第六話 ライバルの全世紀
翌日リーフ達は掲示板に向かおうとしていた。
「なんでこの小説って掲示板から始めようとするんですか?」
「始め方いっつも単調ですもんね」
「しゃぁないやろ、いつも出だしが一番苦労するんやから」
リーフ、ファイア、ウォーターから順にそう言った。本当に始め方が難しいんです・・・・。
「ん?」
「あーっ!!!」
掲示板の前には二人分の影があった。その正体はリーフとファイアを見てそう叫ぶ。
「お、お前たちは!?」
「誰だっけ?」
リーフの発言にリーフ以外全員がその場でずっこける。
「第一話に出てきた、ドガースだよ!」
「リーフ(おまえ )にコテンパンにやられたズバットだよ!!
まさか忘れたんじゃないだろうな!?」
「はい」
リーフの言葉にドガース達は再びずっこける。
「俺等結構ゲームでも重要なポジションだろ!」
「そんなに重要でもないと思うんですけど・・・・」
「何〜!!!」
リーフの台詞にドガース達は絶叫する。
「なんでこんなところにいるの?」
「けっ、俺等は探検隊なんでな」
「どう見ても探検隊じゃねぇだろ!!火炎放射!!」
「ぐわあああぁ!!!」
突然ファイアが攻撃した。口調まで悪くなってる。
「ちょ・・・・なんなんですか?いきなり」
「ファイアは相手が弱いとえらく強気になるんだよな(汗)
言葉使いまで悪くなるし・・・」
「本当に探検隊なんだってば〜(悪いことしかしてないけど)」
「どこがじゃ〜!!!火炎車!!」
「ぐええええぇ!!!」
今度は火炎車で攻撃する。相当欠けらが奪われたのが頭にきたのだろうか。
「この野郎・・・・(怒)弱虫のくせに調子にのりやがって〜」
「まだ言うか〜大文字!!!!」
「どっひゃああああぁ!!!」
ファイアの怒りは頂点に達した。彼の一番の大技を二人にあてる。
「ひいぃ〜」
「ど〜だ参ったか」
ドガース達はその場で黒こげになって倒れた。すると・・・・
「ん?なんかにおわへんか?」
「確かに・・・・なんか臭う・・・」
ウォーターが臭いに気付きそれに同調するようにリーフが鼻をおさえる。
「へっ、兄貴の出番だな・・・・」
「やかましい!!」
ファイアは倒れているドガースをどついた。
しかし・・・・・・
現実は彼らの思惑通りにはいかなかった。
「あ、兄貴・・・・・?」
彼らが見たものは彼らの兄貴とおもわれるスカンクのようなポケモン、スカタンクがズタボロになった状態で、それよりはるかに小さいワニのようなポケモン、ワニノコに引きずられていた。
「ガハハハハハ!!クロー様の登場だ!!!それにしてもスカタンク( コイツ)を一体どうしてくれるか・・・・」
クローと名乗ったワニノコはスカタンクを見ながら呟く。なぜこうなったのかは今から数分前にさかのぼる。
「おいてめぇ!俺様にぶつかるとはいい度胸してんじゃねぇか!」
スカタンクがクローにぶつかっていた。これが今回の事件の発端なのだ。
「なんだと!?お前がワシにぶつかってきたのではないのか!?」
クローも黙ってはいられずに言い返す。互いに一触即発の空気が漂う。すると・・・・
「ガハハハハ!ワシと闘うには随分弱そうだな!」
「弱い・・・・だと?後でほえ面かくなよ!!辻斬り!!」
クローの挑発にまんまとのり、スカタンクがクローに辻斬りを仕掛けるが・・・
「ふん!気合パンチ!!」
クローはとび上がって辻斬りをかわし、真上から気合パンチをぶつける。
「ぐへぇっ!!」
スカタンクは一撃でノックアウトした。
「ガハハハハハ!!やっぱり弱いではないか!!」
クローはのびているスカタンクをそのまま引きずって行った。そしていまに至る。
「あ、兄貴!!?」
ドガース達はボロボロのスカタンクを見てそう叫ぶ。
「なんだ、こいつの知り合いか、こいつをさっさとどこかに連れて行け!!
ぐずぐずしていると容赦はせぬぞ!!!」
「は、はい……」
クローがドスのきいた声で怒鳴る。その言葉にドガース達の声が裏返る。そして彼らは倒れているスカタンクがを持って行ってその場を後にした。
「それにしても・・・・・
何をしておるのだ!!ワシを待たせる気か!!!」
クローがまた怒鳴った。その後背中に種をつけたポケモン、フシギダネと緑色の亀のようなポケモン、ナエトルが急いだ様子で彼のもとへ駆け付ける。
「クロー様!!遅くなって申し訳ありません!!」
「馬鹿者!!!ワシより後に来るとはどういう了見だ!!!
今度こんな真似をしてみろ!!お前たちの面倒は二度と見てやらんからな!!」
「承知しました!!!」
クローがナエトル達に怒鳴っていると・・・・
「ん?」
「ひぃっ!!」
クローがふとリーフ達の方に振り向いた。するとファイアはびくっとする。
「・・・・・・ワシはワニノコのクローだ。お前は誰だ?このあたりでは見かけない顔だな」
クローがリーフを指差しながら尋ねた。
「わ、わたしはリーフって言います・・・」
流石に彼の怒声がこわかったのかリーフも少しびくびくしている。
「そうか・・・・・お前とはいずれ闘うかもしれんな
お前たち!!行くぞ!!」
クローはナエトル達の方を向いて叫ぶ。その直後クローは突然走りだした。
「クロー様!!」
「そっちトイレですよ!!」
「いや、さっきから怒鳴りっぱなしだから腹痛くなってな・・・・」
その場にいる全員がずっこけた。