第九話 間抜けなデスカーン
「ここね!」
リーフ達はボーマンダが住んでいると思われる城に到着していた。
「おい、この扉開けへんぞ」
ウォーターが扉を開けようとするが、扉は微動だにしない。
「きっと暗号かなんかがあるんでしょうね」
「よし、ここは私が」
スパークがそう言って扉の前に立つ。
「隣の客はよくきゃくく%’#)’%・・・・・・・」
「噛むな!!」
「しかもなんで早口言葉!?」
スパークに他のメンバーが一斉に突っ込む。すると・・・・・
「開いた!?」
扉が開いた。
「嘘おおおおぉっ!!?」
「と、とりあえず開いたから行こう」
一行は城の中に入っていく。
「随分不気味な城ね・・・・」
「ホンマやな・・・・」
「な、なんだ!?」
突如城全体が大きく揺れだした。
「恐いよ〜(汗)」
「ファイアとズルズキン(おまえら)か〜!!」
この二人が恐がって震えていただけだった。それにしても恐がりすぎである。
「恐いものは恐いですよね〜」
「ね〜」
ファイア達は顔を見合わせそういう。
「こいつら・・・・・(怒)」
「あ、あれ見て!!」
リーフが指差した先には、大量の棺桶があった。
「これって、もしかして・・・・」
ファイアとズルズキンがそれを見て一層震える。すると・・・
「ひ〜っ!!」
突然棺桶が起き上った。それをみたファイアとズルズキンが互いに身を寄せ合う。
「ふぁ〜あ、よく寝た」
「デスカーンが昼寝していたみたいね(汗)」
起き上ったのは、棺桶のようなポケモン、デスカーンだった。
「紛らわしいことすな〜!!」
「なんやおまえら?」
ウォーターの突っ込みに気付いたデスカーンはリーフ達の方を見る。するとデスカーンは構えだした。
「悪いけど、こっから先は通さへんで〜!」
(さっきまで昼寝していた癖に・・・・)
デスカーンはいかにも城の下っ端っぽいことを言ったが、先ほどまで昼寝していたことから、あまりそれほどとも感じられなかった。
「皆でてこいや!」
「!!!!」
デスカーンに言葉に一行は戦闘体制に入る。しかし・・・・・・
「とか言うたらいっぱい出てくるおもったやろ!
ギャハハハハ!!」
デスカーンは一人で爆笑していたが、リーフ達は冷めていた。それと同時に全員がこう思った。(これ以上相手にしたくない)と。
「はよかたずけるぞ(怒)」
「勿論そのつもりだ」
「へっ、昨日覚えたばっかりの技試してみるか!!
ガードシェア!!」
デスカーンはガードシェアをスパークにぶつけた。
「大丈夫か!?親父?」
「・・・とくに何もないな・・・・」
「なんもないんも今のうちや!!シャドーボール!!」
デスカーンは黒色の球体、シャドーボールを放つ。
「遅い!!アイアンテール!!」
「なんやと!?」
スパークはシャドーボールを打ち返す。シャドーボールはデスカーンに直撃する。
「くそっ、わいの防御力やったらこんなにきかへん筈やのに・・・・」
デスカーンのダメージは彼の想定以上に大きかった。
「ガードシェアって互いの防御力を分かち合う技でしたよね・・・・?」
「は、はい・・・・」
ファイアとズルズキンのひそひそ声はデスカーンには聞こえていた。防御力の高いデスカーンと防御力の低いピカチュウが防御力を分かち合ったらどうなるかおわかりだろう。ひそかにデスカーンはショックを受けていた。
「(しもた・・・・・・・)
くそっ、こうなったら・・・・」
デスカーンは他の棺桶に擬態した。はたから見れば棺桶がいっぱいあるようにしか見えない。
「どこにおるんや!!」
「ここはまかせて」
リーフが前に立った。すると・・・・・
「あっ!!百万ポケが落ちてる!!」
「えっ、どこ!?どこ!?」
デスカーンは引っかかった。
「ソーラービーム」
「しまった〜!!」
リーフのソーラービームがデスカーンを貫く。
「汚いぞ!!」
「火炎放射!」
「ハイドロポンプ!!」
「十万ボルト!!」
「噛み砕く!!」
「ぐわわわわわああああああああぁっ!!」
デスカーンの言葉には耳を貸さず一斉攻撃を加える。デスカーンは倒れた!
リーフは1300の経験値を得た。
ファイアは1300の経験値を得た。
ウォーターは1300の経験値を得た。
スパークは1300の経験値を得た。
ズルズキンは1300の経験値を得た。
「なんで急にゲームチックに!?」
「しかも地味に経験値高いし!?」
いいじゃん(笑)
「・・・・・・・・・
この城ってこんなんばっかりかな!?」
「だったとしたら嫌やな・・・・」
若干億劫な気持ちで先に進む一行であった。