第十六話 到着!サンライ島
前回なんとかローブシンを(無理やり)説得し、船を貸してもらえることができたリーフ達。
現在はローブシンの家の前で準備中なのだが・・・・・・
「まだなんですか?」
ズルズキンがうずうずした様子でそう言った。と、言うのも、ローブシンが全く出てこないのだ。当然、彼以外は全員準備出来ている(無論ダゲキも)。
「ちょっと見てくるっすね」
そう言ってダゲキは家のなかに入った。リーフ達もこっそり中をのぞいてみた。すると
「はぁ〜っ♪」
その光景はローブシンがストーブで気持よさそうに暖をとっている。極楽極楽と言わんばかりの表情である。
(ちょ、ちょっと待ってくださいね)
ダゲキはローブシンに聞こえないようにリーフ達に耳打ちし突然、ローブシンのもとに走り出す。そして・・・
「熱ちゃちゃちゃちゃちゃっ!!!」
ダゲキはローブシンに渾身のとび蹴りを食らわす(本来ダゲキはとび蹴りを覚えないが)。ローブシンはその勢いでストーブに直撃し、その熱さに悶絶する。相当温度を上げていたのだろう。
「何すんじゃ〜(怒)!!!」
「師匠がさっさと準備しないからでしょ(怒)!!」
口論がはじまった。まぁこんな感じで口論がしばらく続き・・・・
「なんかわたし達ないがしろにされてない?」
数十分後
「すいません・・・・・(汗)」
ダゲキが申し訳なさそうに頭を下げる(ちなみにローブシンは氷が入った袋を顔にあて、火傷した顔を冷やしている。先に頭を冷やしてほしいものだ)
「まぁ、それより出航しますか?」
「そうっすね」
リーフはファイアとズルズキンの表情を見て出航を促す。
「お〜い、早くのってくれ〜」
「いつの間に!?」
すでにローブシンは船に乗り込んでいた。本当にいつの間に乗っていたんだ・・・・。
「今からいきま〜す」
リーフ達も急いで乗り込む。
「よし!それじゃあ出航だ〜!!」
ローブシンの掛け声とともに船が動き出した。それをひっそりと見ている四つの影があった。
「よし、我々もあの後を追うぞ」
「了解だぜリーダー」
四つの影は海に飛び込み、船を追っていった。
「うっ・・・・・・」
出航して数分後、ズルズキンの顔色が悪くなった。
「だ、大丈夫か・・・・?」
「は、はきそう・・・・・」
俗に言う船酔いだった。今にも出しそうである。
「向こうに船酔い用の袋があるっすよ」
「す、すいません・・・・・」
ズルズキンは急いでそこへ向かった。
「・・・・・・・・・・・」
何ともいえない空気が漂うなか・・・・
「さて(釣りを)始めますか」
ダゲキが釣り竿を取り出す。
「何でじゃ〜!!」
「いや〜、師匠のもとじゃあなかなか他の海で釣りをする機会なんてないっすから」
もっともかもしれないがなぜこの時に?
「じゃあせっかくだから、釣りします?」
「いや、だから何で今・・・・・・」
「教えてもらっていいですか?」
「おもしろそうですね!!」
「釣りとは久方ぶりだな!!」
ダゲキの勧誘にウォーターが突っ込むなか・・・、リーフ、ファイア、スパークは完全に乗り気である。
「はぁっ〜(汗)」
ウォーターは一人ため息をつく。その時・・・・
「こら〜(怒)!!!師匠(ワシ )に船を操縦させて弟子(おまえ )はのんきに釣りか〜(怒)!!」
ローブシンが操縦席から怒鳴りつけると・・・・
「師匠!!前!前!!」
ダゲキが前を指差す。そのさきには岩盤があった。
「うおああああああああぁあぁっ!!!」
ローブシンは思い切り舵を切ってかろうじて岩盤をよけた。
「師匠!わき見運転っすよ(怒)!!!」
「すまん・・・・・」
正直師匠の威厳のいの字も見えない・・・・。
「さて(釣りの)続きを・・・・」
ダゲキ達は釣りの続きを開始した。
「あっ、きた!きた!」
リーフは自信が持ってる釣りざおに手ごたえを感じた。
「・・・・・・・・」
「・・・・・・・(笑)」
「・・・・・ぷっ・・・」
「・・・・・・・(笑)」
リーフは釣りあげたものは、ぼろい長靴だった。はずれといわんばかりである。(ちなみに笑ったのはウォーターである)
「何でこの世界に長靴があるの!?」
「突っ込みどころそっちかい!!」
「たしかにそうっすけど・・・・」
とかなんとかやってると突然一面が深い霧に覆われた。
「な、なんすか!?」
「やっぱり呪いの島のサンライ島に近づいたのか・・・・」
うろたえるダゲキをしり目にスパークは冷静に分析する。
「これはちょっと覚悟したほうがええな」
ウォーターが警戒した様子でそう言った。
「な、なんか体の震えが止まらない・・・・・・(震)」
突如リーフが震えだした。
「怖いですね〜(震)」
「くっつくな〜!!」
ファイアが怖がってリーフにくっついて震えていただけだった。
一方ローブシンはというと・・・・・
「・・・・・・・・・・(大汗)」
ファイア以上に震え、さらに股間が濡れていた。こんな状態で操縦できるのか・・・・・。心底心配だ。
そしてズルズキンはというと・・・・・・。
「うっ・・・・・」
いまだ船酔いだった・・・・・。
そんな感じで進んでいくと、
「あれ?何もなかったですね」
霧が晴れ、何も起こらなかった。
「なんじゃこれ!!」
「あっ、あれがサンライ島じゃないっすか!?」
ダゲキが指差した方には一つの島があった。おそらくこの島がサンライ島なのだろう。
「いよいよ上陸ね・・・・」
一方そのころ・・・・リーフ達が出航した船着き場では・・・・。
「今度こそ間違いないのだな!?」
船着き場にいたのはワニノコのクローとその部下のナエトル、フシギダネだった。
「今回は大丈夫です。サンライ島というところに、七つの秘宝があるそうです。今回は地図もありますからね」
ナエトルのシノはそう言った。
「しかし、クロー様、サンライ島にはどうやっていかれるのです?」
「ふん!今回はワシだけで泳いで行く!!お前達は待っていろ!!」
そう言ってクローはシノから地図をひったくって海に飛び込んだ。
「クロー様!!」
「行っちゃったな・・・・」
シノ達はただクローを見送っていた。というか、泳げない彼らは見送らざるを得なかったのだが……。
「よ〜し今回こそワシが一番に七つの秘宝をてにいれてやるからな〜っ!!
ん?なんだこれは!!?」
クローの目の前には水色とピンク色の触手があった。それにふれると・・・。
「な、なんだこいつらは!!?」
それはプルリル、ブルンゲルの触手だった。プルリル達はクローを海底に引きずり込もうとする。
「なんの!!ワシは負けんぞ!!噛み砕く!!」
クローはプルリル達に噛み砕くを食らわせる。
「噛み砕・・・・あれ?」
続けて噛み砕くを繰り出そうとしても、出せなかった。特性の呪われボディである。
「ウガーッ!!!」
クローには抵抗するしかなかった。事実彼の持ち技はことごとく無力化されてしまうのだった。
「はあっはあっ・・・・・なんとか脱出できたぞ・・・・」
呪われボディが解けるまで抵抗、発動するまで噛み砕くの繰り返しでなんとか危機を脱したクロー。しかしそれも束の間の安心だった。
「な、何〜!!!」
竜巻が起こった竜巻はクローに向かって急接近する。そして・・・・
「ぬおおおおおおおおおおおぉぉぉっ!!!!」
クローは巻き込まれてしまった・・・・・。