第九十一話 激動の幻の大地 2
--古代の遺跡--
--一体何があったというのだ!?ジェットを握りつぶそうとせんばかりにメカが彼を足で拘束していたが、前触れなくその拘束が解かれたのだ。何事かと考えながらもジェットは脱出しメカを様子見ていた。明らかに挙動がおかしくなっていた。
「くっ!!なんだ!!急に操作がきかんぞ!!」
これはメガヤンマも予測はしていなかったのか。パニックのままレバーをガチャガチャと動かす。むろんそんなことでメカが正常に動くはずもなく、むしろ余計におかしくなっていった。そしてとうとう--
「まずい!!逃げねば!!」
青ざめた様子でメガヤンマは急いでメカのコックピットから脱出した。そしてメカはあちこちから煙をあげながらプスンプスンと故障に近い音をあげていた……。
『うわあああああああああああぁっ!!』
メカの壊れる爆音と共にメカの口から見たことのないワニノコ、ナエトル、フシギダネが内部の機械のパーツと共に吐きだされるように飛び出された。ワニノコ達はジェットとぶつかりそのままジェットを下敷きにする。
「うぬぬぬ……。はっ!!ここはどこだ!?」
「クロー様!!機械脱出はできたようです!!」
「外の様子からみても恐らくここは現代世界かと……」
下敷きにしているジェットには全く気にも留めずにクロー達三人は壊れているメカと色のついた景色を見て、ようやく外に出れた喜びをかみしめていた。その後三人はジェットに制裁されたというのはまた後の話。
「キサマラか!!私の崇高なメカを台無しにしてくれたクズ共は!!」
ジェット達の上空でメガヤンマが羽音を立てて浮遊していた。その羽音から彼が怒っていることは容易に見て取れた。そんな彼にクローは火に油を注がんとばかりに続ける。メガヤンマが言うにはメカの防衛機能が働きメカを壊したと思われるワニノコ達を排除したとのこと。
「なんだこいつは?うるさい奴だな」
元々怒りやすいメガヤンマだが見ず知らずのメカを壊したポケモンに言われて、本日何度目かも分からない怒りをあらわにした。ジェットは彼らに”お前達の敵だ”と付け加えた。
「何!?敵か!!ひょっとしてワシ達をあんなメカに幽閉したのもあいつなのか!!」
尤もクローは自らメカに乗り込んだためにこれは単なる逆恨みになる。だが事実を知らないジェットはそのままクローの言う事を鵜呑みにしてしまう。
「そうだ!!お前の思った通りあいつはそれだけの極悪なポケモンだ!!どうだ!?我輩と友達になって奴を倒さないか?」
「よし!!のった!!」
クローはジェットの誘いにのり謎のチームが誕生した。部下のシノとシードはきょとんとクローを見ていた。そんな彼らにクローは”お前達もだ!”と怒鳴り半ば無理やりに戦闘させたのだ。
「話は終わったか!?エアスラッシュ!!」
メガヤンマは羽根から真空の刃を打ち出した。クローはムキになって滝登りでエアスラッシュに突っ込んでいった。クローはエアスラッシュを食らい反撃を仕掛けようとするも--
「えっ!?」
「クロー様!?」
クローは攻撃を中断し、体に纏っていた水もそのまま勢いを落とし地面にビシャリと音を立てて落下していった。以前このメガヤンマと直接ではないにしろ対決したことのあるジェットはこの原因にいち早く気がついた。尤もジェットはあの時のメガヤンマと眼前にいるメガヤンマとが同一のポケモンだとは気がついてはいないが。
「ちっ、我輩のやり方がなんかあの野郎と同じ戦法で気にいらんな」
ひるみの追加効果でぞくに言う”ずっとオレのターン”メガヤンマはそれをやらかそうとしていたのだ。現にクローはエアスラッシュの追加効果で怯んでいたのだ。シノとシードはメガヤンマに攻撃をするも守るで対処される。
「ははははっ!!!メカがなくともお前達ごとき一捻りにしてくれるわ!!」
メガヤンマは先ほどの状況より速いスピードでクロー達に追撃を加えた。クロー達はそのスピードを目視できずにただ攻撃を被弾するだけだった。この異常なメガヤンマのスピードはジェットの隠し特性と同じ加速である。
「……………」
ジェットは以前アレフト達との戦闘時のように体の色を変色させた。彼の隠れ特性、そしてメガヤンマと同じ特性”加速”を発動させたのだ。
「ぐぬおあああああああぁっ!!!」
「うげえぇっ!」
「なんやとぉ!?」
連続のエアスラッシュを食らいクロー達の体はあっという間にボロボロになっていた。加速からのスピードの攻撃をかわせずに、そしてやはり運悪くひるみが続いてしまい全く攻撃に移せずにいた。そんなところをジェットはこれまでのメガヤンマの相手をずっとクロー達を囮にして自分が準備をしていたのだ。
「待たせたな!!」
そう啖呵を切りジェットはメガヤンマの背後へと回り込んだ。背後へ回り込まれたことに気付かないメガヤンマは羽根を動かしまたエアスラッシュを放とうと構えるも--
「フン!!」
メガヤンマの攻撃よりも早く勢いよくサメハダーらしき鋭い牙がメガヤンマの左翼に文字通り牙をむいた。”噛み砕く”を食らったメガヤンマの羽根はそのまま傷つき飛行能力を大幅に失ってい、そのまま空中はふらふらと浮いていた。
「やはりな……」
飛行力を持つ虫ポケモンはその飛行力を失うと大幅に戦闘力が落ちる。ジェットはそう判断し確実に羽根を狙っていた。事実メガヤンマは今にも地面に落ちそうな程にふらふらと飛んでいる。それをクローは見逃さなかった。
「ぬっ!!今だお前達!!」
「は、はい!!」
「そらくらえや!!」
クローの指示をききシノはストーンエッジをシードは痺れ粉をメガヤンマに放った。羽根の傷に加えて痺れ粉を浴びたために弱点のストーンエッジをまともに食らってしまった。
「さっきはよくもやってくれたな!!滝登り!!」
クローは今までのうっ憤を晴らすかのごとく滝登りでメガヤンマに特攻していった。滝登りを食らったメガヤンマは空中に投げだされる。それはちょうど空中にとどまっていたジェットにパスするかのように方向が精密に定まっていたようだった。
「しまいだ”暗黒龍炎(あんこくりゅうえん)”!!」
ジェットの口から真っ黒なドラゴンの形をした炎がメガヤンマに放たれた。飛行能力を失ったメガヤンマは暗黒の炎を真正面から受け、痛々しい断末魔をあげ、クロー達は思わず片目をつぶりながら耳を防ぐ。
炎がおさまり辺り一面が焦げた地面には地面より一層真っ黒なメガヤンマが横たわっていた。ジェットの横ではクロー達が止めを刺そうと攻撃をしかける。
--が、ジェットがそれを制した。
「さて、話を聞かせてもらおうか。お前は……アレフトとかいうヒトカゲと何かを加担していたな。大人しくしゃべればこれ以上攻撃はせぬぞ…」
アレフトと加担、クロー達にはこの言葉の意味が理解できずに首をひねった。当然といえば当然だが誰もそんなことは気にも留める様子はない。だがメガヤンマはうつろな目つきで”知らないな”と言うだけだった。だが無論これは嘘だという事はジェットにも見て取れた。刹那、メガヤンマの頬を炎がかすった。
「……なめるなよ。我輩をリーフのような甘ちゃんとおもわないことだなッ!!」
お前の命を奪う事なんぞ造作もないわとは続けメガヤンマに詰め寄った。そこにはあのガスを容易く捻った時のような禍々しい赤色の瞳がメガヤンマを飲み込むように睨めつけているジェットの姿が。それは完全な悪(ワル)の目つきに他ならない。
「わ、わかった!!言うから命だけは助けてくれぇっ!!」
戦闘前までの傲慢な態度を一変、情けない弱腰な態度でメガヤンマはそう命乞いをした。ジェットは誰にも聞こえない声で”お前なんぞ殺す気にもならんわ”と漏らしていた。そしてメガヤンマは口を開けた。
--時限の塔入口--
--私達未来の者は存在しないということなのだぞ
ヨノワールの口から発せられた言葉。それは言いかえれば自分達の”消滅”の二文字に他ならなかった。そんな衝撃的な言葉が出たにも関わらずジュプトルの顔は驚きよりもどちらかと言えば憤りを見せていた。
「それがどうした!?お前達はあの世界で生きることが本望なのか!!」
「黙れ!!お前には私の考えが理解できるかあぁッ!!」
ジュプトルの様子につられて冷静なヨノワールまでもが感情的になった。ヨノワールはそのまま炎のパンチでジュプトルに殴りかかもまたも地響きが生じ2人してバランスをくずしヨノワールは炎のパンチの腕をそのまま地面につける。
--もう時間がない!!--
--ガシッ!!ジュプトルはこれ以上長々とこの自分達が現代世界にいても仕方ないと判断。ヨノワールの炎のパンチの炎を纏っていない腕を掴んだ。あっけにとられるヨノワールの一瞬の隙を突き、ジュプトルはそのまま羽交い絞めにし時空ホールへ引っ張っていった!
「な、何をする気だ!!」
「何って、ここよりも未来世界のほうが地響き(じゃま)がなく決着がつくんじゃないのか?」
ジュプトルはあくまでも決着のためと主張、だが本心は自分の意思をリーフ達に託したとこにほかならない。彼自身は邪魔となるヨノワールを駆逐するために自らを犠牲となることは何一ついとわなかった。ヨノワールは必死に脱出しようともがくも体制が悪く上手く力が入らずに徐々に時空ホールへと近づいていった。
「や、やめろおおおおおぉっ!!はなせえぇええええええええっ!!」
「うるさい!!すぐにでも連れてってやるから黙っていろ!!」
一喝したあとジュプトルは一瞬だが時限の塔の頂上へと目線を映した。そしてわずかに口元を動かしていた。それはヨノワール達にも気付かない程度に……。そして--
「うわあああああああああああああああああああああああああぁっ!!」
時空ホールに2人のポケモンが吸い込まれ、そのうちの一人の断末魔が辺りに響いた。今まで気絶していたヤミラミ達もそれで目を覚まし後を追うように入っていった。
--時限の塔頂上--
「はぁ……くっ……」
流星群が降り注いだ後時限の塔が崩壊するような爆音と砂煙が発せられた。流星群は守ると光の壁のバリアを貫通し、容赦なくダメージを与えていったのだ。二つの技をもってしても一撃で体力を大幅に奪うところがその威力を物語っていた。
「よしっ!!」
スパークは戦闘が終わっていないにも関わらず。彼がここまで自信に満ちているのはその技の性質、流星群は使用すると特攻が大幅に減少するというデメリットを抱えた技であるからだ。ディアルガには物理技もあるが今の状態からしてそのことを理解していない。付け入る隙は十分にあると踏んでいたのだ。スパークはカバンを手に取りディアルガを睨む。
「あ、あれ?兄さんは?」
ファイアはここで初めてウォーターがいないことに気がついた。そこにいたのは--
無数の傷を負ったリーフとそんな彼女を揺さぶっているウォーターの姿があったのだ。ファイアもその様子を見て驚愕していた。防御していた筈のリーフがウォーターの身をかばいその身にダメージを受けていったのだ。
「おい!!なにやってんだよ!!」
「何……って、そんなことまで説明しなきゃいけない……!!」
「なんでオレなんかをかばったんだよ!!」
「そんなの…………うぅっ!!」
「それ以上しゃべるんじゃねぇ!!」
リーフはかすれるような声で何かを呟いたがそれは至近距離でも聞き取れないような声だった。恐らく”自分が喋らしたんじゃないの……”と漏らしていただろう。
「ッ!!こんなときに!!」
重体のリーフに加え、不安定なウォーターの精神状態、そしてスパークの援護。ルッグはこの三人の状態に顔にはださないにしても焦りを感じていた。ファイアに至ってはウォーターみたいに半泣きになりながら彼らにすり寄っていた。この状況は一人が戦闘不能になったのにさながら三人とも戦えなくなった状況に等しい。
ルッグは三人を見限ったようにその場を離れスパークの援護に向かった。密かに手にとっていた猛撃の種を口にし、飲み込んでいった。
「ちいっ!!十万ボルト!!」
ディアルガ相手の囮を買って出たスパークはディアルガに様子見の十万ボルトを発した、対するディアルガは竜の波導をぶつける。様子見に放った十万ボルトは彼の予想と反して竜の波導を容易く打ち破った。
--やはり格段に威力がない!!そのことは誰の目にも見て取れた。やはり流星群の反動で竜の波導は一般のドラゴンポケモンと大差がない程度にまで低下していたのだ。それに怒ったのかディアルガは物理技のメタルクローで攻撃を仕掛けてきた。スパークはバックステップで連続で放たれるメタルクローをかわし続けた。
しかしスパークは足元をはっきりと見ていなかったのかスパークは地面の石っころに足をつまずかせてしまいそのまま倒れてしまう。ディアルガはしめたとせんばかりにスパークに勢いよく爪を振り下ろす!!
ガキイィン!!
鋼鉄の爪と拳が勢いよくぶつかり合う音がした。スパークの目の前にはメタルクローをドレインパンチで相殺しているルッグの姿があったのだ。今でもディアルガと猛撃の種を飲んだルッグは押しつ押されつのほぼ互角の状態であり互いに攻撃ができずに硬直状態ともいえる状態を化している。
「スパークさん!!」
「うっ……!!わかった!!」
”今のうちに!”といわれる前にスパークはカバンから酒瓶を取り出しディアルガの顔面に向けて投げだした。顔面に直撃した酒瓶はそのまま勢いよくバリンと音を立てて割れ、酒がディアルガの目に入っていった。目に染みたのかディアルガは辛そうに目をこすっていた。
「それっ!!」
隙あらばとルッグはローキックを右足に決めた。ローキックを受けた右足はボコっと鈍い音を出しディアルガに痛みを加えていた。ローキックは威力こそは低いが素早さを確定で下げる追加効果がある。大してきかない威力なら悪い状態を与える作戦あっての選択肢である。
「うぅっ……リーフぅ……起きてよぅ」
いまだに目を覚まさないリーフをファイア達兄弟は看ていた。ノーガードで流星群を受けたリーフの体は相変わらず傷だらけであったが不思議なことにわずかながらその傷が少しずつ癒えていっていった。全てのポケモンには自然治癒の能力が備わって入るがそれにしては速度が普通ではないことに2人は驚きを隠せない。
「……ったく、男2人が耳元で泣きわめかないでよ……」
『!!?』
ディアルガを指差した状態でリーフが言葉を発した。2人は嬉しさそっちのけで指差したディアルガの状態を確認する。そこには小さな蔓を体中にまとい苦しそうな表情のディアルガの姿があったのだ。宿り木の種で回復していたのだ。ファイアがよく彼女の状態を目視していると、それを示すように傷がわずかに癒えていた。ファイア達は嬉しそうに彼女にすり寄るが--
「きゃああぁあっ!!?」
「うわああぁあっ!!?」
「な、なんだあぁっ!!」
またも時限の塔が勢いよく揺れ、それが三人のバランスを崩していった。それはディアルガと対峙していたルッグとスパークも同様だった。それの原因にいち早く気がついたリーフの顔が引きつった。--時の停止が加速している。その衝撃はそれに他ならなかった。
矢のように飛び出したリーフはそのままディアルガにメタルブレードで突っ込んでいった。だが酒での目つぶしを食らったディアルガは闇雲にメタルクローを打ち出し、自身に突っ込んでいったリーフをそのまま傷つける。
「ッ!?大丈夫かリーフ!?」
リーフとはまた別の意味でおぼつかない足取りのスパークが彼女に駆け付けた。しかしこれは彼女にとっては想定の範囲内。スパークの視線の先には左手にエナジーボールに似た球体を所持しているリーフの姿が。
「もしかしてリーフ、さっきはわざと攻撃を受けたのかな?」
「はぁ!?」
無策で突っ込んでいったように見えたリーフにファイアはその真意を真っ先に把握した。三度目になる彼女の最強技”エナジーストーム”である。極限になるまでのダメージがないと発動しないことを把握していた彼女はあえて突っ込み攻撃を受け、この技の準備を整えていた。
「スパークさん、少しだけ時間稼ぎを……」
「……うむ、わかった」
スパークは微弱の電気”電磁波”をディアルガに向けてぶつける。電磁波を食らったディアルガは体中を痙攣に近い動きで体を震わせていた。麻痺である。
--これで決める!!リーフのエナジーストームが迫ってくることを確認し、電磁波を食らい体がしびれているディアルガはしびれに耐えながら、胸の宝石を輝かせた、二度目の流星群である。いくら威力が下がったといっても伝説のポケモンの大技、もしエナジーストームが打ち負かされたりでもしたらリーフの体はただでは済まない。だがリーフにとってはそんなことはどうでもよかった。今の彼女の原動力となっているのは、時の停止を止める使命感のみであった。
「--くぅっ……」
エナジーストームはわずかだが流星群に押され出した。わずかに流星群のほうが威力がまさっていたのだ。流星群とエナジーストームがぶつかり合ったときの衝撃でリーフの顔が一気に苦痛の表情を浮かべる。
--頼む……リーフ。この素晴らしい朝日を世界を………。
守ってくれ!!--
--!!空耳なのかどうかはわからなかった。しかし彼女の耳に聞こえた声の主はまぎれもなくジュプトルだったのだ。そこ声が聞こえた直後、なんとエナジーストームが流星群を押し切った。流星群を打破したリーフはそのままディアルガの胸の宝石に勢いよく大きなダメージを追ったために深緑で底上げされた高威力のエナジーストームをたたきつける!!
しばらく技と技のぶつかり合いでファイア達四人はまともに状況を目視することができなかった。しばらくして技の応酬が終えた後、そこには--
--互いに同等の傷を負ったディアルガとリーフが倒れている姿があった。ディアルガも水浸しの影響を受け効果抜群でエナジーストームを食らったため流石に持ちこたえ切れなかったようだ。
「リ、リーフが!!」
「待てファイア!!!まずは時の歯車が先決だ!!」
ディアルガが倒れたのか時限の塔の地響きがより一層激しくなっていった。時限の塔が崩れた状態ではいくら時の歯車をおさめても何の効果もない。スパークは非情なのはわかっていたがそちらを優先したのだ。ファイアも納得が言った様子で五つの窪みに一目散に走っていった。その後ろをウォーターが時の歯車が入った袋を持ち”おいファイア!!”と怒鳴っていたが。
「よしっ!!」
祭壇に上ったファイアは急いで時の歯車を窪みに収めた。時限の塔は完全には壊れてないためにこれで使命は果たされた。
--かと思われた。時の歯車をおさめたにも関わらず地響きはおさまらず、かえって大きくなっていったのだ。
「そんなっ!!結局間に合わなかったのか!?」
「知らねぇよ亀野郎!!」
「なにぃ!?」
それどころでは何ことはわかっているにも関わらずウォーターとルッグは口論を始めてしまった。ファイアもスパークもどうすればいいかわからずに焦りを隠せずにいた。そして辺りは爆音に近い塔が壊れる音がし、四人の意識を奪っていった……。