第十七話 ワルガキ登場
「や、やっとついた・・・・・・」
ズルズキンがいまだ気持ち悪そうな表情で船を降りた。
「だ、大丈夫?」
「大丈夫で・・・。うっ・・」
リーフが安否を問うが明らかにアウトである。
「よっしゃ〜っ!!早速行くか!!」
「何でお前が仕切る?」
「・・・・・・・・・」
ウォーターの掛け声にスパークが突っ込む。
「頑張れよ〜」
ローブシンはめんどくさそうに手を振る。
「師匠(あんた )も来〜い!!」
「なんでじゃ〜っ!!」
「だって一人にしたら勝手に帰りそうだから」
(ありえる・・・・・)
ダゲキは(無理やり)ローブシンを引きずっていく。
「はぁ〜随分あるいてないか〜?」
「って、まだ三分しかたってないけど・・・」
早くもローブシンが愚痴たれる。
「おい!」
「ん?」
どこからか声が聞こえてきた。声のする方を見ると、ダゲキと同じような胴着を着た赤色のポケモン、ナゲキの姿があった。
「誰?」
「ここはオレのテリトリーだ!勝手に入るな!!」
「なんかめんどくさそうな奴だな・・・」
ローブシンが厄介者を見るようにそう言った。
「なんだ?このじじい」
「じ・じ・い・・・・・・・?」
ナゲキの言葉にローブシンは怒りの表情を浮かべる。
「おい!誰がじじいだ!!」
「ローブシン(あんた )しかいないじゃん」
「こいつ・・・・ワシがじじいだと〜(怒)」
「師匠!落ち着いて!!」
ナゲキに殴りかかろうとするローブシンをダゲキが止める。
「ところで、君のテリトリーって言ってたけど、どういうことなんすか?」
「言ったとおりだ、ここはオレのテリトリー(ばしょ )って」
ダゲキの問いにも生意気そうな口調で話すナゲキ。その様子にウォーターも苛立ちを覚える。
「僕達ここの洞窟に行って七つの秘宝を探しているんだ。だから通してもらえるかな?」
ズルズキンがなだめるようにそう言うが・・・・
「七つの秘宝?そんなの噂にきまってるじゃん、どっちにしても弱そうなあんたらじゃ無理だと思うけど」
その言葉に何かが切れる音がした。
「こいつ〜どれだけ人をおちょくったら気が済むんだ〜(怒)!!」
「気が済むまで殴らせろ〜(怒)!!!」
ウォーターとローブシンだった。完全に怒り狂った表情でナゲキに殴りかかろうとする。
リーフ・ファイア・スパーク・ズルズキン・ダゲキはそんな二人を止めている。依然としてナゲキはそんな二人を馬鹿にした表情で見ている。すると・・・・・・・
「こら〜っ!!!」
どこからか怒声が響いてきた。その怒声にナゲキの表情が焦りのものへと変わる。
怒声の正体はゴリラのようなものぐさポケモン、ケッキングだった。
「またお前は悪さばっかりして!!今日という今日は承知しないよ(怒)!!」
「ひい〜っ(汗)かあちゃん許して〜っ!」
ケッキングはナゲキにびんたを食らわす。ナゲキの言葉からこのケッキングは彼の母親ののだろう。
リーフ達はその様子を茫然と見守っていた(先ほどまで怒り狂っていたウォーターやローブシンも)
しばらくして・・・・
「すいません・・・うちの息子がご迷惑を・・・」
「い・・・いえ・・・・(汗)」
ケッキングが頭をさげる。先ほどの光景の一部始終を見たリーフ達はそういうしかなかった。(前にもこんな展開があったような気がするのは気のせいでしょう)
「ところで、どうしてこの島に?」
「実は・・・・」
リーフはケッキングにことのいきさつを話した。自信が七つの秘宝を求めこの島に来たことを。
「そういうことですか・・・・・
とりあえずワタシの家に来て頂けませんか?先ほどのお詫びもしないと・・・」
「は、はあ・・・・・」
リーフ達はケッキングのあとをついていった。ある意味では断れなかったのかもしれない・・・・・
「先ほどは申し訳ありません・・・」
ケッキングが今度は土下座をして謝っていた。正直ものぐさポケモンとは思えない。(ちなみにナゲキは頬を腫らした状態でいる)
「たしか、七つの秘宝をさがしてらっしゃったのですね?」
「は、はい」
「でしたら、この近くの洞窟の奥にあるようですが・・・」
「ですが・・・・?」
ケッキングの最後の言葉が気になっていた。恐らく悪いことだとは思うが・・・
「実はあの洞窟には、数億年前のポケモンの亡霊が住み着いているらしいのです」
「ぼ・・・亡霊〜っ!!?」
ファイアとズルズキンは身を寄せ合う。
「ぼうれいって夏につけるあれ?」
「ってそれは冷房でしょ・・・
まぁ、亡霊の呪いがあってあの洞窟には誰も近づこうとしないんです」
「・・・・・・・・(震)」
ファイア・ズルズキンはガタガタ音を立てて震えている。
「あと、聞いたところによると亡霊は氷タイプらしいですから、これを持っていってください」
そう言ってケッキングは袋から大量の防寒着と氷タイプの技を半減させる木の実、ヤチェの実を取り出した。
「ありがとうがざいます!」
「じゃあ洞窟まではワタシが案内しましょう」
リーフ達はケッキングの先導され洞窟にむかった。
「ふぅ〜、やっとついたぜ」
場所はかわって島の海岸、四人の影が浜辺に姿を表す。
「なあリーダー、こんな島に七つの秘宝があんのか?
この前のトゲトゲ山は結局なかったらしいぜ?」
「大丈夫だ!それに今回は邪魔が入ってもちゃんと用意はしてある!」
リーダーと呼ばれたポケモンは自信満々に答える。
「それに俺達は最高にかっこいいチームなんだぜ!?」
「流石リーダー!!かっこいい〜っ!!」
「よくわかってるじゃないか!」
四人組はこんなやり取りを続けていた。