〜」
「いや、実はここにある七つの秘宝を探していて・・・」
ファイアは必死に弁明する。しかし秘宝なんてこと言ったら余計に怒りに触れるのでは・・・・
「七つの秘宝?ひょっとしてこれ?」
そう言ってオニゴーリは楽器を取り出す。
「そうそう!!それです!!」
リーフは楽器、氷のフルートを見て過剰に反応する。
「あっそ、じゃあ、あげるよそれ」
「えっ・・・?」
「いや、オレこれあんま気に入ってないし・・・正直どうでもよかったんだよね」
「そ、そう・・・・」
リーフはオニゴーリから氷のフルートを受け取ろうとするが・・・・。
「貰った!!」
「!!?」
何者かが氷のフルートをひったくった。
「へへへへへ、七つの秘宝は頂いたぜ!」
「流石リーダー!!」
「きまってる〜!!」
氷のフルートを奪った者の正体は・・・・・・