第七話 苦労するチンピラ君
「七つの秘宝?」
リーフ達はいつものとおり掲示板で依頼を受けようとしたが依頼文に書かれていたある言葉が気になって、スパークのもとを訪ねていた。(スパークについては第二話をご覧ください)
「そうだ、伝説でしかきいたことがないが・・・・」
「このたび、わたくしは七つの秘宝を探るべく・・・」
「ってそれはえんぜつでしょ・・・・」
リーフのボケにファイアが突っ込む。
「七つの秘宝にはそれぞれ特殊な力があってな、使用者を回復させたり、敵の動きを止めたりと探検に有利な能力を秘めているんだ。しかしどうして七つの秘宝をしってるんだ?」
スパークが一通り説明したあと三人に率直な疑問をぶつける。今まで知らなかったことをどこで知ったのかと。
「とりあえずこれ見てくれ」
ウォーターがスパークに一枚の紙を手渡す。それにはこう書かれていた。
依頼内容 ボーマンダを退治してください。ボーマンダは私の先祖が持っていた七つの秘宝の一つを守っています。報酬に加え、それも差し上げましょう。
「成程・・・・、よし!!お前たち、これを持って行け!!」
そう言って、スパークは緑色のラッパをリーフ達に差し出す。
「これは?」
「これはさっきいった七つの秘宝の一つの草のラッパだ!!
じつは前々からお前たちが探検隊を結成したら渡そうと思っていたのだがな・・・・」
「お、お父さん・・・・」
ファイアの目は潤んでいた。
「まったく・・・、相変わらず泣きだなお前は」
「いや、僕花粉症なんで」
全員がその場でド派手にずっこける。
「それにしてもこれをみると私も探検に行きたくなってきたな!!
よし!!今日から私もお前たちのチームメイトだ!!よろしくな!!」
(勝手に決めちゃったよこのひと・・・・)
「よし!!じゃあ張り切って行くぞ!!!!」
「勝手に仕切るな!!!」
「は、はい・・・・・・」
スパーク以外の突っ込みにスパークは興奮から冷めたようである。
「この辺だよね?」
「でもいなませんね?」
リーフ達は依頼人との集合場所に到着していたが、依頼人がまだきていなかった。
「すいませ〜ん!!待ちましたか!?」
一人のポケモンが急いだ様子で駆け付けてきた。そのポケモンは、以前リーフ達が助けたズルズキンだった。
「あのときの、え〜っとズキズキンだったっけ?」
「ズルズキンですよ!!頭痛じゃないってば!!」
ズルズキンがリーフに突っ込む。
「もしかして、あんたが依頼人か?」
「いや、僕はその使いのもんですよ。」
「要は使いっぱか?」
「(そんなドストレートに言わんでも・・・・)ま、まあそんなとこですかね・・・・・」
ウォーターの何気に酷い台詞にズルズキンは言葉に詰まる。
「とにかく、依頼人は屋敷で待ってますから、ついてきてください」
一行はズルズキンを先頭に進んでいく。
「ここなんですけど・・・・」
ズルズキンが指差したさきには目もくらむほどの大豪邸がたっていた。その門の前に目つきの悪いワニのようなポケモン、ワルビアルがズルズキン達を待っていたようだった。彼の表情から何かに脅えているようだ。
「遅いぞ!!何しとったんや!!サザンドラさんめっちゃ怒っとったぞ!!」
「えっ・・・・・」
ズルズキンの表情が一気に青ざめる。
「とにかくはよう行った方がええぞ!!」
「わ、わかった・・・・」
ズルズキンかすれた声で返事する。その声は当の本人さえも聞き取れないほど小さい声だった。
「遅くなってすいませ〜ん!!(大汗)」
ズルズキンが両手に頭をつけたドラゴンのようなポケモン、サザンドラのもとへ行く。すると・・・・
「ちょっとこっちこいや・・・・・(怒)」
サザンドラは緩やかな口調でそう言った。しかし、口調とは反対に彼の目はかなり怒っている。
「は、はい〜(大汗)」
サザンドラはズルズキンを連れてどこかに行った。リーフ達の目に届かなくなった瞬間・・・・・
「探検隊の方たちを待たせるとはどういう意味だ!!流星群!!!」
「うわあああああぁぁっ!!!」
サザンドラの怒声とズルズキンの悲鳴が聞こえた。しばらくしてズルズキンはリーフ達に姿を見せなかった・・・・・・。